【パウパー】“バーン”見聞録
どうも、はじめましての人ははじめまして。そうでない人はこんにちは。けいがと言います。主にMagic Onlineでパウパーを遊んでいます。
今回は、『機械兵団の進軍』(MOM)のリリース以降、パウパーのメタゲームの中心となっている“バーン”デッキについて、現在進行系で見たり聞いたり考えたりしていることを書き残しておきたいと思います。
夜明け前
MOM前のパウパーの赤単といえば、“赤単カルドーサ”が主流でした。
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》と《カルドーサの再誕/Kuldotha Rebirth》という受けにくい二段構えの攻めを武器に、パウパー界を席巻していました。
このデッキを支えていたのが《実験統合機/Experimental Synthesizer》と《無謀なる衝動/Reckless Impulse》の2種のアドバンテージ源であり、赤単らしからぬ継戦能力をもたらしていました。
そんな《無謀なる衝動/Reckless Impulse》の同型再版である《レンの決意/Wrenn's Resolve》が『機械兵団の進軍』のプレビューで公開され、「これ、大丈夫か?」となったところから話が始まります。
変わらぬ味
これはMOMリリースから少し経った、5月頭ごろのバーンのリストです。《無謀なる衝動/Reckless Impulse》と《レンの決意/Wrenn's Resolve》が両方採用されているのは見たとおりですね。やはりこれらが8枚採用できるようになったのは非常に強力でした。
このリストのメインデッキが完成されすぎていて、なんと約1ヵ月後の5月下旬に、MOのパウパーチャレンジにまったく同じリストが入賞しています。その後も、数枚だけ調整されたリストが入賞しています。シンプルなデッキとはいえ、勝つデッキリストがずっと変わらないというのも珍しいですよね。MOM期のメタゲームは、このリストに勝てることが前提条件だったと言っても過言ではありません。
分解
今のバーンは、3つのパーツに分解することができます。
火力
継続ダメージをもたらすクリーチャー
アドバンテージ源
「火力」は説明するまでもないと思われるかもしれませんが、このデッキは《稲妻/Lightning Bolt》や《稲妻の連鎖/Chain Lightning》といった超効率の火力以外に、《溶岩の投げ矢/Lava Dart》や《祭典壊し/End the Festivities》といったカードを採用しているのが特徴ですね。逆に、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》や《批判家刺殺/Skewer the Critics》といった、ちょっと癖のある1マナ3点火力は採用されません。
「継続ダメージをもたらすクリーチャー」は《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》、《ケッシグの炎吹き/Kessig Flamebreather》、《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》の3種11枚で、いずれも呪文を火力に換える、このデッキのメインエンジンとなるカードです。これらを活かすために、1枚で二度おいしい《溶岩の投げ矢/Lava Dart》が使われているんですね。
「アドバンテージ源」は《レンの決意/Wrenn's Resolve》、《無謀なる衝動/Reckless Impulse》、《実験統合機/Experimental Synthesizer》の3種12枚です。何度も書いてますが、これらのカードが、赤単らしからぬ継戦能力の根源です。「継続ダメージをもたらすクリーチャー」を戦場に残せれば、これらの呪文を連打しているだけで相手のライフが削れていきます。
このデッキはバーンデッキなのに、初手に火力呪文がほとんどなくてもキープすることが多いです。逆に火力しかない初手は、ダメージの伸びが悪いのでほぼマリガンです。「継続ダメージをもたらすクリーチャー」と「アドバンテージ源」がキープ基準ということがポイントですね。
アドバンテージを得るために
ここまで「アドバンテージ源」と書いてきましたが、採用されているのはいずれも赤らしい“衝動的ドロー”です。そのため、使うタイミングが普通のドロー呪文よりも難しいです。
プレイする前に土地を置かない、マナが残ってないのに《実験統合機/Experimental Synthesizer》を使わない、などの基本的なことはもとより、「今何がめくれたら損をするか?」を考えながらプレイするのが大事ですね。呪文をプレイできないと、デッキの強みも半減です。
《裂け目の稲妻/Rift Bolt》や《批判家刺殺/Skewer the Critics》が採用されない理由もここにあります。追放領域から“待機”はできませんし、“絢爛”も達成できるかどうかは運任せになってしまいます。
なぜ強い?
バーンは、1・2ターン目から対戦相手にかかる圧が、どのデッキよりも強いデッキです。「継続ダメージをもたらすクリーチャー」はいずれもマスト除去なクリーチャーで、除去しそこねるとほぼ負けです。「クリーチャー除去はないけれど、ある程度自分の動きができるからキープ!」したところに《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》が走ってきたら、その瞬間試合終了です。
Dmitriy Butakovの言葉を借りれば、
ということです。
また、アドバンテージ源が多いため、多少マリガンしても展開によっては取り返すことができます。そして、ライフを直接詰めるデッキのため、相手がマリガンしたときに勝ちやすいデッキでもあります。自分のマリガンに強く、相手がマリガンしたときに強い、良いデッキの要素をもっています。
相手目線からすると、マストカウンターが非常に多く、青いデッキが採用している《青霊破/Blue Elemental Blast》だけでは捌ききれないことが多いです。従来のバーンといえばフェアリーに弱いのが通説でしたが、このデッキには当てはまりませんね。
表裏一体
デッキの短所は長所の裏返しです。このデッキの場合、従来のバーンよりも直接火力を減らし、「継続ダメージをもたらすクリーチャー」に頼っているため、ここを叩かれると機能不全となります。
ディミーア・テラーは特に苦手で、メインでも《殺し/Snuff Out》を割り切って使われると厳しく、サイド後はここが《青霊破/Blue Elemental Blast》となってしまうので余計に辛いです。《予想外の牙/Unexpected Fangs》という必殺呪文もあります。
また、アドバンテージをダメージに変換するにはやや時間がかかり、従来のバーンよりもゲームスピードが遅いため、スピードで上回られる呪禁オーラが苦手です。《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》という天敵もありますしね。
バーンを使う上では、こういったマッチをある程度は割り切らないとやっていけないですね。別に毎回不利マッチになるわけでもないので、多少当たりが偏って負けが続いても、切り替えて次に挑むのが重要かなとも思っています。
おわりに
という訳で、バーンについての備忘録でした。今現在でもデッキに対する習熟度を上げている最中なので、「そこは違うと思うな〜」と感じる人もいるかもしれません。ぜひ他の人の話を聞いてみたいです。
また、MOでの『指輪物語:中つ国の伝承』のリリースも目の前に迫っています。果たして、新たな環境でもこのデッキは輝きを放てるでしょうか? それとも、《間に合わせの棍棒/Improvised Club》を手に入れた赤単カルドーサが勢力図を塗り替えるでしょうか? 注目です。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。質問等ありましたらコメントかTwitterでのリプライでお願いします。
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