「JAMPの視線」No.127(2022年6月5日配信)
次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】
目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③金融専門人材募集情報
④インフォメーション
JAMP 大原啓一の視点 2022年6月5日
先月末5月26日に自民党の経済成長戦略本部が「新しい資本主義の実現のための成長戦略についての提言」を政府に提出しましたが、そのなかで家計の安定的な資産運用を後押しする姿勢として「一億総株主」という表現を用いたことが話題になっています。
このなかなかインパクトのあるキャッチフレーズを目にしたとき、私はピータードラッカーの「見えざる革命」で指摘された社会のあり方の変化と、日本銀行が保有するETFの活用案に係る議論の2つがふと頭に浮かびました。
「見えざる革命」で明らかにされた社会のあり方の変化は、それまでの米国においては、資本家層が企業の株式を囲い込んでいた状況であったところ、労働者が所属する企業の企業年金を通じ、全産業の株式を実質的に保有するようになったという「年金基金社会主義」への静かな移行でしたが、日本においても同様に企業年金を通じて労働者が、そしてさらにはGPIF等の公的年金を通じて殆ど全ての家計が、株式を保有するようになっているという点では同書籍で指摘されている変化を過去これまでに同様に経験してきてように思います。その意味で、既に我が国の家計は「一億総株主」の状況を達成しているのではないだろうかと考えています。
一方、今回の提言が「一億総株主」というキャッチフレーズで目指そうと呼びかける変化は、現在の生活者にとって無意識的な「見えざる」株主保有ではなく、家計金融資産の配分をより積極的に株式や投資信託に厚くし、一人ひとりの生活者が意識的に株式や投資信託といったリスク性資産の保有の恩恵を享受し、長期的な資産形成とそれに基づくより充実した人生設計の実現を目指そうというものであろうことももちろん理解しています。私も金融・資産運用業界での活動を通じ、この国や社会への貢献を目指す人間として、その方向性には違和感はありません。
ただ、その実現のために政府が行う施策として、提言に例示されているようなNISA制度の抜本的拡充や金融商品取引業者等の助言業務等に関する制度整備等も必要だとは思いますが、その実効性や即効性ということでいうとなかなか容易ではないようにも感じます。そこで頭に浮かんだのは、しばらく前から金融・資産運用業界の有識者の間で議論されているように、日本銀行が保有するETFを日本の生活者に分配することで、直接的な保有とそのメリット等を実感してもらうという案です。その実現には越えなければならない法的・実務的なハードルは数多くあることは容易に想像できますが、それが実現できた際には、これまで直接的に株式市場に接点をもつことがなかった一般生活者が一気に株式市場の変動に触れることになり、その効果は非常に大きなものがあると思われます。
「新しい資本主義」という大きな世界観のなかで示された「一億総株主」というキャッチフレーズが意味する本当のところはまだ詳細には明らかではありません。ただ、既に実現されている「見えざる」株式保有ではなく、より積極的に家計の金融資産の配分を変えるという姿勢は少なくとも確かであるように思われます。これまでの前例や流れにとらわれることなく、大胆かつ抜本的な施策が講じられることを期待しています。
News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)
2022年6月1 日
【地銀、アボカド栽培やコラボ商品 金利以外の収益源探る】
大原のコメント→
記事タイトル内にあるアボカド栽培やコラボ商品開発等は取組み例であり、地域銀行の成長戦略の解そのものではないと思いますが、方向性としては大きくずれていないのではないかと感じています。
つまり、地域銀行の強みは当該地域における法人顧客との長年にわたる金融取引であり、その事業活動全般を支えるインフラ的存在にあると思われ、今後はそうした強みを活かし、金融サービスの提供のみならず、法人顧客の様々な事業活動の諸工程を支援するサービスの提供を行なうことこそが求められ、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7133655?ref=user_121187
News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)
2022年5月30日
【個人、円安でドル売りに動く 外貨預金・保険で解約加速】
長澤のコメント→
外貨建て保険のうち、為替や金利水準に連動して自動的に円で払い戻す特約で解約となるケースがあるとのことです。これは、いわゆるターゲット型と呼ばれる保険で、解約控除も加味した上で円ベースに換算して当初目標にした払込保険料(円ベース)の110%とか115%になると自動的に円に変わり、その後は為替リスクなく円で安定的に満期まで運用するという商品のことかと思います。
本来であればパンフレットで謳われているように満期まで安定運用にしておけばいいのですが、本人の希望か、営業員からの提案かは分かりませんが、「一度解約した後に別の外貨建て保険を契約する人も多い」とのことです。このような「おかわり」は、当初に比べ高いドルの時に外貨建て保険に加入することになり、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7125163?ref=user_6551307
2022年5月30日
【骨太の方針 NISA拡充など「資産所得倍増プラン」盛り込みへ】
長澤のコメント→
NISAの抜本的拡充ということですが、金額的拡充も重要ですが、資産形成を広めたいということであれば、投資初心者にも分かりやすい制度にしていただきたいと思います。現状非課税期間が決まっているので、期間終了後はロール、課税口座への移管、売却など、税や枠を考慮しつつアクションをとる必要がありますが、投資初心者に限らず、結構分かりにくい仕組みかと思います。政府として今後も国民に自助努力を求めるのであれば、資産形成の奨励を途中でやめることはないと思われ、そうであれば恒久化することで、かなり仕組みを単純化できるのではないでしょうか。また、同様に2024年からの新NISAの2階建ても複雑なので、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7117832?ref=user_6551307
2022年5月31日
【女性役員ゼロ、投資先に「ノー」】
長澤のコメント→
先週末に金融庁から公表された「資産運用業高度化プログレスレポート2022」に、大手資産運用会社11社の役員に占める女性の人数・割合のグラフが掲載されています。それによると、4名で21.1%を筆頭に、同じく4名・14.3%が続き、以下、3名が1社、2名が3社、1名が3社で、2社がゼロとなっていました。
取組み事例として挙げられていた好事例には、女性管理職比率等の数値上の目標を設定するだけでなく、育成の観点から、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7127914?ref=user_6551307
金融専門人材募集情報
日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です
1)大手外資系金融機関 - RM部門マネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
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https://www.jamplatform.com/hr/job/3083/
5)大手外資系金融機関 - ITセクションプロジェクトマネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2939/
6)大手生命保険会社 - 運用部門マネージャー/~1,400万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2569/
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https://www.jamplatform.com/hr/job/2956/
8)大手日系金融機関 - ストラクチャードファイナンス(営業)業務/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2840/
9)本邦大手証券会社 - コンプライアンス部長候補/~1,500万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3076/
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