プログラム07  ランチは抜きなさい。

昼時、ランチを求めてオフィスを出る人たちの流れを見ていると、何かに洗脳されているとしか見えないのは、私だけだろうか? カロリー補給がそんなに必要なのか? それとも、朝食を抜いてきたので、昼はお腹がすいてしまうのか? あるいは、付き合いで先輩の愚痴を聞かなければならないのか?

ランチはエサではない

もし君が誰かの誘いでなく、習慣としてランチを摂っているなら、少し立ち止まって自分の行為を見つめ直して欲しい。そのランチは、君のエネルギーに本当になっているのか? 30分〜40分かけて食事を胃に流し込み、職場に戻る。自分のデスクでお弁当を食べるのも一緒だ。労働のためにエサを与えられる家畜と、どこか似ていると思わないか? 食事はエサではない。エサを食べるように、味わわず短時間で摂取しなければならないランチを、少なくとも一流を狙う君は拒否しなければならない。

エサは決して食べてはいけない

逆にいうと、エサを食べるようにランチを毎日食べ続けている限り、君は一流になれない。現実に昼食の時間が決まっていて、その枠の中で済ますように雇用先から強いられているのであれば、思い切ってランチは抜きなさい。そんなランチは、エサとしか言わない。繰り返すが、エサは決して食べてはいけない。カロリー補給が必要なら、カロリーが手軽にチャージできる機能性食品が今ではあるだろう。機能性食品がなく、諸事情でお弁当を食べなければならない時は、3分で食べなさい。また昔話で恐縮だが、かつて撮影スタジオのアシスタントカメラマンたちは、5分以内に食べ終わることを強要されていた。他の誰よりも遅く食べ始め、誰よりも早く食べ終わり、昼食の後片付けから午後の撮影の準備までこなした。彼ら彼女らの機敏な動きで、現場には凛とした空気が漂ったものだ。オジさんが郷愁に浸っているように見えるだろうか? なにも、当時のスタイルを今に蘇らせたいという意図があるわけではない。ダラダラするな。ただ、それが言いたいだけだ。

一服しない、一息つかない

他の人がランチを食べている間に、できることは山ほどある。本を読む。気分転換をする。それもいいが、午前中の仕事の続きを淡々と進めることを、勧めたい。思考を中断せず、考えつづける。ひたすら長考をつづける将棋の名人のように。この習慣が君の持久力を鍛える。些細なことで投げ出さない精神力を育てる。そもそもランチタイムで緩めた集中力を再び元のレベルに戻すのに、どれくらいのエネルギーを必要とするか考えたことはあるか? ONとOFFの切り換えにどれほど自信があろうとも、いちど切ったエンジンを再び回転させるには相当の馬力がかかる。そのエネルギーロスを甘くみてはいけない。一服しない、一息つかない、止まらない…限界まで。癖にしてほしい。

孤高を恐れなくなった時

もし君が誰かの誘いで、意に反してランチへ行っているなら。同情を禁じ得ない。きっとその誘いを断ることは、並大抵のことではない。大企業でも、中小企業でも、個人事務所でも、みな似たような悩みを抱えている。そんな君に、退職や転職を勧めることは簡単だが、あまりに無責任なアドバイスだ。しかし、遅かれ早かれ、君は勇気をもって、この状況を断ち切らなければならない日がくる。勇気と言ったが、その気持ちは、時がきたら自然に湧いてくる。孤高を恐れなくなった時、君は一流の切符を手にする。

最後に、孤高を生きた超一流の人を紹介したい。その人のことは、黒川伊保子氏の『英雄の書』(ポプラ社)で知った。砂原由弥さんというヘアメイクアップアーティストだ。あるトークショーで、一流になる秘訣を聞かれた彼女は「孤高」という言葉を口にしたという。以下、彼女の言葉を同書より引用する。

〜「孤高でなければいけない。若い美容師は、どうしてもつるむことが多い。お店が終わった後も、一緒に練習をし、愚痴を言いながら食事をして、夜更かしをする。私は、これをしていると創造力が削がれる気がして、この輪に加わらなかった」〜

筆者の黒川氏は脳科学の権威だが、「孤高であること」が一流になるための秘訣であることは、脳科学的に理にかなっているという。また砂原さんは、一流になるための秘訣として、あと2つの行為を挙げた。詳しくは、同書をぜひ一読してほしい。途方もない勇気を与えてくれる衝撃作だ。

今日は、ここまで。


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