見出し画像

「JAMPの視線」No.187(2023年7月30日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2023年7月30日

 小学校や幼稚園が夏休みに入り、小学校3年生の長男と幼稚園年少の次男が元気いっぱいに夏を満喫しようとしているのですが、猛烈な暑さを避けるために外出を控えさせているので、目に見えてストレスが溜まっており、ご機嫌取りが大変です(私ではなく、もっぱら妻が)。クーラーが効いた部屋の中で過ごさせてばかりいると、ストレスだけではなく、身体にも不健康で悩ましいですね。自分が子供の時は夏休みは何をしていたんだろうと思い悩む今日この頃です。
 さて、資産運用業高度化プログレスレポートでも再三にわたって問題提起されている資産運用会社によるプロダクトガバナンスの向上についてですが、業界有識者と興味深い意見交換をさせて頂きましたので共有させて頂きます。
 株式会社お金の育て方の篠原代表は、野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー株式会社等で長年にわたって投信商品の分析・評価等の業務に携わってきた方ですが、足もとは資産運用会社のプロダクトガバナンスの向上等の支援に取り組まれているのですが、足もとの大手資産運用会社各社による取組みのあり方に疑問を呈されています。曰く、金融庁が指摘する通り、不芳ファンドの償還等を通じた商品数の絞り込みというのは確かに重要な取組みではあるが、それのみがプロダクトガバナンスの目的であるべきではなく、最終的にその取組みがお客様である投信受益者にとってもメリットがあるだけではなく、資産運用会社自身にとってもメリットがあるものでなければ、持続的な取組みにならないのではないかとのこと。
 確かに、プロダクトガバナンスに係る行動の内容として不芳ファンドの償還等はあるべきですが、商品数の絞り込みそのものがその目的であるはずがなく、そもそも何のためにやるのかということを明確にしなければならないのは言うまでもありません。対お客様という意味では、その目的はお客様本位の業務運営の考え方に沿うべきものであり、良い資産運用商品をお客様にしっかり届けるという意味で、不芳ファンドではない優れた商品を絞り込み、その商品性を更に向上させ、それをお客様に届けるという提案・販売行動まで至る一貫の諸々こそがプロダクトガバナンスの目的であるべきと考えます。悪いものを排除して満足ということでは、その目的の第一歩を踏んでいるに過ぎません。
 また、資産運用会社自身の事業面でのメリットという視点では、絞り込んだ投信商品について、その運用継続の判断を契機に改めて残高拡大を図るような取り組みをセットで講じるべきであると考えます。篠原代表の表現をお借りすると、「ファンド再生」こそが「不芳ファンド償還」よりもプロダクトガバナンスに係る取組みでより重要な視点となります。もちろん言うは易く行なうは難しで、商品性が優れていたとしても、それまで残高増がかなわなかった投信商品を改めて活性化するというのは決して容易ではありません。ただ、「ファンド再生」が伴わない商品の絞り込みというプロダクトガバナンス行動は縮小均衡にしか過ぎず、それでは資産運用会社が自ら積極的にプロダクトガバナンスに取り組むインセンティブは生まれませんし、持続的な取組みになりにくいように思われます。
 金融商品の提案・販売の現場におけるお客様本位の業務運営についても、資産運用会社におけるプロダクトガバナンスの取組みについても、耳障りの良いお題目だけでは現実的な解にはなり得ず、お客様と金融機関の双方にとってメリットがあるWinWinの関係構築を伴わなければ、本当の意味で定着することにならないように考えます。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2023年7月25日
【猛暑で注目集める熱中症保険 1日単位でもOK 加入件数急増】
大原のコメント→
 ライフプランに基づく将来の資金需要を推計したうえで適切な商品や掛け金を選択する必要がある生命保険とは異なり、短期的な損害保険の場合には専門家によるサポートの必要性が低いため、スマートフォン等の顧客接点に親和性があり、手軽に利用することができるということも人気の理由のひとつと推察されます。

2023年7月25日
【投信主要5社が最終減益 薄い利幅・海外任せのツケ】
大原のコメント→
 数年前から資産運用会社各社による投信運用報酬の引き下げチキンレースが行われていますが、新たな付加価値を創出することなく手数料引き下げにやっきになる行動には事業継続性が見出せないことを懸念します。
 一般生活者のお客様の長期の資産形成・活用を支える資産運用サービスを提供するからには、自らも利潤を獲得できるようなWinWinの事業モデル構築・運営を実現すべきであり、・・・(続きを読む)

