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「JAMPの視線」No.38(2020年9月20日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
③メディア掲載情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2020年9月20日

米国Charles Schwab Corporationの創業者であるチャールズ・シュワブ氏の最新の自伝「Invested」が翻訳され、今週9月25日(金)に邦題「ゼロ・コミッション革命」として日本でも発売されます。
この翻訳を手掛けられたのが金融プロフェッショナルとしての私の原点である野村資本市場研究所ですが、大変有難いことに、同研究所の井潟常務が弊社オフィスまでご来社され、出来たてホヤホヤの同書をプレゼント頂きました。
起業家としてのシュワブ氏の自伝であるとともに、Charles Schwab Corporation社の起こしてきた革新の行程であり、それはつまり過去40年ほどの米国の証券・資産運用業界が経験してきた変革の歴史であると感じながら、一気に読了しました。
実は、英語版「Invested」は今春に一度読んでいたものの、英語読解力の乏しさゆえ、内容を理解するのに精一杯だったというのが正直なところだったのですが、日本語版は翻訳が絶妙で、一人称でのシュワブ氏の語り口に熱を感じ、引き込まれます。
金融ビジネスの観点からは、起業家・経営者であるシュワブ氏のビジョンへの拘りや実行力等にももちろん学ぶところが大きいのですが、Charles Schwab Corporationという会社が過去これまで祖業であるディスカウントブローカーとしての付加価値の延長線で株式売買等委託手数料を徹底的に引き下げながら、並行して新たなサービス付加価値及び事業分野への拡大にどん欲に取り組んできたことに改めて驚かされます。
グループ内に銀行を設立し、投資サービスとの融合を戦略的に進めたり、対面アドバイザーであるRIA向けにカストディ事業を展開したり等、現在のブローカレッジ事業の終焉を予め見越していたかのような戦略的布石が、現在同社の成長ドライバーとなっていることは、後講釈では何とでも言えますが、事業領域の可能性が不透明な中で大きく勝負をすることはやはり尋常ではありません。
翻って日本のリテール金融業界の現状をみると、米国同様に従来型の証券・資産運用事業が大きな転換期を迎えつつありますが、Charles Schwab Corporationのように予め戦略的に次の事業の布石を打ってきた金融機関は多くは無いように感じます。
今更ながらに新たな事業モデルの構築を模索する動きも見られますが、この「ゼロ・コミッション革命」を読んだ後では、その動きの遅さ、戦略性の乏しさを改めて感じずにはいられません。
金融法制度や業界構造、そこで活動する金融機関の厚み等が米国と日本では異なるのは事実であり、米国の業界動向がそのまま日本でも起こるわけではないと思われるものの、従来型事業あら利潤が消滅する中でどのように新たな事業モデルを構築してきたかという経験を追体験することは、有益ではないでしょうか。

News Picks ダイジェスト(2020年9月14日~2020年9月20日)

2020年9月15日
【SMBC日興、SBI子会社に出資 地銀開拓で提携】
大原コメント→
従来型の証券・資産運用事業から利潤が消失しつつあるなか、資産運用アドバイス事業領域がリテール金融に残された最後のフロンティアであり、各金融機関はこの事業領域での勝利を目指し、事業モデルの再構築を進めています。
一方、資産運用アドバイス事業において重要となるのは・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5228959?ref=user_121187

メディア掲載情報

■コラム・論考寄稿
弊社代表の大原が日経ヴェリタスに連載コラムの第4回を寄稿しました。
「転換期のリテール金融業界 (4) ネット証券・運用会社 生き残りの分岐点」
https://www.jamplatform.com/news/2020/09/16/1592/
*日本経済新聞社から利用許諾を取得しており、こちらから全文お読み頂けます。

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