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「JAMPの視線」No.143(2022年9月25日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④金融専門人材募集情報
⑤インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2022年9月25日

前々回と前回に引き続いて今回のメールマガジンでも、8月末に金融庁が公表した2022事務年度の金融行政方針の内容について感じたところを徒然と述べさせて頂きます。全3回のうちの最終回となる今回は、地域銀行のガバナンスのあり方について感じたところを徒然と述べさせて頂きます。
地域銀行のガバナンスについては、金融行政方針の本文「業種別モニタリング方針」のセクション(P9)において、「地域銀行の経営力を⽀えるのは、ガバナンスである」と強い調子で、ガバナンスの強化の必要性について表現されていたことが印象的でした。その後の文章で、株主や取締役会によるガバナンスの発揮状況について言及されているあたりが、昨年夏に発生した山口フィナンシャルグループでの代表取締役の解任劇を念頭に置いたもののように感じられつつ、経営環境が厳しくなるなかでパフォーマンス不振が懸念される地域銀行の中長期的な経営改革をガバナンス強化を通じて促進すべきであるという金融庁の強い問題意識を表しているという印象を受けました。
弊社も親交のあるありあけキャピタルの田中克典代表が主張されているように、主要株主規制に関する解釈によって過去これまでは銀行に対する株主ガバナンスが働かないなか、小口債権者(預金者)保護をミッションとする規制当局が債権者の視点から債権者ガバナンスを効かせ、その結果、積極的な経営改革を行なうインセンティブが育まれない等、株主ガバナンスと債権者ガバナンスのバランスの最適化を通じた経営改革やパフォーマンス向上等が実現できなかったところが地域銀行のガバナンスの最大の問題だったと認識しています。
この点、これも田中代表の受け売りですが、SBIホールディングスが新生銀行のTOBの過程で同行の取締役会の賛成を得ることなく、銀行主要株主としての認可を得たことは、これまで「常識」とされてきた主要株主規制に関する解釈を覆し、銀行に対する株主ガバナンスの発揮の是正を進める流れをつくった非常に重要な転換イベントであったと感じますし、多くの地域銀行が持ち株会社を親会社とする金融グループへと自らを改編し、銀行以外の事業子会社を営むようになりつつあることも、銀行の預金者保護を前提とする債権者ガバナンスへの偏重を見直す土壌と今後なっていくのではないかと感じています。
この大きな流れのなか、弊社もご支援している地域銀行の有価証券運用事業への影響もあると予想しています。弊社は、地域銀行の同事業の問題は、よく言われるような現場での専門人材の不足やそれに起因する運用・リスク管理能力の欠如等ではなく、現場に対して事業方針を示し、その執行を監督する経営側の専門性や知識・経験の不足等の方がより大きく、深刻であると考えており、結果的に必要なリソースの配賦がなされないこと等により、事業成果が予想外に不安定になったり、本来は享受できたはずの事業成果を得られなかったりといった、事業の予見性の低下等の経営上の問題がいつまでも解決されないということが起きていると考えています。この問題に対しては、地域銀行が持ち株会社化することそのものが解決策ではなく、持ち株会社化されなかったとしても経営が株主や当局等とのバランスの取れた対話を通じた適切なガバナンスを発揮するということが本質的に必要な解の方向性であると考えますが、持ち株会社を銀行と別エンティティとして設置し、そこで持ち株会社が子会社銀行の事業を別視点で指揮・監督するというミッションを明示的に付与することで、構図的に本質的な解の必要性を理解しやすくなり、事業に対するガバナンスが発揮されやすくなるということは期待できると思います。例えば、山口フィナンシャルグループが取締役会に対して子会社銀行の有価証券運用事業に関する助言を行なう諮問委員会を新たに設置する等の動きもそのひとつの表れであり、こうした動きは今後さらに広がっていくと予想しています。
経済・社会情勢が大きく変わりつつあるなか、日本の経済成長を支えるのは地域経済であり、その発展を支えるのは地域金融の活性化、そしてそこで重要な役割を果たす地域銀行の経営力を決めるのはガバナンスであるという問題意識は、弊社も強く共感するところです。弊社がご支援する領域は、そのなかで個人向け預かり資産事業と有価証券運用事業の2つに当面は留まっていますが、まずできるところからしっかりと付加価値を出してまいりたいと思います。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2022年9月21日
【独立系の運用指南、預かり資産増 仕組み債は顧客離れ】
大原のコメント→
仕組債に対する金融庁の姿勢の厳格化は、記事で取り上げられているIFA事業者(金融商品仲介業者)への影響のみならず、IFA事業を展開する証券会社の事業戦略への影響も大きいと思われます。
一部の証券会社は、IFA事業者の囲い込みのために仕組債の販売支援の専門システムを導入する等、仕組債を軸にしたIFA事業戦略を構築していたようにも聞いており、その見直しも含め、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7589008?ref=user_121187

