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「JAMPの視線」No.113(2022年2月27日配信

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④メディア掲載情報
⑤金融専門人材募集情報
⑥インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2022年2月27日

従来型証券・資産運用サービスの付加価値がコモディティ化し、それらを基礎とする事業モデルが転換を迫られているというお話をさせて頂くと、「もはや対面証券会社による証券売買サービスは成り立たない」「そこでのコミッションは全てゼロになる」という風に受け止められることが少なくありません。
確かに、情報通信技術の発達等を背景にオンライン証券会社が証券売買に係る情報を無料で発信し、どこからでも利便性高く取引ができる状況が普通になっているなか、従来型証券サービスの付加価値が全体としてコモディティ化しているのは事実だと考えています。ただ、それが即ち全ての従来型証券サービスの付加価値がゼロになったり、対面証券売買サービスやそこでのコミッションまでもが存在し得なくなったりということは意味しません。誤解を避けるため、この点は改めて強調させて頂きたいと思います。
こと対面証券売買サービスにおいては、お客様が証券会社に期待するのは、単なる株式等売買の執行のみならず、その過程でのプロである証券営業担当者からの相場見通し提案やそこでのコミュニケーションでもあると思われ、そのような「相場談義」にオンライン証券会社では得られない付加価値を感じられているお客様はいまも少なくないですし、これからも残っていくと考えています。そのようなお客様は、オンライン証券会社で取引すればその取引手数料が無料だとしても、営業担当者との「相場談義」という体験に手数料を喜んで払うということも続いていくでしょう。
ただ、オンライン証券会社を中心とする取引手数料の無料化の流れ等、業界構造のパラダイムシフトの影響を対面証券会社が何も受けないかというとそれは楽観的に過ぎるように思います。お客様がいかに営業担当者との「相場談義」的コミュニケーションを楽しまれ、そこでの手数料支払いを良しとしたとしても、リテラシーが高いお客様は、オンライン証券会社との手数料の差をシビアに計算され、一部をその対面証券会社で取引したとしても、取引の多くをオンライン証券会社に移管する等、結果として業界全体の手数料低下・無料化の流れが対面証券会社にも及ぶことは避けられないと思います。
また、これまでのリテール金融領域の状況を鑑みても、株式等の有価証券取引を行なうお客様は我が国の一般生活者全体の一部に留まり、この割合は今後も業界全体が投資家教育等に懸命になっても、(投資家教育等に努められている関係者の皆さまには敬意を払いつつも)大きく増えることは期しがたいと思われます。そうなると、株式取引サービスを利用する一部のお客様のみを対象とする事業モデルのままでは、事業規模は縮小に向かわざるを得ず、事業を継続的に成長させるためには、従来型の株式取引サービスを利用したことのない大部分の一般生活者にいかにアプローチするかが重要になってくると考えます。
私たち日本資産運用基盤は、この大部分の一般生活者に利用されるサービスとして、お客様のライフプラン上のゴールを設定し、その実現をサポートするためのゴールベース型資産運用アドバイスサービスこそが重要であるという考えを持っています。そこでは単に投資運用の手段(ポートフォリオ)を提供するのみならず、お客様に寄り添いながらサポートをするという行動が重要になります。対面証券会社等の地域に根差した金融機関が強みとし、オンライン証券会社が真似できないのはまさにこの部分であり、事業モデルの核となるものは人を介在した顧客接点であるという点で、金融業界が今後中長期的に目指すべき資産運用アドバイス事業モデルにおいても、共通するところが大きいと考えています。対面証券会社の経営陣に求められるのは、縮小する市場での利潤確保にこだわるのではなく、自らの強みを最大限に活かしつつ、新たに生まれる新たな市場を積極的に取りに行くという果敢な経営判断ではないでしょうか。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2022年2月21日
【スタートアップ投資で新目標 政府調査会が発足】
大原のコメント→
スタートアップ企業の増加や成長が株式市場の成長や新規雇用の創出等に貢献することが期待される一方、スタートアップ企業への投資がGDP比で諸外国に比べて低い水準にあり、ボトルネックの解消が重要であるとの考えは同意です。
一方、そのボトルネックの解消に政府がどのように関与すべきか/できるかというのは慎重に検討した方が良いように思います。スタートアップ企業の目利きやその成長支援は政府よりも民間企業の方が優位にあると思われ、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6726079?ref=user_121187

