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Dgs店員にとっての数字

①はじめに

さて、Dgs店員のための知っておきたい数字の解説1回目です。
私は中途入社でDgsに入社、店長を10年くらい、3店舗ほど見まして、現在はパート従業員として店舗に勤務しながらEC店舗の出品作業などを行っております。かなり変わった経歴だと思いますが、人物もかなり変わっておりまして、私を知る人からすれば「ああ」と納得してもらえると自負しております。一応名誉のため言っておきますと、店長職を降ろされたトンデモ社員ではないです(笑)自らパートに鞍替えして空いた時間は学習やら親の事業の手伝いやらやろうと思ったからです。今中小企業診断士の資格取得に向けて勉強中。先日2次試験を受験しました。結果は来年になりますが、手ごたえとしては「うーん、知らん」て感じです。

このような記事を作ってみようと思ったのは、Dgs店員は経済を知らなさすぎると感じたからです。小売業という最終消費者との接点を持つ立場として、マクロ経済まではいいとしても「今とこれからの経済の雰囲気」くらいはつかんでおいてほしいところ、「実質賃金の低下」とか言ってもぽかんとされるようではちょっとまずいなと。それってお客さんの懐具合の話やから知っといてほしいなあと思うわけです。ハイ。

中小企業においてはそういった「座学」について教えるリソース(つまり金)もなければ時間もないです。教育に熱心な企業さんもあるでしょうけど、なかなかそこまでできない場合が多いんじゃないかと。
てことはですよ、そこに潜在需要があるわけで、供給力があれば商売になるかも?とか思ったりして、その資料づくりくらいな気持ちでやったろかいなと一念発起した次第であります。

なお基本的にグータラな性格のため、次があるかもわかりませんし、なにかしらでコンタクトしてもらっても「ただの屍」かもわかりませんのでご容赦ください。

②本題 売上総利益

前置きが長くてすいません。本題に入ります。
今回の論点は「売上総利益」

簿記の知識のある方はすぐわかると思いますのでこっから下は読まずにブラウザの「戻る」ボタンをおねがいします。損益計算書P/Lの上から3番目ですね。

売上総利益がなにかといいますと、式は簡単です
売上ー売上原価=売上総利益

売上はわかります。売上原価はどう?ざっくり仕入れ値と考えてください。また、話をシンプルにするために税金は考えません。
60円で仕入れたものを100円で売ります。売上総利益は40円です。聞いたことある言葉かもしれませんが「粗利益」です。この粗利益から家賃、人件費、光熱費を払います。残れば営業利益です。残らなければ営業赤字です。

指標としての売上総利益

粗利益はよく「本業の収益力の指標」と言われます。あれ?違ったかな?間違ってはいないか。どういうことかというと

上の式はすごくシンプルですけど、実はすごく深いです。

まず、60円で仕入れたものにさらになにか価値をつけて110円で売るとします。それでもお客さんは価値を感じて買ってくれるとしたらどうでしょう。粗利益は50円です。(価値をつけるのにコストはかからないと考えます)すなわち高く売る力をもつということです。同業他社が100円でしか売れないものを、なにかしらの付加価値で110円でも変わらず売ることができれば稼ぐ力があると考えられます。

一方、売上原価を下げることができれば同じことが言えます。100円で変わらず売れるものをちょっと頑張って55円で仕入れてきたら、粗利益は45円、5円アップします。これも稼ぐ力、原価面での稼ぐ力です。

また、売り上げに占める売上総利益の比率を「売上総利益率」「粗利益率」と呼びます。100円の売上で40円の粗利益なら粗利益率40%です。したがって、粗利益率が高い会社というのは、売上原価を抑えることに長けているか、高い値段でも買ってもらえる付加価値をつけることで率を高めています。

わかりやすくいくと、大手Dgsは当然取引量が多いですから、仕入れ値は抑えることができます。価格交渉力ともいいます。このへんはまたの機会に詳しく説明しますが、たくさん仕入れるんなら安く売れますというのが常識と考えてください。仕入れ値を抑えれば粗利益率は上げられますね。同じ価格で売るのは大前提ですよ。
一方中小の場合は仕入れ規模は小さいですから、売上原価はあまり抑えられません。卸さんと長い付き合いだったとしても仕事は仕事ですからそんなに安くしてもらえません。まして大手並みの原価などありえないでしょう。なので、高く売るための努力が必要になります。結果高く売ることに成功すれば大手と同じ粗利益率になりますね。

➂まとめ

以上のように、うえで見たあの式
売上ー売上原価=売上総利益 
実は深ーいものの集合体なのです。

もし同じ業種で規模もあまり変わらい会社を比較できた場合、粗利益率を見ればその会社の「売る力」をうかがい知ることができます。小売業はわかりやすく、仕入れる力が高いか付加価値品の販売力が高いかどちらかです。

中小企業ならどこを目指すか?答えは簡単ですね。高付加価値のものを売る力をつける。これしかありません。
その方法はいろいろあるでしょうし、規模の小さい企業は「他と違う何か」を模索し続けているはずです。

売上総利益は単純な指標ですが、企業の本当の力をあらわしている。そんな気がします。

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