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「JAMPの視線」No.61(2021年2月28日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
③メディア掲載情報
④お知らせ・ニュースリリース
⑤インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2021年2月28日

今週の「週刊 金融財政事情」(2021年3月1日号)で「スタートアップの資本調達に新手段『コンバーティブル投資』」という新株予約権を活用した最近注目される資金調達手段に関する記事が掲載されていました。一方、ちょうど同じタイミングで、有名スポーツ選手が運営するベンチャーキャピタルで、同様の新株予約権を用いた資金調達手法が問題視される事案が発覚したことがメディアを賑わせていることもあり、今回はこの資金調達手段について私見を述べさせて頂きたいと考えています。
この新株予約権を用いた資金調達手法は、「J-KISS型新株予約権」と呼ばれる有償転換価格調整型新株予約権が代表的なものであり、その「KISS(Keep It Simple Security)」という表現が示す通り、発行体企業にとっても、資金の出し手である投資家にとっても、使い勝手の良い手段であることで足もと広く普及しつつあるものです。
特徴の1つ目は、発行体スタートアップ企業の企業価値評価を資金調達時点で行なう必要がなく、次の資金調達時の企業価値評価を基に転換価格が決定されるため、企業価値評価を先延ばしすることができ、資金調達のスピードを速くすることが可能というものです。また、特徴の2つ目は、当該新株予約権が株式に転換するタイミングや転換条件について、発行体スタートアップと投資家の間で自由に設計できるところです。こうした特徴を持つ資金調達手段であるため、事業成長のスピードを何よりも重視するスタートアップ企業の間で足もと積極的に使用されるようになり、2020年12月には、経済産業省がガイドラインを発表するに至りました。
実は弊社・日本資産運用基盤グループも、昨年秋のQUICKやSCSK、平和不動産といった外部投資家からの資本調達に先立って創業メンバー向けに株式割当を行なった際の手法として、このJ-KISS型新株予約権を利用しました。弊社の事業特性ゆえに特定の色がついていない金融関連事業者から資金調達を行ないたいものの、それら事業会社との折衝はVCとのそれ以上に時間がかかることや、資金繰りを優先して企業評価額を定め、その金額が折衝の柔軟性を損なうことを避ける必要があったこと、また、外部株主を迎える前の段階で創業メンバーに対してインセンティブ報酬を設計しておきたかったこと等の諸事情を鑑み、このJ-KISS型新株予約権(Discountはインセンティブ目的で50%割引)を活用しました。
創業メンバーを対象に、インセンティブを付与する目的を備えて、ということでは、いま活用が広がっている外部投資家に対する手法と若干異なるところはありますが、実体験として、通常の株式を用いた資金調達に比べてその柔軟性や機動性が高いことを感じています。
冒頭に触れた最近のベンチャーキャピタルの事案では、議決権を有する株式への転換前にガバナンスが効かないという特性を問題視する意見が散見されていますが、それでもなおシード・アーリー期のスタートアップの資金調達手段として優れていると考えており、経済産業省のガイドライン等のサポートも受け、今後利用が広がっていくことを期待しています。

News Picks ダイジェスト(2021年2月22日~2021年2月28日)

2021年2月21日
【ベンチャーファンドの海外出資規制、特例で撤廃へ…投資マネー呼び込み狙う】
大原コメント→
新興・海外資産運用会社の事業立上げ・運営ご支援を行っている立場として、確かに足もと海外プレイヤーも含め、非公開事業への投資を行なうPE/VCプレイヤーからのご相談が増えているのを感じます。
ただ、海外プレイヤーの場合、当該ファンドから海外事業者の株式等への投資を行なう想定であることが多く、送金口座の開設等の実務を考えると投資事業有限責任組合が最適であるものの、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5633070?ref=user_121187

2021年2月22日
【新生銀に迫るSBIの触手 引き金はマネックス提携】
大原コメント→
筆頭株主であるSBIのオファーを袖にし、マネックスとの包括的業務提携を選んだ新生銀行の判断の裏側を取り上げた記事ですが、新生銀行有志からのSBI・北尾代表への書簡等も紹介されており、臨場感があって読み応えがありました。
また、SBIと新生銀行の関係に留まることなく、預金保険機構と整理回収機構の議決権行使方針やその結果開示等についても踏み込んでいるところにうならされました。
金融行政に密接に関わることを理由に開示に慎重な姿勢を見せる金融庁の考えも理解はできるものの、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5634917?ref=user_121187

2021年2月22日
【令和2年金融商品販売法等改正に係る政令・内閣府令案等の公表について】
大原コメント→
金融サービス仲介業(金融商品販売法等改正)に係る政令・内閣府令案等がついに公表されましたが、金融庁の「新着情報」ページを開き、そのままそっと閉じたのはきっと私だけではないでしょう。。
祝日前夜にコーヒー飲みながら軽く目を通すかという姿勢で読み切れる分量ではありませんね・・・(14種類、計1,074頁)。頑張って来週末までには読み込みたいと思います。https://newspicks.com/news/5636754?ref=user_121187

メディア掲載情報

■メディア掲載:「Ma-Do」でのインタビュー記事掲載
金融機関向けメディア「Ma-Do」で代表の大原のインタビュー記事が掲載されました。
「独立系アドバイザーと周辺ビジネスの現在 米国の資産運用業の高度化を促した外部委託独立業者、TAMPとOCIO」
https://www.jamplatform.com/news/2021/02/25/1970/

■メディア掲載:「Focus IFA」でのインタビュー記事掲載
IFA事業者向けメディア「Focus IFA」で代表大原のインタビュー記事が掲載されました。
「将来を見据えたIFAの課題と解決策」
https://www.jamplatform.com/news/2021/02/26/1977/

お知らせ・ニュースリリース

■セミナー登壇:リフィニティブ社のWebセミナーへの登壇
弊社代表の大原がリフィニティブ社主催の全3回のリテール金融業界セミナーに登壇します。
第1回(2月17日(水)):「なぜ今、IFAが注目されるのか」
第2回(2月24日(水)):「なぜ地域連合、銀証連合が生まれるのか」
第3回(3月3日(水)):「日本でプラットフォーマーになるのは誰か~ネット証券か、運用会社か、テクノロジー会社か~」
https://solutions.refinitiv.com/japanifalp

インフォメーション

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https://www.jamplatform.com/consultation/

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