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「2023・私グラミー」最優秀新人部門

はじめに

年の瀬です。
今年はいつもより数倍は多く動き、働き、学んだ1年でした。

少し振り返るとこんな感じ。
1月〜5月:アメリカ留学後半戦。春セメスターが始まり、課題に追われる日々。自分でラジオ番組とか作ってた。
3月:シカゴ旅行。詳細は別のnoteに。
5月中旬:帰国。アメリカの学期を息も絶え絶え終わらせた直後なのに、日本の大学の前期授業はもう始まってる。
5月下旬〜:本格就活スタート
6月:新しいバイト(ラジオ局オフィス&AD)を始める
7月上旬:第一志望企業から最終面接での落選通知。メンタル死。
7月中旬:好感触の企業に出会う。
7月下旬:その企業からまさかの内定通知。就活終了を宣言。
8月:狂ったように遊ぶ。神宮野球観戦・サマソニ・韓国旅行etc…
9月:卒論作業&後期授業開始
10月:友人の学祭に行く。直後にインフル感染、一週休み。
11月:卒論がほぼ終わる。入社前研修とかも始まる。日程調整の致命的ミス3つくらいやらかす。
12月:卒論提出完了。マネスキンのライブでスティックをゲット。

今年の半分もアメリカにいたのがちょっと信じられないくらいの忙しさでした。何とか乗り切れそうでよかった。

「私グラミー」

さて、毎年恒例の音楽の話です。
今年も色々聴きました。そして、その雑観についてはポッドキャストでも話しています。

今回、ユーカリさんとのポッドキャスト「音楽からはじまる」では、「私グラミー」と銘打って、今年の「最優秀新人賞」「最優秀アルバム賞」「最優秀楽曲賞」「特別賞」を超個人的に決めました。
特別賞以外の3つは、8つのノミネーションを出し、そこから最優秀を決める、という形。特別賞は私とユーカリさんが個人的に「おめでとう、ありがとう」と言いたい対象に授与します。

今回は、私のノミネーションと雑観をテキスト形式で。

最優秀新人賞

私が、今年(2023年)個人的に知ったアーティストの楽曲に送る賞。
デビュー年、その曲のリリース年は問わない。とにかく私が今年初めて出会ったものであればなんでも可。

以下ノミネート作品(★が最優秀賞受賞)

  1. Always/Jonah Yano

  2. f e e l d o w n/さらさ

  3. Do the Thing/reina

  4. ベーコンエピ/TOMOO

  5. 差し色/Bialystocks

  6. 100MILLIONS/舐達麻

  7. Buriburi/Balming Tiger

  8. Standing Next to You (Usher Remix)/Jung Kook★

1. Always / Jonah Yano

初めて聴いた時に、ぶったまげた曲です。
知ったきっかけはClairoがインスタのストーリーに載せていたこと。
広島出身、モントリオール在住のジャズ/フォークシンガーソングライターJonah Yanoの今年リリースのアルバム『Portrait of a Dog』は、事あるごとに聴きかえす個人的な重要作になっていました。

Apple Musicの解説によると、『Always』は心臓に問題を抱えた4歳下の弟に向けて書かれた曲らしい。中盤までのメロディアスな雰囲気が、後半のフリージャズセッションのようなパートで一気に変貌する。その気持ちよさに最初は酔いしれていたのだけど、聴いていくうちに、自由なジャズ演奏の中に感じる機微みたいなものを読み取ろうと必死になっていました。

2. f e e l d o w n / さらさ

さらさは、本当に今年よく聴いたアーティスト。
一番聴くラジオ局のJ-WAVEがこぞってかけていたこともあるけれど、一度ハマると抜け出せなくなる中毒性がその声にはあって、「とりあえずさらさ」みたいな状態で再生する場面が何度もありました。

『f e e l d o w n』を初めて聴いた時、一瞬宇多田ヒカルの新曲かと思ってしまった。「声が似ている」というのを評価対象にしてしまってはいけないし、他の曲で似ているわけでもないんだけど、でもこの声を同世代のアーティストが持っていることの嬉しさみたいなものは確かにありました。

あと、PodcastとかYouTubeのVlogで見えるラフな表情も好きだったりする。
完全にファンです。

3. Do The Thing

J-WAVE SONAR MUSICの「次世代ジャパニーズR&B特集」で知ったアーティスト。最近は90〜00年代のリバイバルや、コロナ以後のクラブシーンでかかりやすいダンサブルな楽曲が来ているらしい。『Do The Thing』も冒頭のスクラッチから『Automatic』的なバイブスを最高に感じる。さらさの時も感じたけど、このサウンドを2023年に聴けるって恵まれてる。

reinaに関しては、YouTube上にMVがひとつも無いし、本人からの発信がそこまで多いわけでもない。それでも7月のリリースパーティーにはさらさとVivaOlaが来ていたりしていて、もう少し早く存在と魅力を知れていたら、もっと語ることができたのにな、という気持ち。

4. ベーコンエピ / TOMOO

今年下半期、最も聴いたアーティストは恐らくTOMOOです。キャッチーでありながら、心の中の細かくて、か弱いところを確かに掬い取るポップソングを書くことのできる稀有なアーティストだと思っています。
あらぬ妄想をしてしまうと(Podcastの方でも話しましたが)、8年くらい早く出てきてもらえれば、「SMAP×SMAP」とかでSMAPの5人と歌ったり、楽曲提供したり・・・みたいなこともできた人なんじゃないの?ってことを最近勝手に考えています。

(ほら、歌い出し中居くんとか、サビ前香取くんとか、いい感じなんじゃない???)

