「JAMPの視線」No.36(2020年9月6日配信)
次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】
目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
③JAMP活動日記
④メディア掲載情報
⑤インフォメーション
JAMP 大原啓一の視点 2020年9月6日
今週号(2020年9月7日号)の「週刊金融財政事情」の冒頭「時論」コーナーで、日本投資顧問業協会の大場会長が資産運用会社の特質について興味深いコラムを寄稿されていました。
そのご論考ポイントのひとつとして、銀行や証券会社、保険会社等の大手金融機関ではコンセンサス形成を重視して「全社一丸」で仕事を進めるのが一般的である一方、資産運用会社はコンセンサスとは異なる見解にこそ競争力があるとし、そのような見解を突き詰めることで会社が成り立つとのことが述べられています。
確かに、投資運用付加価値のひとつとして、ベンチマークとなる指数等に対して超過収益(アルファ)を獲得しようとし、周囲の見解をおもんばかって、その調整を図るような投資判断をしていては、結果として何の付加価値も出すことはできません。
残念ながら、大手資産運用会社、特に多くの日系資産運用会社の現状を見ると、現場の運用担当者の仕事観や行動は独自のアルファ追及に最適化されている(と信じています)にせよ、経営陣や親会社等による経営管理は、そうした資産運用会社の特質を尊重しないようなやり方が基軸となっているように感じられることも少なくなくありません。
コロナ禍のもとことさらに感じる周囲へ同調することを尊ぶ日本人の集団としての性質も根底にはありそうですが、何よりも、資産運用会社の規模が大きくなると、その事業成功を決める大きなファクターが運用商品の超過収益では無く、組織だった営業活動や過誤の少ない事務、迅速かつ高品質の説明資料等の作成等になっているということも、資産運用会社が他の金融機関と同様に、コンセンサス形成を重視する経営管理を基軸にすることが一般的になっている背景にあるのではないかと個人的には感じています。
ただ、資産運用商品の超過収益の有無・大小をモノサシとする「品質」がその事業成長を必ずしも決めなくなっている現状、確かにコンセンサス重視の資産運用会社経営の意義も無くはないような気がする一方、従来型資産運用事業モデルが終焉を迎えつつあるなかにおいて、資産運用会社の経営は根本的な変革、つまりイノベーションが求められています。そこで重要となるのは、コンセンサスを重視する経営管理ではなく、改めて奇抜なアイデアと調和を無視する力強い実行力に他なりません。
属人的要素が小さからず残らざるを得ない資産運用商品の「品質」に依存する事業モデルから、「品質」以外に付加価値を求める事業モデルを確立したことにより、コンセンサス重視の経営管理が存在意義を見出したという見方もできる資産運用会社ですが、その確立した事業モデルゆえに自らの付加価値のコモディティ化に直面し、更には改めてコンセンサス無視のイノベーションを求められているという流れと整理することもでき、非常に興味深い分岐点を感じています。
News Picks ダイジェスト(2020年8月31日~2020年9月6日)
2020年8月29日
【北國銀、独自のATM開発 地銀初、22年めどに完成】
大原コメント→
キャッシュレスが進展しても、やはり地方や一定の状況下においては現金決済の需要は強く残っていくと思われますし、電子マネーのチャージ等のキャッシュレス決済手段のメンテナンス接点としても、今後もATMに対する需要は強く推移するのではないかと考えています。
一方、金融機関にとってはATM施策は・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5186155?ref=user_121187
2020年9月2日
【投信コスト尽きぬ疑問 どんぶり勘定に終止符を】
大原コメント→
投資信託の受益者が負担する基本的な手数料である信託報酬(委託者報酬及び受託者報酬)に加え、投資運用に伴う株式等売買手数料や監査報酬、法定書面の印刷費用等のその他費用・手数料まで網羅的に調査されている読み応えのある記事と感じました。
投信の手数料に関して私が個人的に問題意識を持っているのは、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5196009?ref=user_121187
2020年9月3日
【米SECがロビンフッド調査、注文処理の開示巡り】
大原コメント→
米国ロビンフッドの株式売買委託等手数料無料の事業モデルの影響力は大きく、昨秋から日本でもオンライン証券中心に進む手数料無料化競争の遠因のひとつであるように思われます。
ただ、記事内にあるようなHFT含む執行市場への注文の回送や預り金からの金利収入等、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5197136?ref=user_121187
JAMP活動日記
日本資産運用基盤の今月を振り返る「JAMP活動日記(2020年8月)」を公開しました。
「国際金融都市・東京」構想への関心が足もと改めて高まっていますが、日本資産運用基盤は、日本へ進出する海外金融機関や新興資産運用会社、金融スタートアップ等の事業立上げ・運営のご支援を通じ、国際金融都市の活性化に貢献してまいります。
また、日本橋コミュニティメンバーとして、兜町・茅場町界隈のグルメ情報の発信を通じ、金融街・兜町の活性化にも貢献してまいりたいと思います😊
https://www.jamplatform.com/news/2020/09/01/1564/
メディア掲載情報
■コラム・論考寄稿
弊社代表の大原が日経ヴェリタスに連載コラムの第2回を寄稿しました。
「転換期のリテール金融業界 (2) 資産運用アドバイス 利潤狙える最後の砦」
https://www.jamplatform.com/news/2020/09/16/1592/
インフォメーション
■個別無料相談会
個別のご質問・ご相談会を無料で定期的に開いています。お気軽にお申し込みください。
https://www.jamplatform.com/consultation/
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