The Cure:Album06(ザ・トップ:The Top)& Concert: The Cure Live , The Cure Live In Japan
▼アルバムリリース前夜
この時期のロバート・スミスさんは、キュアーだけでなくスージー・アンド・ザ・バンシーズのギタリスト(『ハイエナ:Hyæna』1984年発売)の2つのバンドを掛け持ちしています。
それでも足りなかったのか、1983年にスージー・アンド・ザ・バンシーズのメンバーの一人とThe Gloveというグループを作り、『ブルー・サンシャイン:Blue Sunshine』というアルバムをリリースしています。
このアルバムの中の『Relax』 という(面白い)曲を少し聞いて、当時の様子を感じてみましょう。(Relax: https://www.dailymotion.com/video/xk0lre )
いい意味でもわるい意味でもなんだか調子に乗っていて、完全に出来上がっているような感じがします。
そして翌年、1984年に5枚目(前回のはコンピレーションアルバムだったので)のスタジオアルバム『ザ・トップ:The Top』がリリースされます。
●キャタピラー: The Caterpillar
まずはこのアルバム唯一のシングル曲の『キャタピラー』です。
完全にシングル三部作の流れで作られたポップ&キュート方向の曲で、当時どんどん増えていたMTV番組で、このPVがバシバシ何度も流れるのです。そして、怒涛のようにファンが増えていくのでした。
「ブレイクとはバカに見つかること」というのは名言だと思う(私はバカ以前で、まだキュアーを知らない時期)。全然キュアーやロバート・スミスを知らなかった、彼らの曲を聞こうと思ってなかった人が、その存在をはじめて知って「あら、お出かけついでにこのアルバム買ってみようかしら」とかなっていったのではないだろうか(想像です)。
スタジオアルバムに続けて、同年に初のライブアルバムをリリース。
そして初の日本来日で中野サンプラザでライブを行った(翌年『The Cure – Live In Japan』としてビデオで発売)のでした。
レコード会社的にも「祭りだ祭りだ、売れる時に売れるだけ売るのだ」であっただろう(想像です)。
●シェイク・ドッグ・シェイク:Shake Dog Shake
暗闇の中で目覚める、口の中に怒りの後味が残っている
壁に吐き出して、さらに咳をする
カミソリの刃で肌を削る
『The Cure in Orange』のライブバージョンです。
ライブの幕開けに歌われることが多い曲で、病気でガタガタ振るえる犬の歌。
病気の犬のように呼吸した、私たちは処女のベッドで一晩中眠った
死のような呼吸をした、病気の犬の夢を見た
●ピギー・イン・ザ・ミラー:Piggy in the Mirror
なにか物語を感じるような曲が並ぶこのアルバムは聴きやすいが、私なんかは「大衆化して質が落ちてしまった」ような気持ちがある。あとほとんどの楽器をロバート・スミスが演奏しているせいか、「ロバート・スミスのソロアルバム」なまとまり過ぎな感じがしてしまう(私はこのアルバムのライブ曲はよく聞くが、このスタジオアルバムはあまり聴かない)。
”発売後、イギリスのマスコミの反応はほぼ肯定的であった” のですが、以下のようなレビューもありました。
今回は詰め込みすぎてますね。
中野サンプラザ(1984年10月17日)でライブを行った『The Cure – Live In Japan』は日本でのみビデオ発売されました。
以下、キュアーの名曲である、アルバム2枚目に入っている『A Forest 』の演奏が見れます。
もっと探したら、すべて見れるとこがありました。
https://www.facebook.com/TheCure4Ever/videos/the-cure-live-in-japan-1984/748351539226535/
「なんかあれよねえ、キュアー変わっちゃったわねえ」と遠目でけだるくタバコをふかす長い髪のお姉さん。
やはり今までのファンからしたら今回のアルバムに戸惑いもあったのか、アメリカのチャートでは前作(ポルノグラフィーは130位)より下の180位で、かなりディープなファンが居ると思われるニュージーランドでは 前作(ポルノグラフィーは9位)よりかなり下がって23位。
注目すべきはフランスのチャートです。たぶんこの時期のライブで火がついたのか、フランスのチャートでは今までの80位くらいからいきなり18位にジャンプアップ。意外にもフランスではこのアルバムからキュアーは知られて、ここからは「イギリスの人よりもフランスの人の方がキュアー好きなんじゃないか」ってくらい人気になっていきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?