『ベーコンエピ』は歌詞の端々にどきりとさせられる曲。「きみとがいいよ」というフレーズの説得力の持たせようは異常。こんなに純粋で、かつチープにならないラブソング、素敵です。

5. 差し色 / Bialystocks

「ビアリはいいぞ」という話を各方面から耳にはするものの、なかなか自発的に聴いてはきませんでした。ただ、ふとしたきっかけで『Upon You』を知って以降、このバンドはとんでもねえぞという気持ちにさせられるのにそんなに時間はかかりませんでした。
本当に、食わず嫌いは良くない。早めに新しいアーティストとかおすすめされたら聴きましょう。

残念ながらサマソニで見ることは(酷暑NewJeansで瀕死状態だったため)できなかったのだけど、ライブの映像を見てもすごい人たちなのは明らかなので、次の機会は逃したくない、そんなアーティスト。

(Take a great, big step forward!!!)

『差し色』は、実は今年のSpotifyまとめでトップソングの第2位にランクインしていました。
「明日は気の向くままに いつもの部屋を驚きで満たせば」
日常とリンクする形で楽曲が隙間に入り込んでくる、そんな形で2023年はBialystocksを受容していたように思います。

6. 100MILLIONS / 舐達麻

舐達麻は、今年知りました。
もちろんこの漢字三文字の文字列は見たことがあったけど、具体的にどんなサウンドで何を歌っているのかは知らない、という状態が数年あったはず。

個人的に舐達麻をじっくり聴くようになったきっかけは、就活です。
面接に向かうときに聴く音楽の最適解がわからず、自己肯定感爆上がり系の(Lizzoとか)アーティストを聴いてノリノリで向かった面接で空回りして落とされたり、でも何も聴かないのは不安が倍増するだけだったり。
そんな時にベストだったのが、舐達麻のLofiサウンド。別に歌詞の内容がどうという話ではなくそのテンション感であったり、姿勢であったりが非常に当時の私のメンタルにマッチしたんだと思ってます。

今のBEEFとかに関しては特に興味はないです。良い曲ならそれでいいです。

7. Buriburi / Balming Tiger

TBSラジオ『脳盗』でのOAから知った曲&アーティスト。
Balming Tiger は2018年に結成された韓国の音楽コレクティブで、自らのことは「多国籍オルタナティブK-POPグループ」と称しているそう。

とにかくこの『Buriburi』は癖になるのだけど、収録アルバム『January Never Dies』の聞き心地も最高。韓国発の音楽はやはりアイドル市場が最も大きいけど、こういったオルタナティブでクールな音楽を韓国に限らず、東アジア圏で受容できていけたらいいな、と今後に向けても思った。
絶対タイとかフィリピンとかも面白いアーティストいっぱいいるでしょ。

8. Standing Next to You (Usher Remix) / Jung Kook ★

こちらが最優秀新人賞受賞作品です。おめでとうございます。
新人にしては実績がありすぎるのですが、それにしても今年のJung Kookは凄かったし、ARMYほどのファンではなくても、見ていて壮観な気持ちにさせられました。

大前提としてBTSメンバーが続々と兵役のために活動を休止する中、最後に『GOLDEN』というとんでもないアルバムを持ってきたのがJung Kook。
そもそも「月曜から日曜まで毎分毎秒君をめちゃ幸せにするよ」というノリで曜日を連呼しまくる『Seven』を最初に聴いた時は「これアリなの?」という気持ちにさせられたのですが、何回もラジオで流れ、TikTokで流れるのを聴くうちに、「このキャッチーさと安易なセックスアピールが最高なんじゃねえか!」とあっさり掌を返しました。

(BBCでキレキレのJung Kook)

『GOLDEN』に伴うメディア露出で最初に見たのは、Jimmy FallonのThe Tonight Showでのパフォーマンスだったはず。

ぐうの音も出ないほどの完璧なパフォーマンス。歌はもちろん、アウトロで徐にマイクを置いた後のキレ。こんな凄えのが7分の1として活動していたBTSの末恐ろしさを実感しつつも、もう歌って踊れるスーパースターの筆頭株は東アジア人なんだ、という実感がとても嬉しかった。2020年代のMichael Jacksonが誰かと言われれば、Jung Kook一択。それほど圧倒的。

ただひとつ、残念なことを挙げるとすれば、兵役の関係で彼のパフォーマンスが向こう数年は観られないであろう事。だからこそ2023年後半の彼の怒涛の活躍が一層眩しく映ったことは否定できません。
「スーパーボウルのハーフタイムショーにJung Kookが出る未来もあったかも知れない・・・」なんて妄想もしました。

そんな時に出てきたのが、このUsherをフィーチャーしたRemix。
まさに来年のスーパーボウル、ハーフタイムショーのアクト!
Jung Kookが出られないところを、何かしらの形で繋げるための線が出来上がったような気がして、それが今回最優秀新人賞に選んだ決め手です。

先ほども載せたこのビデオ。
後半の2人のダンスシーンは、ダンスの出自が違う2人が同じ振り付けをやることによる面白さが爆発しています。そして何よりも楽しそう。

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