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森の守り神・・・心象風景のエチュード

森には守り神がいると思っている。
いわゆる日本の神仏の神もいるだろうけれど
普段は木の中にいて我々を見守ってくれる。
歩いて守り神のいる木を通り過ぎると
たまに後ろから、そっと姿を表して
見守ってくれる時もあるだろう。
山を荒らす人には、しっかりと気配を出して
その人の心に喝をいれるかもしれない。

実際に感じた体験なのだけれど
近くの里山をゆっくりと走っていた時に
背中を誰かに押された感じがして、たたらを踏んでしまって。
一度止まって振り返っても誰もいない。
ふと足元を見ると自然に発芽した木の実が落ちていて
さっきそのまま走っていたら踏んでしまっていただろう。
その道はそうそう人が入る場所ではなかったのだけれど
その発芽した木の実を脇の地面に少しだけ埋めた。
どこからか「ありがとう」と声がしたような気がした。

たぶん、押されたような気がしたのは
大きめの石でも踏んで足元が乱れたのだろうと思うし
「ありがとう」と聞こえたのも
走りながらいつもの想像癖を全開にしていたからだろうと思うが
反面、山の命を感じずに走っていた頃だから
本当に山の守り神が「気をつけなさい」と言ってくれたのかもしれない。

今ではそう思っている。


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