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「JAMPの視線」No.237(2024年7月14日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2024年7月14日

 3連休の中日の今日は近所の仲の良いファミリー×6家族で千葉県の清水公園に遊びに行ってきました。あいにくの雨で楽しみにしていたアスレチックやプール遊びはできませんでしたが、バーベキューやマス釣りは雨を避けながら楽しむことができて良かったです。厳しい暑さが続くと外出するのがおっくうになりますが、やっぱり家に閉じこもっているよりも遊びに出かけた方が気分転換にはなりますね。子供たちが遊びに付き合ってくれる小学生のうちにこんなイベントをもっと企画しなきゃなと改めて感じました。
 さて、先週は資産運用会社の今後の収益性に警鐘を鳴らすような記事が複数のメディアで掲載されてたことが目に留まりました。新NISAへの移行等で投資信託の運用残高は増加しているものの、信託報酬水準は引き続き低下傾向にあるため、将来的に収益性が伸び悩むのではないかというのが共通した内容でしたが、このこと自体は目新しいことではなく、以前からこのような状況は予想されたものであり、改めて問題提起すべきはここに至るまで資産運用会社がいまだに従来の事業モデルからの転換に道筋を見い出せていない&殆ど手を打てていないことではないかと個人的には感じます。
 投資信託等の商品数が増加し、ひとつひとつの商品の差別化が困難になり、付加価値のコモディティ化が進むと、運用報酬水準に低下圧力がかかるのは不可避な運命であることは今さら言うまでもないことだと思います。ただ、このような状況に対し、「アクティブ運用能力の向上を通じ、商品付加価値を高め、運用報酬水準を高く維持する」という解決策案は確かに耳障りは良いのですが、今の日本の資産運用業界の現状を鑑みて効果的なものだとは正直なところ思えません。
 アクティブ運用能力が向上したとしてもそれが将来の安定的な超過収益を約束するものではないという基本的な前提もありつつ、何よりも日本には(特にリテール領域において)そのアクティブ運用能力を正確に評価する公正・中立な評価機関が殆ど存在しないこと、また、そのような運用能力の評価に基づいて投信商品をお客様に提案する/できる販売金金融機関も殆ど存在しないことがあり、端的にいうとアクティブ運用能力の向上に正当な対価(値段)がつかないという残念な状況が現実として存在します。つまり、アクティブ運用能力を向上したとしても、それが重要な付加価値として認識され、運用報酬水準の根拠として正当化されるというストーリーが成立しないのです。これでは資産運用会社が直面する問題の解決にはなり得ません(誤解がないように念のために付け加えさせて頂くと、私は資産運用会社にとってアクティブ運用能力の向上が重要でないとか言っているのではありません。当然ながらそれは重要であることは全く異論がないものの、それは問題の解決策として十分ではないと言っているものです)。
 問題の解決策の方向性としてあるべきは、正当な対価(値段)がつけられる追加的な付加価値を創出し、運用報酬水準の引き上げを実現できるサービス・事業モデルを構築することと、既存の事業モデルの枠内でのコスト削減ではなく、事業工程のアンバンドル化までも踏み込んだ事業モデルの再構築による事業効率性の向上の2つだと考えます。この辺りの具体的なところはちょっと長くなりますので、来週のメールマガジンで続きの私見を述べさせて頂きたいと思います。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

【PayPay証社長、今期末200万口座に倍増へ-主戦場は金融経済圏】
大原のコメント→
 主要金融機能のうち「資金移転(決済・送金)」機能やスマートフォンという接点の機能横展開としては、「資産運用」や「リスク移転(保険)」というよりも「資金供与(融資)」であり、正直なところ決済サービスのPayPayの利用者がシームレスにPayPay証券の資産形成・運用サービスの利用も行うというのはハードルは高いと考えます(ポイント運用は将来の実需(消費)を念頭においた資産形成・運用とは意味合いが違うものなので、まだ親和性は高い)。
 また、従来型証券売買手数料の無料化や投資信託運用報酬の引き下げ競争等もあり、非対面証券会社の資産運用サービス事業の収益性は非常に厳しくなっており、・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

【顧客の「最善利益」追求 投信製販で情報連携 金融業界3団体】
長澤のコメント→
 資産運用会社と販売会社間の想定顧客層や販売データ等の情報連携については、対象投信を絞込み、各社にあまり負担感のない形にしたいとのことですが、富裕層向けの複雑な新種商品やリスク許容度の高い顧客向けの商品は別として、例えば、一般生活者向けには、商品起点ではなく、老後の安定した生活といった顧客の真のニーズに対するライフプランを起点とした資産運用であれば、おのずと複雑な商品を提案する必要性は減り、・・・(続きを読む)

インフォメーション

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