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ニューヨークひとりぼっち① 〜信号無視な人々〜

先週の木曜から月曜まで、ニューヨークに一人旅をしてきました。
その記録です。

ニューヨークに着いてまず驚いたことは、みんな信号無視をしていること。それは交通量の少ない時間帯だけではなくて、黄色いタクシーや様々な車が行き交うタイムズスクエアの近くでもそう。たくさんの人が赤信号のなかをスイスイと渡っていってしまう。

最初は本当に戸惑った。日本で昼間に信号無視をする人なんてまずいないし、夜中の誰もいない交差点であっても、なんとなくいつも信号が青に変わるのを待っていた。

ただ、道ゆくニューヨーカーたちを観察してみると、彼らに一つの共通点があることにも気がつく。
それは、「車が来ていない時に渡る」ということ。

「当たり前じゃん。車が来ているのにわざわざ渡るわけないよ」
と思うが、では僕たちは日本でどのような行動倫理を持ってして、赤信号を待っていたのだろうか。

僕たちは「赤信号だから渡らない」というルールだったはずだ。
渡らないのは「車が来ているかどうか」ではなく「信号が赤かどうか」であって、だからこそ僕は深夜の誰もいない交差点で一人、信号が青に変わるのを待っていた。

別に信号を守らない社会が良い、とは思っていない。実際、車が来ているのにもかかわらず急いで交差点を渡ろうとして、クラクションを鳴らされている人をニューヨークにいるうちに何度も見たし、こんなところじゃニューヨークのドライバーはさぞ運転しづらいだろう、とも思う。

ただ、この社会規範やルールに対する捉え方の違いはとても面白い。
「車が来ているかどうか」つまり、合理的な理由の有無で捉える場合と、
「信号が赤かどうか」つまり、ルールをルールとして守ることを重要視する場合と。

滞在も終わりに近づくにつれ、自分も赤信号であっても車が来ていなければ渡るようになってしまった。こんなに多くの人が渡っていると、車も来ていないのに待っているのが何だかものすごく愚かなことのように思えてきた。

でもきっと日本に帰れば、変わらず赤信号で待ち続けるのだろう。

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