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【映画のパンフ 全部見せ】 No.2『サウンド・オブ・ミュージック(1965)』

このパンフをレジに持って行くとブックオフ店員がざわついた。値札シールが100円(110円でなく)であったのと、「はたしてこの価格で売っていいのか?」の店員4名の会議が行われ、しばらくして無事に税込100円で買うことができた。
今作の公開は1965年であるが、このパンフは1980年印刷のものなのでリバイバル公開した時のパンフと思われます。にしても40年以上前のものなのでかなり保存状態がよかった。

『サウンド・オブ・ミュージック』パンフの表紙

どんな映画というのを、パンフの解説のページから。

かいせつ
 1965年春,映画「サウンド・オブ・ミュージック」はニューヨーク,リボリ劇場で封切られた。それから今日まで,世界各地でロング・ラン,アンコール上映, リバイバルが繰り返されている。この地球上で,「ド・ レ・ミの歌」「エーデルワイス」等このミュージカル映画のナンバーが歌われない日は一日たりともなかったろう。この作品がアメリカ本国で「風と共に去りぬ」 と並ぶ不朽の名作とうたわれるのも無理はない。「サウンド・オブ・ミュージック」ほど多くの人々から愛され,支持された映画は存在しないのだから。

『サウンド・オブ・ミュージック』パンフより

たぶん、私が生まれてから最初に観た映画の3本に入るのが『サウンド・オブ・ミュージック』(『がんばれ!ベアーズ』かどっちが先か)です。この作品ではじめてナチス・ドイツという存在を見た作品でもありました(当時は全然何だかわからなかったですけど)。

『サウンド・オブ・ミュージック』パンフ

愛と勇気を持ち,歌を友として第2次大戦下のオーストリアでナチスの圧政に抵抗した"トラップ・ファミリー"。57年にはドイツで,この実在の一家をモデルに「菩提樹」が作られ日本でも大ヒットしている。それから数年後,"トラップ・ファミリー"の物語はプロードウェイの舞台でミュージカルとして甦り,そして トッドA・O・70ミリの大画面にスケール・アップしたのがこの映画である。
 ミュージカル・ナンバーの作詞,作曲はオスカー・ハマースタイン二世とリチャード・ロジャース。「オクラホマ!」「南太平洋」「王様と私」「回転木馬」等の傑 作を生んだ名コンビである。二人のうち,ハマースタインは60年,この映画ができる5年前にこの世を去り, 映画のためのオリジナル曲,2曲はロジャース一人の手に依っている。ロジャースはその後も「ノー・ストリング」を作曲するなど活躍したが,79年天に召されてしまった。

『サウンド・オブ・ミュージック』パンフより

今あらためて見ても本当によくできた映画と思って、キャラクターがそれぞれ強いのでわかりやすいし、セリフも無駄がなくわかりやすかったです。自然の風景あり、楽しい歌あり、かわいい子どもたちあり、身分の違う男女の恋愛ありです。なのでミュージカル&コメディ&恋愛&サスペンス映画で、美味しいもの全部のせみたいな作品ですね。

『サウンド・オブ・ミュージック』パンフ

 製作・監督は「ウエスト・サイド物語」でミュージカルを映画のものにした巨匠ロバート・ワイズ。70ミリの大画面を十分に生かし,豪華なセットとふんだんな屋外ロケにより再び舞台を凌駕するミュージカルを作り上げ,「ウエスト・サイド物語」に続き,アカデミー作品,監督賞をものにしている。
 主役のマリアを演ずるのはジュリー・アンドリュース。もともとは舞台人だが,デビュー作「メリー・ポピンズ」でアカデミー主演女優賞を獲得。又,トラップ・ファミリーの子供たちはオーディションで選ばれ, ある者は映画界に残り,ある者は去っていった。
 ちなみに実在のトラップ・ファミリーは,オーストリアからアメリカに渡航。バーモント州の山村で口ッジを営んでいる。
(上映時間2時間50分/70ミリ,デラックス・カラー/1965年度作品)

『サウンド・オブ・ミュージック』パンフより

今作の吹替版にはいくつかあって、テレビの洋画劇場なんかで放送されたのは“会話は日本語吹き替え+唄はオリジナル英語版”でありました。50周年記念吹替版では新たに“会話は日本語吹き替え+唄も日本語吹き替え版”も作られて、平原綾香さんが歌ったりしています。
また、声の出演にミュージカル女優の島田歌穂や歌手の布施明、華原朋美などの著名人を起用したものもあるようです。

上映時間2時間50分は長いではありますが、真ん中あたりに途中休憩があるので少し休んでから分けて観たらよいかもしれない。

今作にはナチス・ドイツが出てくる(家族を追っかけてくる黒い軍服の人たち)のですが、彼らが何者かを知らなくても見るからに悪い雰囲気がしているので、事前に説明がなくても「この人たちに捕まったらきっと家族全員生きては戻れないんだろうな」と思うことでしょう。
私はその後アウシュヴィッツの強制収容所を見に行くまでに興味持ったりして、映画を見たことで自分でも知らないうちに作品から影響を受けていたのかもしれないのでした。

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