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バンクシー展 天才か反逆者か

名古屋で開催されている『バンクシー展 天才か反逆者か』に行ってきた。
元名古屋ボストン美術館で開催されたんだけど、料金もなかなか立派なんで、どんなもんか期待半分不安半分だった。結果的には2フロアに渡って所狭しと多数の作品があり、映像や、ディスプレイも凝っていて満足できる内容だった。

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バンクシーは社会批判的な内容のゲリラアートで有名だが、例えば資本主義のもたらす過剰な消費行動、国家間の不毛な争いによる破壊活動、そして芸術と商業主義の相反する矛盾などを、街の落書きという形で問題定義してきた。いつの世にもよくある「持つ者」と「持たざる者」の溝を「持たない者」側から発信している(のだろう)

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これらの問題に、日常生活で忙殺されている一般人が触れる機会は少ない。だからこそ、この機会に自分を鑑みて、どうあるべきかを考えてもいいと思う。

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が、しかし、全ての展示を鑑賞して、最後に現れるのは、いってみれば彼が批判してきた、悪しき商業主義資本主義の象徴のようなキャラクターショップである。数々の作品に心を動かされた人々は、ここでは単なる消費者として、高額なプリントTシャツを嬉々として買って帰るのだ。飛ぶように売れるアパレル製品から得られる芳醇な利益は彼を経済的に潤すのだろう。そして、いつしか気がつくのだ。自分もまた、悪しき商業主義資本主義の恩恵にどっぷりと浸かっていることを。


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