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「JAMPの視線」No.110(2022年2月6日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③金融専門人材募集情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2022年2月6日

偉そうに語れるほどにコミュニケーションに長けているわけではないのですが、若いころに「コミュニケーションの主役は相手である」と厳しく指導頂いたこともあり、コミュニケーションから生じる誤解等の責任は原則として全て発信者側にあるという考え方を基本にしています。コミュニケーションの最終的な目的が自分の考えや意図を相手に理解してもらうに留まらず、自分が期待する通りに相手に行動してもらうことだとすると、結果的に相手がどのような行動に出たのかということのみが、そのコミュニケーションを評価する唯一の基準であるべきです(従って、「メール/Slackで送ったんですが、返事がなくて」と憤ったり、言った言わないで齟齬が生じたりというのは、言い分は色々とあるでしょうが、それは発信者がコミュニケーションの目的を完遂するに足る十分な手立てを講じていないに過ぎないと考えています、もちろん十分にできていない自分への戒めも込めて)。
こうした考えに基づき、最近の仕組債等の販売に係る議論を考えると、その販売行動に対する規制のあり方を整理することの難しさを改めて感じます。仕組債等の販売に係る主な問題は、顧客がそのリスクや手数料等を正確に理解しないままに購入していることにあり、コミュニケーションの問題と整理することができるでしょう。その際、本当に顧客本位の考えに基づく提案であれば、重要情報シート等の開示書面の使用を義務付けなくても、営業担当者はそうした顧客の判断に必要な情報は伝え、理解して頂いたうえで、購入を決定して頂くと思われます(そもそもそのような顧客本位の営業担当者は一般生活者に仕組債等は提案しないようにも思いますが)。つまり、いま問題視されている仕組債等の問題行動の多くは、顧客本位ではない動機を持つ営業担当者が、顧客への貢献を目的に提案を行っているのではなく、自らの利益のために販売を行なっており、そのために本来は購入判断に必要な情報を敢えて伝えない、もしくは触れるに留めるというコミュニケーションがまかりとおっているように想像します。
そうしたコミュニケーションの目的は、ただただ顧客に仕組債等を購入させることにあり、そこではリスクや手数料等の情報はその目的を阻害するものでしかありません。その場合、まさにいま議論されているように、重要情報シートの導入等、顧客の購入判断に必要な情報を開示する書面を使用することを義務付けたとしても、当該営業担当者のコミュニケーションのあり方は本質的には変わらず、顧客が十分に理解するほどに丁寧に説明するということはとても期待できないように思います。何故なら、その根底には正確な情報はあまり理解してもらいたくないという願望があると思われるためです。
私は、仕組債等の販売に係る問題への対応として、重要情報シート等の導入は意味がないということは決して考えていません。これまで開示されてこなかった情報が開示されることは、顧客の購入判断に資することは言うまでもありませんし、手数料水準等の開示を義務付けることで、非合理的な水準の手数料設定は自ずと控えられるようになるという自浄効果等も期待できるでしょう。ただ、ことの問題を顧客が理解不足のままに購入に至ってしまうことと設定すると、その問題の原因はそもそものコミュニケーションの発信者である営業担当者の動機にこそあり、そこでは開示書面等のツールの導入は根本的な解決にはならないように懸念しています。時間がかかる回りくどいやり方かもしれませんし、また、青臭い理想論に聞こえてしまうかもしれませんが、やはり顧客と金融機関の双方にメリットがあるサービス・事業スキームの構築こそが必要なように考えています。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2022年2月3日
【大樹生命、コロナ保険の販売停止 感染者急増、商品維持困難に】
大原のコメント→
コロナ罹患がいつかかってもおかしくない身近なリスクになっており、万が一に罹患した場合の影響(ex 一定期間の隔離や仕事等への影響)が小さくない現状、このような保険商品へのニーズは強いことは想像できます。
一方、政府でさえもその感染スピードの広がり等を正確に推計することが難しい等のなか、当該保険商品の適正な価格を設計するのは非常に困難であり、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6655880?ref=user_121187

2022年2月3日
【「老後資産に日銀ETF」私案】
大原のコメント→
日銀が保有するETFを全国民に分配(1人あたり約30万円)するという案は他の方も日経ヴェリタス(1月30日号)で提案されており、面白いと感じます。
ただで配分されるのであれば、証券取引に馴染みが無い方々も喜んで証券総合口座を開設するでしょうし、そこでの値動きや分配金受け取りなどを通じ、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6656269?ref=user_121187

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2022年1月31日
【日生、中堅企業向け団体保険 デジタルで負担軽減】
長澤のコメント→
以前、生命保険会社の役職員の方が最も加入している生命保険は、団体定期保険だというのを聞いたことがあります。Bグループ保険等の名称で馴染みがあり、保険料も割安と言われており、自身も加入していますが、こうした保険を中堅企業にも広げていこうというのは、保障性保険が飽和状態となる中、ネット保険への対抗なのかもしれませんが、自ら買いたいと思う商品を売るといった点で顧客本位といえる動きだと思います。
 また、似たような話として、企業型DC(確定拠出年金)は民間会社員の約5人に1人が加入するところまで増加しているとのことですが、大企業が中心という構造は団体定期保険と同様で、中堅・中小企業のマーケットに対しても、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6640700?ref=user_6551307

2022年2月3日
【話題のレバナス投資 特有のリスクに注意 金融庁はNISA対象外に】
長澤のコメント→
レバレッジ型・インバース型の投資信託やETFについては、金融庁もHPのトップページで注意喚起をしていますが、特に注意しなくてはいけないポイントは、商品の設計上、相場が一定の範囲内で膠着状態にある場合、価格が下落する「減価」だと思います。ナスダックの日々の騰落率の2倍や3倍の動きとなるリスクの高さは、購入者は当然理解していると思いますが、減価の仕組みまで理解した上で購入している人がどの程度いるのか懸念されます。
 上記特性も鑑みれば、長期投資には向かず、短期売買を想定した商品となり、その割には販売手数料のコストが相応にかかるため、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6652204?ref=user_6551307

2022年2月3日
【「老後資産に日銀ETF」私案】
長澤のコメント→
記事にある「日銀が保有するETFを長期保有を前提にして簿価で個人に譲渡できれば、資産活用世代のバッファー資産としてさらに有効になるのではないか。」というのは、大変面白いアイディアだと思いました。さらに、シニア世代だけではなく、資産形成世代も含め譲渡の対象とすることで、国民の長期的な資産運用・資産形成に資するのではないかと思いました。
 現在日銀は時価で50兆円ほど保有していると思いますが、簿価で譲渡するかは別にして、時価より低めにすることで、国民の資産運用への関心を惹起することができますし、個人保有の投資信託が一気に50兆円増加すれば、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6656269?ref=user_6551307

金融専門人材募集情報

日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です

1)資産運用コンサルティング会社 - 資産運用コンサルティングマネージャー候補/前職を考慮して検討
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2)大手金融機関 - 企業戦略部門マネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2798/

3)大手資産運用会社 - 人事マネージャー/800~1,200万円
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5)大手コンサルティングファーム - リスクアドバイザリーコンサルタント/~1,500万円
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6)大手生命保険会社 - 運用部門マネージャー/~1,400万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2569/

7)大手コンサルティングファーム - 管理部門マネージャー/1,200万円くらいまでを想定
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8)独立系資産運用会社 - 法務コンプライアンスヘッド/想定ベース給与1,000万円
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9)独立系金融機関 - コンプライアンスマネージャー/想定~1,200万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2785/

10)大手外資系金融機関 - グローバルRMマネージャー/想定~3,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2763/

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