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「JAMPの視線」No.23(2020年6月7日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
③メディア掲載情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2020年6月7日

新しい「金融サービス仲介業」を創設する改正金融商品販売法(「金融サービスの提供に関する法律」)が6月5日の参議院本会議で成立しました。
従来型証券・資産運用ビジネスが変革を迎え、新たに資産運用ビジネスへの移行が進む中、各主体の役割分担を前提とする「仲介スキーム」がリテール金融ビジネスの中核になる大きな流れのひとつの表れであり、重要なマイルストーンであると考えています。
今回の「金融サービス仲介業」の創設によって、報道等で制度活用例に取り上げられるように、オンラインサービス事業者等がその豊富な顧客基盤向けに、多種多様な金融商品取引業者等の商品・サービスをワンストップで提供するような新たなプラットフォームを構築する場合、これまでの「所属制」に伴う煩雑さやコストを省略し得る新仲介業の活用は経済合理性が大きく、そうした新しい事業・サービスモデルが多く生まれることを予想しています。
様々なオンライン証券や銀行、保険会社と個人顧客の間に位置するこうした新しいサービス・事業モデル運営者は、より個人顧客に近いレイヤーで、新たな付加価値を顧客にもたらすことが期待される一方、これまでオンライン上で直接の接点を有し、そこで独自のUI/UXやコミュニティを付加価値の一部として創造していたオンライン証券等は、コモディティ的色彩を強めることになりそうです。
株式等売買委託という役務や取扱商品のコモディティ化が進み、オンライン金融機関の経営環境が厳しくなっていることは周知の通りですが、今回の「金融サービス仲介業」の導入は、オンライン金融機関という事業体そのもののコモディティ化も進めると思われ、今後間接的な影響として、オンライン金融機関の再編は避けられないように思います。
一方、従来の金融商品仲介制度を活用していた対面アドバイザーの世界では、今回の「金融サービス仲介業」制度の活用はあまり普及しないのではないかと予想しています。
確かに、対面アドバイザーにおいても、多業種展開(金商仲介や保険募集人、銀行代理等の兼業)やマルチプラットフォーム化(複数委託金商業者等への所属)が今後急速に進むと思われますが、とはいえ、オンラインサービス事業者が構想するまでの多数のプラットフォームに全業種で所属する必要性は低く、多くとも3-5業者への所属でも十分にBest Service Policyを満たすことができると思われます。
また、小規模事業者が中心の既存の金融商品仲介業者等にとっては、コンプライアンス機能やその指導監督、損害賠償責任までもを委託金商業者等が引き受けてくれる現行制度はメリットが大きく、それら機能・責任を自らが担わなければならない新制度を敢えて選択する経済合理性は小さいように思います。
唯一、銀行代理業については、既存の金融商品仲介業者や保険代理店でも兼業登録は難しいため、その部分のみは新制度で補完するという業者も現れるかもしれませんが、それも結局は、供託が求められる保証金の金額や自前で備えるコンプライアンス機能の水準、登録の難易度等、総合的な経済合理性次第なように思われます。
ただ、繰り返しにはなりますが、資産運用アドバイスへと事業モデルが大きく変わり、「仲介スキーム」が重要な事業スキームとなるなか、今回の新制度の導入は重要なマイルストーンであることは間違いなく、今後の活発な活用が期待されます。

News Picks ダイジェスト(2020年6月1日~2020年6月7日)

2020年6月2日
【ベンチャー企業向けオフィス・シリーズ「FinGATE」がつ くる、この街の未来とは】
大原コメント→
記事で紹介されている通り、日本橋・兜町/茅場町界隈では平和不動産のFinGATEプロジェクトをはじめとする各種取組みが進められており、足もと金融スタートアップや資産運用会社等の賑わいが増してきたように感じています。
弊社・日本資産運用基盤が創業し、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4956853?ref=user_121187

2020年6月3日
【成果型の課金制度導入も 個人向け営業で 野村HD奥田グループCEO】
大原コメント→
少しずつではありますがIFA(独立系金融アドバイザー)の間で預り残高に基づくフィー型報酬の考え方が広がりつつある一方、大手証券会社から営業担当者が退職する流れがあり、今後は他の金融機関でも自社営業担当者に預り残高に基づく報酬体系を導入する動きが広がるように予想します。
社内型IFA制度をフィー型成果報酬にすることで、お客様との利益相反リスクを軽減しつつ、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4960982?ref=user_121187

2020年6月5日
【【直撃】伊藤忠は「リテール金融」をどう育ててきたのか】
大原コメント→
金融スタートアップを経営していると、金融サービス企業に積極的に出資し、個人向け金融サービスプラットフォームを構築しつつある伊藤忠商事の話をよく耳にします。
金融機関から独立したユニークな立ち位置を活かし、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4956611?ref=user_121187

メディア掲載情報          

■メディア掲載:「金融ビジネス 最前線の変革者達」
第7回 公的保険アドバイザー協会 𡈽川尚己代表理事
「公的保険の知識を広め、顧客本位の金融サービスを実現する」
https://www.jamplatform.com/news/2020/06/03/1309/

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