「JAMPの視線」No.139(2022年8月28日配信)
次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】
目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④金融専門人材募集情報
⑤インフォメーション
JAMP 大原啓一の視点 2022年8月28日
最近また色々な地域銀行様からゴールベースアプローチ型ラップの導入についてご質問・ご相談を頂くことが増えており、個別に勉強会等もさせて頂いているのですが、そのエッセンスを中心に構成した一般向けWeb勉強会動画「お客様に必要とされる真の『資産運用サービス』とは~ゴールベースアプローチ型ラップがいま求められる理由~」を弊社HPにアップさせて頂きました。
ゴールベース型ラップの特長や導入の意義等というよりも、そもそもなぜ資産運用サービスにゴールベースアプローチが必要かという根源的なところから整理をさせて頂いていますので、お時間ある時にご笑覧を頂ければ幸いです。
さて、そのように具体的にゴールベース型ラップの導入を検討されている地域銀行様からは、①「ゴールベースアプローチとファンドラップの関係はどう考えれば良いのか?ファンドラップでなければならないのか?」、②「既存のファンドラップではゴールベースアプローチ型サービスはできないのか?」という2つのご質問を最近よく頂きます。
前者については、福岡銀行様が進められている「投信のパレット」を用いたゴールベースアプローチ型サービスを意識されている地域銀行様から、後者については、既に従来型ファンドラップを導入されているものの、ゴールベースアプローチ型サービスの活用に困難を感じられている地域銀行様から頂くことが多いように感じています。
これらご質問に対して、私がいつもお話をさせて頂くのは以下のようなことです。
ご質問①について:ゴールベースアプローチ型サービスの実現にはファンドラップは必要不可欠ではなく、もちろん投資信託を用いた実現も可能です。但し、ゴールベースアプローチ型サービスの肝はお客様の将来のゴール実現に向けて、継続的にプラン(資産運用計画)をメンテナンスする役務提供にあり、そのような役務提供を無償で行うのか、有償で行うのかによってスキームが変わってきます。投資信託の場合には、ポートフォリオ運用付加価値の提供を超えたプランの継続的サポートという役務に対する対価を信託報酬で徴収することは難しいため、無償での提供しかできないという限界があります。お客様満足度の向上や顧客本位の業務運営の実現ということでは正しいと思いますが、対価が得られないなかでお客様に満足頂くためのサポートをしっかり行う人員リソースを配賦し続けるというのは難しいように感じます。この点、ファンドラップ(投資一任)スキームの場合、投資一任契約書内でプランのメンテナンスという役務を定義し、対価を徴収することが可能なので、有償での継続的サポートが可能となります。
ご質問②について:ゴールベースアプローチ型サービスで継続的にサポートする対象は、ポートフォリオではなく、ゴール実現のためのプランとなります。従って、お客様ひとり一人に対してプランを柔軟にカスタマイズするための機能、具体的には、積立・取崩や増額・一部解約、リスク水準変更、運用期間変更、複数ゴール対応等の機能が必要になりますが、既存ファンドラップサービスの場合、そのような機能を備えていないのが実情です。従って、ゴールベースアプローチの理念を掲げながら、入り口でお客様のライフプランやゴールをヒアリングしたとしても、最終的な提案として個別のプランの提案に結びつけることができず、結局はポートフォリオ(商品)の提案に留まってしまうという限界があります(念のため:従来型ファンドラップのサービスとしての付加価値や有用性を否定するものではなく、あくまでゴールベースアプローチ型サービスに必ずしも適していないという意味です)。お客様のライフプランやゴールを実現するための個別のプランを提案するサービスにするのであれば、ゴールベースアプローチに特化したファンドラップサービスが必要となります。
いよいよ日本でもゴールベースアプローチ型ラップサービスの導入に向けた議論が活発化していることを嬉しく感じていますが、そのなかで、上記のようなディスカッションを通じ、正確な理解に基づいたサービスの広がりが進むことを心より祈念しています。
News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)
2022年8月22日
【地銀、なぜ「含み損」? 外国証券13兆円にリスク】
大原のコメント→
記事内でも触れられている通り、企業部門がマクロで資金余剰となり、特に過疎化が進み、新規資金需要が乏しい地方においては、貸出しが伸び悩む等の要因を受け、地域銀行の有価証券運用事業の存在感が中長期で大きくなっています。
そのような状況を受け、「有価証券運用事業は本業のひとつである」とする地域銀行の経営陣も増えつつありますが、銀行は投資ファンドではなく、預金保険で保護されるという特別なセーフティーネットも用意されている以上、そのように本業のひとつであると言い切ることに個人的に違和感を感じます。
ただ、「本業のひとつ」と表現するほどに地銀経営における重要性が増していることは事実であり、それを適切に運営・管理するための手当てが経営には求められています。しばしば地銀の現場には投資運用やリスク管理の専門家が不足していることを問題視する意見も聞かれますが、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7466186?ref=user_121187
News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)
2022年8月24日
【高リスク「仕組み債」重点検査へ 金融庁・監視委】
長澤のコメント→
仕組債に関する苦情について、遺産相続や退職金を受け取ったばかりの高齢者からのものが目立つとのことです。これらの方々がどの程度知識経験があったかは分かりませんが、本来仕組債は、重要情報シートを作成しているかに関わらず、想定顧客層としては、①オプションが組み込まれている複雑な商品であり、投資経験や知識が十分でない顧客には適していない、②長期の安定的な資産形成を目的とする顧客には適していない、というのが一般的な認識かと思います。苦情が発生している販売会社が「適合性」をどのように考え、販売後の検証をどの程度行っていたのか、いなかったのか関心があるところです。
