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「JAMPの視線」No.234(2024年6月23日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2024年6月23日

 先月末に公表させて頂いた弊社ゴールベース型資産運用事業支援サービスのご支援残高が100億円に到達したことを受け、先週水曜日に「ご支援残高100億円到達お祝いパーティー」を開催しました(ちなみに足もと増加ペースは加速しており、直近残高は約130億円に到達しています)。100億円という残高はまだまだ小さな通過点に過ぎませんが、節目節目でこのようなお祝い企画を開催するというのは、当該ご支援事業に携わる関係者が「自分達は日本の生活者の皆さまの人生をサポートする取り組みをしているんだ」と目線を一致させるという効果も大きく、大事だなあと改めて感じます。100億円とう残高数値の裏側には、ライフプランを資産運用面でサポートさせて頂いている約2,500世帯のお客様がいらっしゃるということ、普段の業務に忙しくしているとなかなかその辺りの視点を忘れがちになってしまいますので。引き続きゴールベース型資産運用サービスの普及に微力を尽くしてまいります!
 さて、いきなり話は変わりますが、今年2024年はオープンエンド型投資信託が米国で誕生してから100周年になります。と、偉そうに語っていますが、これは日本証券経済研究所の特任リサーチフェローを務められていた杉田浩治氏の論考「世界のオープンエンド投信100年の軌跡と今後の展開」からの受け売りです。同論考は、1924年の米国での誕生から現在に至るまでどのようにオープンエンド型投資信託が資産運用業界で存在感を大きくしてきたのか、その過程で生まれたMMFやインデックスファンド、ETFといった商品形態がどのような役割を担ったのか、販売方法がどのように変遷してきたのか等が分かり易く整理されており、資産運用業界関係者にはぜひ一読をおススメします。
 特に、論考の最後部分の「米国で起こったことは日本でも起こるのか」という考察は足もと日本でも進んでいる動きに照らして、興味深く感じます。考察の詳細はぜひ論考本文をお読み頂きたいと思いますが、資産運用アドバイス付加価値の提供や資産運用の個別化による投資信託離れ、ETFの成長可能性という3つのポイントについては、資産運用ビジネスを手掛ける日本の金融機関にとって非常に重要だと考えます。
 最初の2つについては、個人的な考えとしては、日本でも今後は個人のお客様のライフプラン等に応じた資産運用アドバイス付加価値の提供が重要になり、そこでは対面アドバイザーの存在感が大きくなっていくことは間違いなく、当該付加価値の提供と対価の収受等の利便から投資信託ではなく、投資一任運用がスキームの中心になっていくであろうことを予想しています。ただ、投資一任運用サービスでも個別の株式や債券等を直接の投資運用対象とするSMAではなく、投資信託を対象とするファンドラップが中心になると思われ、その意味で投資信託の成長は今後も継続するという杉田氏のお考えに同意です。私たちがゴールベース型投資一任サービス事業のご支援に注力しているのもこの理由です。
 一方、日本におけるETFの成長可能性についてはよくわからないというのが正直なところです。通常の投資信託に比べてETFならではのメリットがあることは事実なのですが、杉田氏が別レポートでも整理されているような米国特有の要因もあり、一方で日本ならではの投信を選好するであろう要因もあると思われ、米国同様の成長軌道を日本のETF市場が描くかというと現時点ではそのイメージを具体的に持つことができません。昨年秋にスタートしたアクティブETFの商品種類の増加や海外ETF運用会社の新規参入等の動きが今後進むなか、日本のETF市場も変化していくことは予想され、その動きをもう少し見極めたいと思います。
 いずれにせよ、オープンエンド型投資信託の誕生から100周年を迎えるいまこのタイミングで、日本の資産運用ビジネスが大きな岐路に立っていることは間違いなく、これまでの100年間の発展の歴史を改めて振り返りながら、今後の展開を考察することは有用かと思われます。

 (ご参考①)「世界のオープンエンド投信100年の軌跡と今後の展開」https://www.jsri.or.jp/publish/review/pdf/6405/05.pdf

(ご参考②)杉田氏と弊社主任研究員の長澤との対談インタビュー「日本の投資信託を60年間見てきた私から言えること」 

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

【自民党、地域金融議員連盟が発足 約50人の議員加入】
大原のコメント→                                      
 非常に良い動きだと考えます。日本経済の成長には首都圏等の大都市圏に依存しない地方経済の活性化が重要であるという考えからも、過疎化が進む地方に住み続ける住民の生活の基盤を維持する必要があるという考えからも、社会インフラとしての地域金融機関の存在は重要です。地域金融機関単独では変革できないことも・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

【金融庁、「マネードクター」と生保の取引実態を調査】
長澤のコメント→
 本件と直接関係があるのかはわかりませんが、昨年8月に金融庁が公表した今事務年度の金融行政方針では、「販売会社と販売委託元の資本関係や販売奨励金といった顧客と金融事業者の間で利益相反が生じうる事項について、情報提供を義務付けるための制度整備を進める。」としています。今回のケースでいえば、広告費という形をとった販売奨励により、顧客にとって必ずしも相応しいとは言えない保険が、代理店の都合で推奨されうる利益相反の可能性があるといった点を金融庁は問題視していることかと思います。
 ちなみに、金融庁は数年前にも、保険会社が販売手数料の上乗せキャンペーンや販売員向けのインセンティブを供与しており、・・・(続きを読む)

【(短信)金融商品「顧客目線で」 金融庁、原則見直しへ】
長澤のコメント→
 原則の改訂案には、「金融商品の組成及び想定顧客層の特定に当たっては、(中略)潜在的なニーズも含む顧客の資産形成等に係る真のニーズを捉え~」とありますが、真のニーズとなると、A国株式の投資信託が欲しいとかではなく、一般的な生活者であれば、例えば老後はどのような暮らしがしたいので、そのためにはいくら必要で、それを準備したいがアドバイスして欲しいというのが金融機関に対する期待、真のニーズではないかと思われ、またそういったニーズは本人も自覚しておらず、潜在的なものになっていることが多いと思われます。
 顧客本位というと金融機関が自らの収益を削り、安い手数料の商品を提供しなくてはならないのかという誤解があるかもしれませんが、・・・(続きを読む)

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