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2022年9月21日
【独立系の運用指南、預かり資産増 仕組み債は顧客離れ】
長澤のコメント→
仕組債については、金融庁が問題視したこともあり、様々なメディアで商品性や販売方法について投資家目線での問題点(もちろんこれが一番重要ですが)が取り上げられていますが、販売会社にとっての問題点が分かりやすく書かれている記事だと思いました。
 仕組債は、販売会社にとっては確かに短期的には儲かる魅力的な商品かとは思います。ただし、早期償還の都度、販売を繰返しているうちに、10年に一度程度はリーマンショック等の相場下落が起こり投資家を失い、また新しい顧客を開拓せざるを得なくなる、敢えて誤解を恐れずに言えば、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7589008?ref=user_6551307

お知らせ・ニュースリリース

■ゴールベース型ラップに関する勉強会開催
ゴールベースアプローチ型ラップについてのWeb勉強会動画を公開しました。
「お客様に必要とされる真の『資産運用サービス』とは~ゴールベースアプローチ型ラップがいま求められる理由~」
https://www.jamplatform.com/news/2022/08/22/3230/

■Webセミナー登壇のお知らせ(1)
弊社代表の大原と主任研究員の長澤が、株式会社想研が主催する金融専門家向けWebセミナーに登壇を致します。FMプロフェッショナル会員(登録無料)向けのオンデマンド形式の配信もされておりますので、下記リンクからご確認ください。
https://media.finasee.jp/common/static/seminar-lp2205/

■Webセミナー登壇のお知らせ(2)
弊社代表の大原が、帝京平成大学の沼田優子教授とともに、株式会社想研が主催する金融専門家向けWebセミナーに登壇し、「法人IFA社長アンケート2022」の結果をもとにしたIFA業界の成長可能性と今後の課題についてお話をさせて頂きます。FMプロフェッショナル会員(登録無料)向けのオンデマンド形式の配信となり、2022年10月21日(金)16:00 ~ 10月30日(日)23:59までの配信予定です。
https://media.finasee.jp/common/static/seminar-lp2205/

金融専門人材募集情報

日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です

1)大手外資系金融機関 - RM部門マネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2897/

2)M&Aファーム - CFO/~2,000万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3236/

3)独立系運用機関 - コンプライアンスオフィサー/~1,000万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3254/

4)本邦金融機関 - 経営企画部門マネージャー/~1,500万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/3217/

5)大手外資系金融機関 - ITセクションプロジェクトマネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2939/

6)大手外資系金融機関 - コンプライアンスヘッド/~1,500万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3223/

7)大手日系金融機関 - ファンドアナリスト/想定~1,500万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2956/

8)大手金融機関 - アナリスト育成担当マネージャー/~1,200万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3201/

9)本邦大手金融機関 - 不動産投資アドバイザー/給与は前職を考慮して検討
https://www.jamplatform.com/hr/job/3266/

10)邦銀系運用機関 - ファンドマネージャー/~1,200万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3268/

ここに掲載している情報以外にも多くの人材採用ご支援をさせて頂いています
ご関心ある方は https://www.jamplatform.com/hr/ からご登録をお願いします

インフォメーション

個別のご質問・ご相談会を無料で定期的に開いています。お気軽にお申し込みください。
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