金融庁が先日公表したレポートにおいて、仕組み債の取り扱いを続けるべきか否かについて「経営レベルにおいて議論すべきだ」と求めるなど、事実上の販売自粛要請を受け、すでにメガバンクの中には、仕組債については新規販売に加え、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7475270?ref=user_6551307
2022年8月26日
【あおぞら銀、ネット顧客に対面の場】
長澤のコメント→
喫茶店やファミレスで保険の勧誘をしているシーンは時々目にしますが、お金の話なのでこのようなシェアオフィスで相談できるのは有難いのではないでしょうか。以前、りそな銀行が移動型店舗を導入したという話がありましたが、遠方の支店にわざわざ足を運ぶのは億劫だが、かといって営業担当者を自宅に入れるのは嫌な人も多いと思われますので、こうしたあおぞら銀行の取組みもニーズがあるのではないかと思います。
老後2千万円問題やコロナ禍を契機として、ネット取引が伸びていますが、やはり資産運用の話となると、直接会って話す方が理解の面でも、安心感の面でも優ると思われ、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7485216?ref=user_6551307
2022年8月26日
【住友生命の医療保険、ソニー生命が販売】
長澤のコメント→
ソニー生命は、自らは外貨建て保険に注力し、競争が激しい医療保険については住友生命子会社の保険を販売するとのこと。金融の世界では、系列重視や自前主義の傾向が強い中、自前主義へのこだわりを捨てて強みを持つ分野に特化するというのは、経営判断としては結構勇気がいることかもしれません。
保険以外に目を向けると、例えば、投資信託の世界でも、ある商品がヒットすると他社もこぞって似たような商品を売り出すことが良くありますが、必ずしも先行運用会社と同様の成果を上げることができるとは限りません。この点については、金融庁のプログレスレポートでも、ファンド数が少ない運用会社では、旗艦ファンドに注力しリソースを集中させることで良好なパフォーマンスを実現している傾向が見られる一方、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7486514?ref=user_6551307
お知らせ・ニュースリリース
■ゴールベース型ラップに関する勉強会開催
ゴールベースアプローチ型ラップについてのWeb勉強会動画を公開しました。
「お客様に必要とされる真の『資産運用サービス』とは~ゴールベースアプローチ型ラップがいま求められる理由~」
https://www.jamplatform.com/news/2022/08/22/3230/
■共著書籍の出版について
弊社代表の大原が、金融業界の各分野の専門家の皆さまとの共著で、金融業界の変革に関する書籍「ビヨンド・フィンテック時代」を出版しました。
https://www.jamplatform.com/news/2022/06/16/3123/
■Webセミナー登壇のお知らせ
弊社代表の大原と主任研究員の長澤が、株式会社想研が主催する金融専門家向けWebセミナーに登壇を致します。FMプロフェッショナル会員(登録無料)向けのオンデマンド形式の配信となり、大原のWebセミナーは7月29日配信開始、長澤のWebセミナーは8月26日配信開始予定です。
https://media.finasee.jp/common/static/seminar-lp2205/
金融専門人材募集情報
日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です
1)大手外資系金融機関 - RM部門マネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2897/
2)M&Aファーム - CFO/~2,000万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3236/
3)本邦金融機関 - 経理財務部門マネージャー/~1,500万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/3215/
4)本邦金融機関 - 経営企画部門マネージャー/~1,500万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/3217/
5)大手外資系金融機関 - ITセクションプロジェクトマネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2939/
6)大手外資系金融機関 - コンプライアンスヘッド/~1,500万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3223/
7)大手日系金融機関 - ファンドアナリスト/想定~1,500万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2956/
8)大手金融機関 - アナリスト育成担当マネージャー/~1,200万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3201/
9)独立系金融機関 - セールスマーケティングマネージャー/~1,500万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3228/
10)本邦大手証券会社 - 内部監査部長候補/~1,200万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3078/
ここに掲載している情報以外にも多くの人材採用ご支援をさせて頂いています
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インフォメーション
個別のご質問・ご相談会を無料で定期的に開いています。お気軽にお申し込みください。
https://www.jamplatform.com/contact/
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