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2022年2月19日
【投資相談、鵜呑みは禁物】
長澤のコメント→
記事にある仕組債については、IFAや地域銀行において販売額が増加しているといわれていますが、早期償還して再度仕組債を購入すると新たな販売手数料がこれら金融事業者に入ることから、事実上の回転売買ではないかと金融庁の幹部も指摘しているとのことです。
 これは一例であり、もちろん真摯に顧客本位に取り組んでいるIFAも多いとは思いますが、一般に小規模経営のところが多く・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6719587?ref=user_6551307

2022年2月22日
【三井住友海上、企業向けに社員の資産形成支援】
長澤のコメント→
企業向けに社員の資産形成を支援するシステムとして、人口知能(AI)で個別企業の給与体系、退職金、年金制度を反映した生涯収支を予測し、社員ごとの資産形成や住生活サービスの需要を解析してくれるサービスの提供を始めるとのことです。
 確かに、将来のライフプランを踏まえた目標資産額を検討して資産形成を行うと言っても、なかなか個人でイメージを持っている人は少なく、こういったサービスで具体的な数字を示してもらえれば、より「自分ごと」として考えられるのではないかと思われます。また、実際の資産運用にあたっては、必ずしも順調な時ばかりとは限りませんので、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6728210?ref=user_6551307

2022年2月22日
【[社説]問題多い個人向け仕組み債】
長澤のコメント→
仕組債の話題となりますと、リスクや商品性の説明の話になるケースが多いのですが、記事にあるような「低リスク・高リターン」といった説明を直感的におかしいというリテラシーを身に着けることは当然のこととして、個人投資家の方は実質負担している手数料についてもっと関心を持った方がいいのではないかと思います。例えば、自分が受け取るクーポンが1%(受取利息合計額は仕組債のコールまでの想定期間にも左右されると思いますが)なのに対し、金融機関の受け取る手数料相当額が3%ということを知ることができた場合、果たして投資する気になるのか、重要な判断材料になるのではないでしょうか。
 仕組債は、内包するオプションのプレミアムを組成・販売する金融機関と投資家で分けている、すなわち、「手数料の高さ」と「投資家が負うリスクに対してリターンが低すぎること」は表裏一体(綱引き)の関係になります。リスクに見合ったリターンであれば、商品の仕組みを十分理解した上で購入するのであれば、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6731719?ref=user_6551307

お知らせ・ニュースリリース

■ゴールベースアプローチセミナーの開催について
「当局目線でのゴールベースアプローチの有用性とは?」「資産運用ビジネスを前進させる、ポートフォリオを追求しないゴールベースアプローチサービスとは?」等をテーマに、オンラインセミナーを株式会社QUICKと共同で開催いたします。
https://www.jamplatform.com/news/2022/02/23/2872/

メディア掲載情報

■メディア掲載:「ニッキン」での日本電子計算との業務提携の紹介
2月18日付の「ニッキン」で弊社とNTTデータグループの日本電子計算との業務提携についてご紹介頂きました。
「JAMP 日本電子計算と協業 ラップ業務の品質向上」
https://www.jamplatform.com/news/2022/02/19/2866/

金融専門人材募集情報

日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です

1)外資系PEファンド - PEファンドオペレーションマネージャー/想定~1,300万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2882/

2)大手金融機関 - 企業戦略部門マネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2798/

3)大手資産運用会社 - 人事マネージャー/800~1,200万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2663/

4)マルチアセットの運用業務 - チーフファンドマネージャー/前職を考慮して検討
https://www.jamplatform.com/hr/job/2665/

5)大手コンサルティングファーム - リスクアドバイザリーコンサルタント/~1,500万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2599/

6)大手生命保険会社 - 運用部門マネージャー/~1,400万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2569/

7)大手コンサルティングファーム - 管理部門マネージャー/1,200万円くらいまでを想定
https://www.jamplatform.com/hr/job/2769/

8)大手日系金融機関 - ストラクチャードファイナンス(営業)業務/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2840/

9)金融機関経験者を求める大手事業法人 - 経理部長/想定~1,800万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2864/

10)大手外資系金融機関 - グローバルRMマネージャー/想定~3,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2763/

ここに掲載している情報以外にも多くの人材採用ご支援をさせて頂いています
ご関心ある方は https://www.jamplatform.com/hr/ からご登録をお願いします

インフォメーション

個別のご質問・ご相談会を無料で定期的に開いています。お気軽にお申し込みください。
https://www.jamplatform.com/contact/

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