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愛することは、賭けること。

愛することは、人生を賭けることと似ている。

あなたは、自分から「この人に会いたい」と、強く強く思う事はあるだろうか。私は、ある。だが、そう思うことを封じ込めようとする自分もいる。なぜか。理由は単純、それは「ビビっている」からだ。自分の思いを強く出したときに、拒絶される恐怖。拒絶される恐怖が、自分の思いを引っ込める。誰かを強く思うことは、同時に、怖い。それは、失う怖さであったり、人生が変わってしまうことの恐怖、自分が拒絶されることの恐怖であったり、一言でまとめるならば「傷つくことの恐怖」だと思う。それが、踏み出す一歩を戸惑わせる。傷つかないための予防線を、無意識のうちに張ってしまう。

だが、年は開けて2020年。傷つくことを恐れて、ビビって、予防線を張って、適当にごまかしながら生きるより、思い切り愛して傷つく方がずっといい。誰かを愛して傷つくことは、誰一人愛さないことより、ずっといい。私には、すぐに一人になろうとする癖がある。あなたがいなくても俺は俺でしっかりやっていけますよと、そう思うことが自立なのだと、自分に言い聞かせるように一人になる。だが、自立とは、そういうことではないと思う。私の本音は「一人で生きたい」ではない。できることならば、愛するひとと生きたい。一人で生きる強さなんて、ひとといられない弱さだ。遠くに行ける強さなんて、ここにいられない弱さだ。それはただ、臆病なだけだ。一人になりたい。遠くに行きたい。それは、本音ではない。本当は「ここに、君といたい」のだ。自立とは、愛して傷つくことを自分に許せる勇気だと思う。

思い切り愛して傷つく方が、ずっといい。

自分のままでは通用しない。いまの自分には、誰かを愛する値打ちがない。こんな人間から愛されても、相手は迷惑なだけだろう。そういう思いが、自分の気持ちを伝えることを、押し留める。きっと今は忙しいだろうとか、邪魔をしては悪いだとか、甘えてはいけないだとか、しっかりしなければならないだとか、相手には相手の人生があるのだからとか、迷惑にならないように生きることは、一見、相手のことを思いやっているようで、ただ、自分がビビっているだけだ。自分がビビっていることを覆い隠すために、自立を利用したり、優しさを利用したり、思いやりを利用しているだけだ。ただ、それじゃ、心の一部はさみしいままだ。さみしさとは、愛することを自分に禁止したときに、芽生える感情だと思う。愛したいものを、愛したいように愛せないとき、さみしさは募る。諦めにも似たさみしさは、心、体を冷やす。

誰かを愛することは、人生を賭けるみたいなところがある。本気で人と人が関わる時、お互いを別人に変える力が生まれる。深く関わることを避ける限り、自分も、相手も、変わらないでいられる。自分は自分のまま、相手は相手のまま、適当な距離感を維持したまま、それなりの間柄を続けることができる。それは、居心地の良い関係かもしれない。ただ、自分の心に正直になってみると、本当は「もっとめちゃめちゃになりたい」と思っていることに気づく。自分の理性、自分の客観性、自分の思想、自分の世界観、自分のプライド、そういったものが一回全部溶け出してぐちゃぐちゃに混ぜ合わさるように、自分以外の『何か』と交合したい。自分が自分でなくなるほどに、頭がおかしくなってしまうほどに、何かを強く思ってみたい。それくらいに熱中できるものと出会えたことは、それほど本気になれるものと出会えたことは、たとえ、傷ついたとしても『幸せ』と言えるのではないか。傷つくことを恐れて生きた人生より、思い切り愛して傷つくことの方が、一つの人生を『生きた』と言えるのではないか。そういう風に感じる自分が顔を出す。

愛の別名は、破綻だと思う。当たり前だが、破綻は嫌だ。平和で穏やかな日々が続けばいいと願う。だが、平和で穏やかな日々に寄りかかるあまり、自分を変えていけなくなる。新しい世界に踏み出す勇気を、新しい自分に変わっていく勇気を、平和が、穏やかな日々が、ゆるやかに奪う。なにをするときも「破綻をしないためにどうすればいいか」という思考になる。だが、破綻しないように自分を守るのではなく、破綻したとしても構わないと思わせる力が『愛』だと思う。この点において、愛は、本当に恐ろしいものだ。愛は、一切の制限を取り払う。そのことの自由さと、そのことの恐ろしさ。ただ、ひとつだけ言えることがある。愛のゴールは破綻ではない。愛のスタートが破綻なだけであり、破綻の先に浮かび上がる『何か』がある。その『何か』が、自分を次のステージに導き、新しい自分に出会わせてくれる。

