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「JAMPの視線」No.190(2023年8月20日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④メディア掲載情報
⑤インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2023年8月20日

 体調を崩していた家族の様子が少し落ち着いてきたと先週の本コラム内で書いていたのですが、そんな風に安心していたのもつかの間、先週後半にその3歳の次男の体調が再び悪化してしまい、バタバタしてしまいました。幸いいまは落ち着いているのですが、小さな子供の体調はなかなか不安定で本当に心配がつきませんね。
 さて、岸田政権が骨太方針2023で資産運用立国を実現するという方針を明確にしたことを受け、改めて海外資産運用会社の日本進出及び新興資産運用会社の立上げ支援の機運が高まっているように感じます。私が日本資産運用基盤グループを立ち上げた2018年頃も東京都が主導する形で国際金融都市構想が盛り上がっており、今もなおその熱量は冷めることなく取組みは継続されていますが、やはり国策としてより高い視点で改めて位置づけがなされたことにより、関係各所の熱量もより一層に高まっているように感じます。
 私自身も海外資産運用会社の日本進出及び新興資産運用会社の立上げを活性化するために何が必要かという意見交換をさせて頂くことが増えているのですが、その際に私が一貫して申し上げていることは、確かに英語で金融商品取引業の登録ができるようなプロセスを整えたり、専門性豊かな外国人が日本で居住しやすいような環境を整えたり、コンプライアンス人材採用の支援施策を講じたり等のサポートも必要かもしれませんが、何よりも大事なのは「日本で資産運用事業を新しく立ち上げると儲かる」という事業機会を大きくするということに勝るセンターピンは無いということです。これは日本市場に参入しようとする海外資産運用会社にとっても、新しく事業を立ち上げようとする新興資産運用会社にとっても全く同じです。
 日本の商社が南アフリカや南米など、決して治安が良いとは言えない海外都市に危険手当等の高額コストを負担しても駐在員を派遣し、事業を営もうとしているのは何故かというと、そこが日本人駐在員にとって暮らしやすいかどうかは関係なく、ただ純粋にそこに大きな事業機会があるからです。事業立上げ・運営コストが多少かさんだとしても、それを上回る大きな期待リターンが見込めれば事業としては成立するため、進出するという経営判断は正当化されます。その際に事業立上げに必要なライセンス登録手続きがスムーズだとか、人材作用コストが高い安いだとかは、期待リターンを算出する際の要素のひとつでしかありません。
 従って、そのセンターピンをすごく分かり易く伝えるために敢えて乱暴なアイデアを例示させて頂くと、GPIFの運用資金のうち1‐2兆円を海外・新興資産運用会社に配賦するという方針を公表すれば、世界中から資産運用会社が押し寄せてくることは間違いないと思います。もちろん、年金基金等は厳しい受託者責任を負っていますので、資産運用立国実現のためだけに大切な運用資金を使うのは適切では無いという考えも当然ながら正しいと思いますが、一方で年金基金等の多くは新興資産運用会社等へ委託を活用することにより、ポートフォリオ全体の運用効率は高まる可能性が高いことについては総論賛成という調査もあり、必ずしも資産運用立国実現のための施策と受託者責任が両立しないわけではないとも思います。
 いずれにせよ、資産運用立国や国際金融都市構想等を実現するためには様々な施策は考えられますが、海外・新興資産運用会社が何のために日本で新しく事業を立ち上げるかということを考えると、対応すべき課題のセンターピンは周辺施策ではなく、いかに事業成長が期待できるかであることを念頭に置いて外さないことでは無いだろうかと改めて強く感じている今日この頃です。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2023年8月13日
【新NISA、狙われる投資枠復活 乗り換え勧誘には要注意】
大原のコメント→
 新NISA制度は非課税枠が拡充されることに加え、非課税期間も無期限化されるため、これまで投資・資産運用に取り組んでこなかった幅広い一般生活者が新しく金融サービスを利用し始めることが期待されます。
 一方、投資信託等の手数料水準が大きく低下するなか、新NISAで利用者のすそ野が広がったとしても、金融機関の収益性アップにどこまでつながるのかという不透明感も根強くあることが、このような回転売買行動への懸念につながっていると思われます。
 金融庁が6月30日に公表したFDレポートで「顧客本位の事業モデルの構築ができない販売金融機関はリテール事業からの撤退も検討すべき」旨の厳しいメッセージが示されましたが、・・・(続きを読む)

