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バトルのない1日

逮捕容疑を全て否認していると、連日過酷な取り調べを受けることになりますが、取調官にも休日があります。

カレンダーの休日は取り調べもお休みになりがちのようです。

取り調べのお休みは大体、土日や祝日が多いのですが、この曜日は警察署も職員が少なくなるようです。
仕事がしやすいという理由で、あえてこの日に出勤し取り調べを行うという刑事もいます。

私を担当した30代巡査刑事くんもこのタイプで日曜日に取り調べを行うこともありましたが、彼も妻子持ちということで、祝日や日曜は基本的にお休みだったようです。
ただし、警察署も全ての職員がお休みというわけにはいきませんので、出勤している人も大勢おりますが、パッと見、全体の半分程度がお休みするといった感じでしょうか。
休日に取り調べ等で出勤する際は、上長の許可がいるそうです。

我々被疑者も取り調べがない日は基本的に何もありません。

人間、贅沢なもので、何もなければないで不満なんですね(笑)

何もない日は、とにかく1日が長い!

留置場は拘置所同様、自由が制限されております。
一日の日課以外にやることといえば日記を書いたり、読書するくらいでしょうか。

私がいた時期は1年で一番寒い2月でした。
暖房がない留置場にずっといるのも、結構苦痛なのです。

毎朝、新聞も閲覧でき、1時間以上かけ隅から隅まで穴の開くほど目を通すのですが、たまに新聞休刊日というのもありまして、そういうときは尚更ヒマな時間が増えるのであります。

留置場では本が借りられます。
私も人生の中で最大と言えるほどの数の書物を読破しました。
ただ、貸してもらえる本のほとんどが推理小説でして、結末は<悪いことをしたら結局は最後に捕まる>といった感じで、それ以外の本も勧善懲悪的な内容が多かった気がします。
取り調べがないときも洗脳させるといった作戦が見え見えです。

ちなみに、私の場合、23日に渡る勾留期間で、16日間を取り調べに充てられました。
ここまで取り調べが多い被疑者も珍しいようで、ほとんどは最初の数日で取り調べが終わり、あとは起訴され公判を待つ人が多かったと思います。

起訴されると基本的に拘置所に移送されるのですが、私がいた地域の拘置所は満員状態で、そのまま留置場に待機という人が多かったです。

なので、私の居室も勾留後半になると雑居(相部屋)となりました。
その状態になると居室内において会話が許可されます。
お互い持ち込んだ本を回し読みしたり、事件のことを語り合ったりと暇つぶしの時間が増えますが・・・それは一緒になる相手しだいです。

ここに連れてこられた人は、内面も性格も事情も様々ですので。


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