愛することを、許される時。

自分の気持ちを表現すること、自分の気持ちを認めることは、常に恐怖がつきまとう。自分の一番繊細な部分を、日の目に晒す行為になる。一番傷つきたくない部分、一番拒絶されたくない部分を「傷つくリスク」「拒絶されるリスク」に晒す行為になる。では、なぜ、いちいちそんなリスクを犯してまで、自分の気持ちを表現したいと思うのか。それは、もう、本能が知っているからとしか言えない。なぜならば、それが『生きる』ということだからだ。私たちは、傷つかないために生きているわけではない。たとえ、傷ついたとしても『愛する』ために、生きているのだと思う。愛することを許された時、私たちは自由になる。その自由の中には「成功する自由」や「幸せになる自由」や「ひとつになる自由」だけではなく、「失敗する自由」も「傷つく自由」も「破綻する自由」も、含まれている。成功した時だけではない、失敗した時も、破綻をしてしまった時でさえも、私たちは自由を得る。

歌も、踊りも、悲しいときに生まれる。嬉しいときに生まれる。苦しいときも、楽しいときも、ひとりのときも、誰かといるときも、喧騒の中で、静けさの中で、歌は、踊りは、湧き上がる。それは『愛』と同じだ。あらゆる感情の中に『愛』はあり、歌や、踊りを通じて、それらは空間にリリースされる。歌うと、わかる。踊ると、わかる。私たちは、ただ、愛したいだけなのだということが、わかる。傷つきたくないとか、嫌われたくないとか、そういう思いは二の次で、一番純粋な部分では「ただ、愛したい」「愛したいものを、愛したいように、愛したい」と思っていることが、わかる。それがうまく伝わることもあれば、全然うまく伝わらないこともある。ただ、絶対に残るものがある。それは「自分は、愛した」という手応えだ。手応えだけは、確実に残る。それは、傷という形で残るかもしれない。涙という形で残るかもしれない。恥ずかしさという形で残るかもしれない。みっともなさという形で残るかもしれない。それでも、なにもしないことよりは、ずっと、いい。誰かを愛して傷つくことは、誰一人愛さないことより、ずっといい。

時は流れる。人間は変わる。すべての瞬間に終わりがある。永遠にはそれを見ていることができないからこそ、『今』という瞬間は輝く。すべての美しいものは哀しみを内包している。それは「永遠にはそれを見ていることができない」という哀しみだ。だからこそ、変わり続けるあなたのことを、変わらずに見ていたいと思う。永遠に打ち負かされないために、いまを、しっかりと生きたいと思う。愛することを許された時、私たちは自由になる。愛に制限はない。自分に制限をかけているのは、ただ、自分だけだということ。傷つかないために、嫌われないために深く愛することを避ける日々は、終わりにしたい。愛さないことより、思い切り愛して傷つく方が、ずっといい。

「ロッキンチェア」 作詞・作曲 Keigo Sakatsume

ロッキンチェアが揺れてる 窓辺から光が差す
風に揺れている洗濯物と 乾かない ぼくの涙

一緒にいるのにね また 会いたい
一緒にいるのにね もう 会いたい

鳥たちが仲間を求め 空高く飛び交う時
取り残された季節の中で 鮮やかな痛みが舞う

一緒にいたのにね まだ 会えない
一緒にいたのにね もう 会えない

変わり続ける君のこと 変わらずに見ていたいよ
夜空の果てに 日々のすき間に 蘇る 君の香り

一緒にいるのにね また 会いたい
一緒にいるのにね もう 会いたい

一緒にいるからね 一緒にいるからね

愛することは、賭けること。

連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com

Don't Rest in Peace, Just Rock'n Roll.

🌸🌸🌸イベント情報🌸🌸🌸

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2019年12月1日結成したスリーピースバンド『THE PRESENTS』。ギター&ボーカル坂爪圭吾、ベース保科亮太、ドラム樋田隆佑。“PRESENT”という言葉には「贈り物」という意味のほかに「存在」という意味もある。演奏として、ただ見せるだけの作品を差し出すのではなく、全人間としての生々しい姿を、音や振動、熱、表情など、あらゆる要素を持って表現をしている。

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Guitar.Vo / Keigo Sakatsume

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Bass.Vo / Ryota Hoshina

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Drums.Pf / Ryusuke Toita

2月2日(日)第二回茶会『Myself』@横浜市港北区「Rest Inn Peace」

https://www.facebook.com/events/846838379092703/

2月9日(日)THE PRESENTS@名古屋「Salon jardine Art Gallery」

https://www.facebook.com/events/990056181367075/

2月14日(金)THE PRESENTS@大阪市西区南堀江「5th-Street」

https://www.facebook.com/events/547363032512456/

2月17日(月)20時頃 THE PRESENTS@東京都吉祥寺「曼荼羅」

詳細は決まり次第更新します。

2月28日(金)13時頃 坂爪圭吾 音楽×トーク@東京都西荻窪「hana」

詳細は決まり次第更新します。

各種イベント出演など、気軽に声をかけてください。

バッチ来い人類!うおおおおお〜!