2023年8月15日
【阿波おどり最終日、全面中止 台風7号の影響】
大原のコメント→
 学生時代は阿波踊りサークルに入っており、卒業後も20代はほぼ毎年8月12日から15日は阿波踊りに参加するために徳島に行っていました。
 最も盛り上がる最終日が台風で中止になってしまうのは非常にアンラッキーですが、コロナ禍が終息して4年ぶりの本格開催となりましたので、来年以降はますます盛り上がって欲しいなと感じます。

2023年8月15日
【スタートアップの起業家/経営者で、メンタルを崩してしまった(崩してしまいそうな)あなたへ】
大原のコメント→
 スタートアップ起業家/経営者として強い共感を感じるnoteですし、もし落ち込んでいるときに読んだら泣いちゃいそうな気がします。
 万能感と絶望感を高頻度で行ったり来たりするのがスタートアップ起業家/経営者の常だとは言われますが、もう2社目で8年くらい起業家/経営者をやっていますが、メンタルは強くなった気が全然しません。
 ただ、頭の中のモヤモヤをとにかくノートに書きだすとか、寝る時は仕事のことは考えずにとにかく寝る(←これが昔はとにかくできなかった/いまも難しいけど)とか等、・・・(続きを読む)

2023年8月17日
【投信手数料、一段と低下 新NISA控え競争激化】
大原のコメント→
 販売手数料のみならず、投資信託の信託報酬の水準も低下傾向にあり、資産形成・運用をする生活者にとっては良い流れである一方、金融機関にとっては資産運用事業は収益性を見込めないものになりつつあります。
 生活者の将来の資金需要にいかに備えるかという資産運用計画の策定や実行に関するアドバイスを提供することにより、・・・(続きを読む)

2023年8月18日
【みずほFG、会話生む自販機設置 カルチャー変革チームが企画】
大原のコメント→
 業種に関わらず大手企業はどこもそうかもしれませんが、金融機関は特に情報管理等の関係から部署ごとに役割等が明確である等ゆえに横のつながりが希薄になりがちな印象があり、このようなカジュアルな会話を生む仕掛けは良いと感じます。
 弊社も人数が増えてくるにつれ、入社タイミングや部署、役割等が異なる社員メンバー同士のコミュニケーションが希薄という問題意識を持っており、・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2023年8月17日
【投信手数料、一段と低下 新NISA控え競争激化】
長澤のコメント→
 投資信託の販売手数料が一段と低下しているとのこと。平均で1.98%とのことですが、投資信託協会では、資産運用会社から提出されたデータを利用しているので、料率は目論見書に記載されている上限率と思われ、実際の販売手数料率はもっと低いと思われます。
 ちなみに金融庁の公表データによると、時期は異なりますが、昨年の上半期の手数料率は大手証券会社で2.2%、主要行等1.0%、地域銀行1.6%で、ネット系証券に至っては0.1%でした。(いずれも金融庁が抽出した金融機関の平均値)
 比較的複雑な投資信託を販売している大手証券会社はまだしも、銀行の販売手数料率は、新しいNISAが始まっても、・・・(続きを読む)


お知らせ・ニュースリリース

■地銀有価証券運用に関するWebミニセミナーの開催について

9月13日(水)16時から主に地域銀行の経営、企画部門、有価証券運用事業ご担当者様向けにWebミニセミナーを開催させて頂きます。
「有価証券運用セミナー~地域金融機関が抱える課題と今後の展望~」

https://peatix.com/event/3674199/view 

メディア掲載情報

■メディア寄稿:ニッキンONLINEでのコラム連載
「ニッキンONLINE」で弊社金融機関コンサルティング部長の直井の連載、第1回目が公開されました。
「再考・預かり資産ビジネス 第1回 リテールビジネス戦略の変革要請」

インフォメーション

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