2023年7月27日
【ここにきて、失速した日本の「地方銀行」が「人材派遣業務」で大復活するかもしれない…!】
大原のコメント→
 日本資産運用基盤を創業する前の少しの期間だけ地域経済活性化支援機構の子会社である日本人材機構(現在は解散済み)のお仕事をお手伝いしていたことがありました。
 同機構は首都圏の経営人材を地方の企業に紹介する事業を営んでおり、市場開拓をしたうえで民間に引き継ぐことをミッションとする時限的な政府機関でしたが、その活動を行なううえで重要なパートナーが各地域で大きな存在感を持つ地域銀行でした。
 地域銀行はリスクマネーを融資という形で提供することを通じ、各地域の企業の内情や課題等を正確に把握し得る立場にあり、・・・(続きを読む)

2023年7月27日
【住宅ローン変動金利 8月に0.2%台のところも 引き下げ競争激化】
大原のコメント→
 住宅ローン市場は非常に大きく、金融機関にとっても重要な事業である一方、足もとの住宅ローン金利引き下げ競争はそこのみに事業性を見出すことを難しくするチキンレースの様相を呈しているように感じます。
 私が専門とする資産運用ビジネス領域においても投資信託の信託報酬の引き下げ競争がチキンレース化しており、金融機関の従来事業モデルはいずれも付加価値のコモディティ化と利潤消失に直面している状況にあります。
 今後の金融機関経営においては、従来型サービス・事業モデルを効率化しつつ、・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2023年7月26日
【代行報酬 低い水準で一律に】
長澤のコメント→
 高齢者の資産活用に対するアドバイスと若年層向けの資産形成に関するアドバイスでは、求められるアドバイスの質も異なり、こうしたアドバイスニーズの多様性を考えると、「代行報酬の一律化とアドバイスにひもづくフィーの組み合わせがあるべき姿」ということは、まさにその通りだと思いました。
 代行手数料については、金融庁でも、パッシブ・アクティブ、ネット販売・対面販売等の違いに関わらず、信託銀行の取り分を除く信託報酬のうち、運用会社報酬と代行手数料はおおよそ半分ずつ分配されており、・・・(続きを読む)

2023年7月26日
【お金は「増やし方」より「使い方」こそ大切だ】
長澤のコメント→
 筆者のお金の「増やし方」についての記事は、金融機関に対してかなり厳しい論調で書かれることが多いので、そこまでではないと思うこともあるのですが、今回のお金の「使い方」について「お金はあくまでも「手段」であり、幸福のために使うものだ」という考え方はまさにその通りかと思います。
 住宅資金や教育資金といった目先のものから、引退後の豪華な旅行という非日常的な経験や、金銭に心配のない老後の日常生活など、様々な目的(ゴール)、それも複数あってもいいと思いますが、・・・(続きを読む)

2023年7月27日
【佐賀銀行、「顧客満足度」で初の首位 地銀協調査】
長澤のコメント→
 同行では顧客満足度調査のスコア上昇を「将来のライフイベントなどお客様のニーズを見据えた営業スタイルを強化してきたことが評価された一因」と分析しているようです。確かに相場動向や推奨商品の特徴説明から入る営業スタイルでは、銀行の売りたい商品を買わされるのではないかと警戒心が先に立ってしまいがちですが、顧客のライフイベントに絡め、顧客の夢、希望、関心事、不安をヒアリングすることから入る営業スタイルは、顧客も自分事として捉え、・・・(続きを読む)

2023年7月27日
【好成績の日本株投信、「テンバガー」になったのは?】
長澤のコメント→
 NISAのモデルとなった英国の個人貯蓄口座(ISA)は、日本より15年早く1999年に導入されたこともあり、資産残高が100万ポンド(1ポンド=180円換算で1.8億円)を超える「ISAミリオネア」が、2,000人超いるそうです。
 日本でも今回NISAが恒久化されたことで、より長期投資ができる環境が整いました。過去の好成績が将来も続くとは限らず銘柄選択は難しいので、成長投資枠でもコストの安いインデックスファンドに投資することを否定はしませんが、・・・(続きを読む)

インフォメーション

個別のご質問・ご相談会を無料で定期的に開いています。お気軽にお申し込みください。
https://www.jamplatform.com/contact/

■メールマガジン登録
毎週日曜日22時にJAMPメールマガジン「JAMPの視線」を発信しています。
ご興味のある方は是非こちらから登録をお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?