5月病に、ありがとう。

今回のテーマは、5月病、です。5月病? 一瞬なんのことかと首をかしげた方はいらっしゃいますか? 死語になっていたらどうしようかとハラハラしつつ使いました。念のためウィキペディアから引用します。

(引用はじめ)日本においては、新年度の4月には入学や就職、異動、クラス替え、一人暮らしなど新しい環境への期待があり、やる気があるものの、その環境に適応できないでいると人によってはうつ病に似た症状がしばしば5月のゴールデンウィーク明け頃から起こることが多いためこの名称がある。医学的な診断名としては、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断される。発症に至る例としては、今春に生活環境が大きく変化した者の中で、新しい生活や環境に適応できないまま、ゴールデンウィーク中に疲れが一気に噴き出す、長い休みの影響で学校や職場への行く気を削ぐなどの要因から、ゴールデンウィーク明け頃から理由不明確な体や心の不調に陥る、というものがある(引用終わり)。

要するに、学校や会社へ何となく行きたくない、サボりたい、という精神状態のこと。5月病という言葉は知らなくても、身に覚えのある方は多いのではないでしょうか? 緊張状態が慣れにより緩み、疲れがどっと出る。病気とか障害とか言われると忌み嫌うべき存在のように聞こえますが、(軽いものなら)なんのことはない自然の防衛反応のように思えます。

それでも責任感の強い方は、行きたくない、休みたい、サボりたいという感情に罪悪感を感じるでしょう。今回は、5月病をネガティブな状態と考えるそんな方々を対象として取り上げました。

休むのは良くないことだ。しっかり者のあなたはそう考えます。休みたいという気持ちを持つのは弱い証拠だ。強いあなたはそう考えます。そんなあなたのために5月病はあるのです。少し前にこう書きました。5月病とは緊張状態が緩み疲れがどっと出る自然の防衛反応みたいなものだと。そうなのです。5月病は、あなたという個体を守ってくれる有難い反応なのです。休みたい、とあなたの心がつぶやいているのなら、休みなさい、というメッセージなのです。休むのは恥ずべきことでも、弱いことでもありません。あなたは誰かに洗脳されているのです。皆勤賞って、聞いたことありますよね。いつから始まったのか知りませんが、あれなどまさに休まないのは正しいことだ良いことだ、という思想の権化。皆勤賞が学校にも会社にも普通にある社会の中で育った私たちは、知らず識らずのうちに勤労意識や組織への従属意識が埋め込まれてしまったようです。頑張り屋のあなたを緊張状態から強制的に解放すること、緩ませること。それが5月病の存在理由だと、まず理解することが第1段階です。

負けず嫌いのあなたは、休みたいと思いつつ、その心に抗って自分のからだに鞭を打ちベッドから起き上がります。子供の頃から長年、もっとガンバレ、ぜったい負けるな、と育てられ、競争社会を勝ち抜いてきたあなたの耳には、休みなさい、という心のメッセージが届きません。足を引きずるように学校や会社へ行きます。美しい行為のように、一見思えます。が、残念ながら、こうした行動が美談として語られたのは遠い昔の話です。5月病の存在理由を理解した後は行動してください。それが第2段階です。行動とは、休むことです。休む勇気を、まず持ってください。

noteの中に『権太坂コピーライター養成所』というマガジンがあります。そのなかに『逃げなさい。』というプログラムがあるので、ぜひ一度読んでください。人生には、決して逃げられない試練がたびたび巡ってきますが、頑張って取り組まなくてもいい、いや取り組んではいけない試練もあります。取り組んではいけない試練とは、あなたが本来やるべきことをやらず道を踏み外しているときに、そっちへ行ってはいけないよ、と囃し立ててくれる出来事です。そのサインは、5月病に限らずいろいろな現象を通して私たちに届きますが、ポイントは筋肉反射です。カラダが教えてくれます。やななければ、と心を奮い立たせても、カラダが拒否して動かなければ、それはあなたの深層意識が、あなたを止めている可能性が高いです。

昭和時代と違い、今は、休むことに寛容な社会になってきている一方、休むことに抵抗を感じる層もまだまだいます。過渡期なのかもしれません。心のままに自然に休めない方、休みずらい方は、とりあえず今回は、第1段階の理解まででいいと思います。自分は5月病やさまざまな病気に守られていることに感謝してください。あなたの身に起きることで、意味のないことなどありません。


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