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「JAMPの視線」No.205(2023年12月3日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③メディア掲載情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2023年12月3日

 急に寒さが激しくなったためか、年末も近くになって今年の蓄積した疲労が身体に表れたためかはわかりませんが、先週半ばから最寄り駅から自宅に帰るのもタクシーを使わなければならないほどに体調が悪くなってしまいました。夜に予定していた会食などもキャンセルさせて頂いたのですが、なかなか体調が回復せず、今週末は次男の幼稚園の発表会等で外出したほかはひたすら自宅でゆっくりと身体を休めていました。お蔭さまで7割がた体調も回復したように感じますが、無理は禁物、身体が何よりも資本といった基本的なことを改めて痛感しました。皆さまも年末に向けて体調を崩されないようご注意ください。
 さて、1週間以上前にはなりますが、急ピッチで開催されていた金融庁・金融審議会の資産運用タスクフォースの第4回会合で報告書案が公表されていました。内容的にはこれまで資産運用業高度化プログレスレポートをはじめあちこちで議論をされてきたことであり、特段のサプライズはありませんでした(投資信託の種類受益権に関する提言については少し驚きましたが)が、かなりタイトなスケジュールで取りまとめ作業が進められたにも関わらず、非常に網羅的に論点が整理され、打ち手が講じられているという印象を持ちました。弊社が以前から問題提起してきた資産運用業におけるアセットマネジメント業務とファンドマネジメント業務の区別の視点もご理解頂き、日本版ファンドマネジメントカンパニーの必要性・重要性等も取り上げて頂き、その展開の道筋を公式につけて頂いたことも含め、今後の資産運用業界の改革のベースとなる素晴らしい報告書ではないかと感じています。
 一方、資産運用業プログレスレポートでは取り上げられており、業界的にも各所に強い問題意識が存在していると感じられる公販ネットワークを含む資産運用業務に係るシステムの寡占や互換性の欠如等の問題については、今回の報告書では特段触れられておらず、違和感を覚えました。確かにシステム面等の負担を軽減するための業務外部委託の緩和施策の検討等は論じられているものの、その前提となっている同問題についても正面から取り組まないことには、資産運用会社の新規参入や業界の効率性・生産性向上の妨げになっているボトルネック解消ということは片手落ちであると言わざるを得ないと思います。資産運用業高度化プログレスレポートで取り上げられたことによって業界内でも公販ネットワークを含む資産運用業務に係るシステムの寡占や互換性の欠如等への問題意識が高まり、議論が活発になっている機運をくじかないためにも、今回の報告書でもその問題の存在と今後の望ましい方向性については何らか言及があった方が良いと考えます。正式な報告書として最終化されるまでにまだ追記の検討の余地があるのであれば、ぜひ対応頂きたいと思います。
 いずれにせよ、資産運用立国構想が打ち出された後、今年末までの具体的政策プラン策定という非常にタイトなスケジュールで議論が進められてきましたが、まだ資産運用タスクフォースでの報告書案の策定という数あるプロセスのひとつに目途がついたのみであるとはいうものの、これによって今後の政策策定・実行ロードマップがぐっと現実的に具体的になったように感じます。金融庁の担当部局はじめ関係者の皆さまのご尽力に改めて敬意を表したいと思います。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2023年11月27日
【全国地銀 債券や投資信託など含み損80%以上増 金利上昇背景に】
大原のコメント→
 地域銀行等の有価証券運用事業をご支援する弊社・投資運用ソリューション部門の集計では、地域銀行99行(地方銀行62行+第二地方銀行37行)の有価証券運用事業で保有する有価証券のうち国内債券や外国債券・投資信託等の2023年9月末時点の含み損益は、3か月前の2023年6月末時点に比べて、80%強増加した約2兆9,000億円にまで急拡大しました。
 これまでの数年間はコロナ禍に対応するためのゼロゼロ融資が活況で、地域銀行の業績を支えてきたという一面がありますが、今後はそこでの不良債権が増加するリスクが懸念されており、・・・(続きを読む)

2023年11月27日
【山梨中央銀行、投資助言ビジネス参入 子会社を設立 - 日本経済新聞】
大原のコメント→
 地域銀行がグループ内に資産運用子会社を設立する流れが再び強まっているように感じますが、従来のように投資信託委託業までフルライセンス・フル装備で設立するのではなく、肥後銀行の子会社である九州みらいインベストメンツ様が弊社の日本版ファンドマネジメントカンパニーソリューションを活用し、投資運用(アセットマネジメント)業務工程に注力し、効率よく投資信託ビジネスに取り組むような新たなスキームが広がりつつあるように感じます。

2023年11月30日
【野村、個人向け部門改称 「ウェルス・マネジメント」に】
大原のコメント→
 野村證券はここ数年ほど超富裕層営業に特化するよう営業方針をシフト(集中)している印象ですが、今回の営業部門の改称はその戦略を表現しているように感じます。
 SBI証券・楽天証券が主導する株式売買等委託手数料の無料化の影響はこのようなリテール金融機関の棲み分けもより明確にするような動きにも表れてきていると解釈することもできそうです。

2023年11月30日
【SBI証券、米ドル/円の為替手数料を無料に 12月1日から】
大原のコメント→
 オンライン証券会社の手数料無料化・引き下げ競争の激化に歯止めが止まりませんね。確かに個人のお客様にとっては短期的にはメリットだとは思いますが、このような事業環境にしてしまっては多様な金融機関が存続することは困難であり、・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2023年12月1日
【3メガバンク、新NISAへ残り1カ月 資産運用立国へ牽引役期待】
長澤のコメント→
 新NISAの開始を1か月後に控える中、一部ではネット証券に顧客が流れているとの話もありますが、今まで資産運用に興味がなかった多くの投資初心者の方にとっては、身近な金融機関で相談ができることには、メリットを感じるのではないかと思われます。
 先日一般紙の記者の方が、読者の中には新NISAをまだよく知らない人も多く、そういった人に向けて、新NISAを分かりやすく伝えていくことが使命だとおっしゃっていましたが、・・・(続きを読む)

2023年12月1日
【外貨建て保険業績評価 地域銀、半数「見直し」 金融庁の指摘が影響】
長澤のコメント→
 外貨建て保険に係る業績評価の問題については、3年前にも金融庁のモニタリングレポートで指摘されていました。記事にある横浜銀行や福岡銀行はその時点ですでに体系の見直しを行っており、再度指摘されたことを受け、多くの銀行が見直しに着手したということかと思います。
 記事には、保険商品だけではなく、投信などを含めて評価体系を一律に変更した事例も紹介されておりますが、特定の商品のみの業績評価の見直しは、別の商品での新たな偏りを引き起こすこともありうるため、販売商品全体で平仄をとりながら見直しを図るという流れになっていくものと思われます。
 先日も書きましたが、業績評価体系を決めるのは経営陣であり、ほとんどの金融機関が、お客様本位とする経営理念を掲げているとは思いますが、・・・(続きを読む)

メディア掲載情報

■メディア寄稿:「ニッキンレポート」への論考寄稿
主任研究員の長澤が「ニッキンレポート」にコメントを寄稿しました。

「業績評価体系は 経営陣から営業現場へのメッセージ」

インフォメーション

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