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任意取調べ

警察署に到着してからは、お決まりの取調べ。

まずは事件の時系列から説明を受け、このことについて知っていることを答えていく形式で進められました。
とは言っても、犯人ではない私が事件発生当時から知っている内容もほとんどなく、その中でも会社の内部事情等分かる範囲で答えていくことに。

勿論、スマートフォンのパスワードやウソ発見機を使った検査の要請はされていたのですが、警察は一切の証拠を提示することなく、なお新しい証拠を確保しようとしてきています。それに対応することが自身の防御につながるとは考えにくく、引き続き拒否の姿勢を示しました。

やがて、昼食の為休憩しましょうということになり、近くのコンビニへ。
取調べと別の刑事がついてきた。逃走防止ということなのでしょう。

普段から朝食はとったりとらなかったりという生活。
この日はたまたまとっていませんでした。

自宅での家宅捜索中、家の冷蔵庫にあった麦茶も
「毒が入っているかもしれないから飲ませられない。」
と言った理由で、本日は1滴の水分も口にすることなく、お昼を迎えます。

逮捕されていないのに基本的人権もあったものではない。
これが警察のやり方なんだなぁと、今更ながら思ったりします。

コンビニ到着。
不思議なことに、空腹という感じもなく、500mlのコーヒー飲料を1本だけ購入しました。勿論、自腹です。

警察署までの帰り道、同行の刑事が話しかけてきました。
「状況証拠だけでも有罪にできるんだよ。」
今はその状況証拠も示されていないので、こちらも答えようがありません。

そんなことを言われても、私が犯人で間違いないという証拠がなければきっとすぐに帰してもらえると思っていました。
しかし、その予想はあっさり覆されることになります。

足取り軽く、先程の取調室に戻りました。

「飲み終わったら再開しましょう。」
どうやら、飲みながらの取調べはNGらしい。
私もこの取調べを早く終わらせたかったので半分くらい飲んだところで、聴取の再開をお願いしました。

一通り、作成した内容を確認し、言い忘れたことや思い出したことはないかと聞かれたました。

「ないです。」

その瞬間、決定的な一言を告げられるのです。

「わかりました。それでは午後2時・・分、あなたを建造物侵入並びに窃盗の疑いで通常逮捕します。」

「あぁ、そういうことか。」

すぐ帰れるという期待もありましたが、今、しっかり現実を飲み込めました。

最初から逮捕ありきで、ここまでしてきたんだなと。

次の瞬間・・・これからどうなるんだろう。
ふと、恐怖が襲ってきました。

ここから先は全く未知の世界です。
知らない世界を想像すると足も震えます。

ここには1人の味方もいない。

そのことだけははっきりと分かりました。

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