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NO.21 「あるくみる・かんがえる」千鳥ヶ淵戦没者墓苑より大きい英国大使館

 8月15日の終戦記念日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に参拝に行った。
 6月に硫黄島クルーズに参加し島に残されている1万人もの日本兵の遺骨に祈りをささげたこともあり、今年は行こうと自然に決めていた。
 
 この墓苑には、第2次大戦により国外で死亡した日本人(軍人も民間人も)の遺骨のうち、身元不明や引き取り手がいない遺骨37万柱が現在安置されている。
 硫黄島から帰還した遺骨もここに収められている。

 11時頃現地に到着したところ、ちょうど岸田首相の一行が来たために一般の参拝者は入口で少し待たされたが、私はその先頭だったので首相の次に献花を行った人になった。一般窓口でだが。

 ここは入場無料で誰でも自由に参拝することができ、100円で菊の花が用意されていてたやすく献花することができる。終戦記念日当日はびっくりするほど大勢の警察官が配置されているが、臆することなく堂々と一市民として中に入っていったらよい。
 戦禍に倒れた多くの先人に祈りをささげ、今の平和の有難みをかみしめることは素直な気持ちだ。

遺骨が納骨されている六角堂

 この墓苑の道路を挟み近接した所に英国大使館がある。

 半蔵門駅から来ると大使館に沿って歩くことになるが、お濠の目の前というそのロケーションのよさと敷地の大きさに驚く。建物も美術館のように立派だ。
 
 調べると、墓苑の敷地が1万6千㎡、大使館のそれは2万8千㎡で、後者が1.75倍も大きいのだ。(*備考)
 大使館の住所は「千代田区一番地1」。まさに一等地を示すような住所だ。

英国大使館 正面

 なぜ戦争で命を落とした沢山の国民が眠っている墓苑より、近くの外国の一大使館の方が大きく立派なのかは納得いかないと考えてしまうのは私だけだろうか?

 皇居の目の前にあるだけに、なおさらこの思いが強くなる。

(*備考)
2015年英国大使館はその敷地の20%を日本国へ返還し現在の面接になった。返還された土地は公園として本年3月にオープンした。(名称は国民公園皇居外苑半蔵門園地)


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