見出し画像

まな板の上のRobert Smith

好きなので聴くという音楽もあるが、自分に近い感じがして聴くという音楽が少数ある。それは3つなので書いてしまうと、Joy Division(ジョイ・ディヴィジョン)とThe Cure(ザ・キュアー)とNine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)だ。

この好きになるとなんでも聴く。アルバムは当然のこと、シングルも聴くし海賊版(ブートレグ)も探してきて聴く。普通な趣味的な感じじゃなく、おかしなくらい突き詰めてしまったりする。

The Cureでは曲もギターも唄も歌詞もみんなRobert Smithなので、ほとんどRobert Smithの色に染まる。なので特別ボーカルにまで目がいかなかった。
「いい雰囲気の曲だなあ」とか「ここのギターはベースに繊細に絡み合っているなあ」とか「ここのキーボードが全体に包み込むようだなあ」とかボーカルは当然あるものとしての認識だった。間違いなく毎回曲の歌詞やイメージにバッチリ合ったボーカルであったからこそ、特別気にならなかったのだ。

Robert Smith(ロバート・スミス)はThe Cureのボーカルなので、ずっとバンドとしての楽曲は針が擦り切れるほど(もう針はないが)聴いてはきたが、他のミュージシャンに呼ばれて参加した楽曲がかなりある。フィーチャリングといわれるやつだ。

Spotifyという音楽聞き放題に入っているが、ここでは好きな曲を簡単にプレイリストにまとめることができる。そこでRobert Smithの参加楽曲を集めてみたのが『feat. Robert Smith』なのでした。
(Spotifyはプレミアムコースが3ヶ月は無料、その後は月額980円)

Robert Smithの声は魅力的である。
子猫のようなかわいい声で人気が出たのかもしれないが、子猫が追い詰められて威嚇するような声や、盛りのついたメス猫の唸り声、月夜に広がるクリアーな鳴き声もあれば、怒りに満ちた歪んだ叫び声もある。
それも楽曲に合わせて出し方を変えて、しかも歌詞が聞き取れるというミラクル。
そういうことを今回再発見したのでした。

The Cureでのフジロック参加で、Robert Smithは「来年の新譜で、また日本に来るからね」とか笑って言っていたのに、その後新譜は出ないまま、もう何年経ったことか。
「なにがなんでもライブを見るまでシぬわけにはいかん」で生きてきた私であるが(フジロック観に行きました)、今は「新譜を聴くまでは絶対シねない」ので元気に生きのびています。
どうやら今年こそは新譜出るみたいですが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?