月の光に照らされて歌う・・・妖精とあそぼ
あるところに、月の光で花の色が変わる不思議な花が咲く森がありました。
その花は、昼間は黄色く静かに咲いているけれど
夜になって月明かりに照らされると、さまざまな色に変化します。
そしてその森には妖精のアリッサが住んでいました。
その花の不思議な姿に魅了され毎日のように
花を見に来ていましたが、だんだん色が薄くなってしまいました。
ある夜、アリッサが花の下で眠り込んでいたら
夢の中で、花から声をかけられました。
「わたしは、月の光の魔法で、色を変えることができるのです。
昼間は、誰にも気づかれずに咲いています。
でも、夜になって月明かりに照らされると色を変えられたのですが
最近になって色が変わらなくなってきました。
誰かが美しい歌声を聴かせてくれれば、もしかしたら・・・・」
アリッサは、花の声に驚きながらも夢の中で考えました。
「わたしが歌えば月明かりに照らされて色を変えられのるかしら」
目を覚ますと、さっそくアリッサは山にこだまのように響く
美しい声で歌い始めました。
そしてふと振り返ると、花は色を変えアリッサに言ったのでした。
「ありがとう。あなたの歌と月の光で
また色を変える事ができるようになりました」
それから、アリッサは夜になって月が出ると
毎日のように花の下で歌を歌うようになりました。
その歌声はどんどん美しくなりました。
そしてある日、夜になると美しい歌声が響くという
噂を聞きつけた、山の向こうにある国の皇子が
夜の山道をやってきました。
この続きは、また次の機会にしましょう。
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