パウパーの“白単英雄的”を語ろうか
どうも、はじめましての人ははじめまして。そうでない人はこんにちは。けいがと言います。主にMagic Onlineでパウパーを遊んでいます。
今回は、1月下旬からリーグで約300マッチほど回した“白単英雄的”についてのデッキガイドを書いていきたいと思います。
なお、有料記事となっていますが、有料部分はおまけ程度です。デッキガイド自体は無料となっています。
白単英雄的とは
・“英雄的”をフィーチャーしたオールイン系のアグロデッキ
・白単色なので色事故を起こさず、安定した動きが見込める
・アグロデッキ同士のマッチアップに強い
・白いデッキの宿命として青いデッキに弱い
・有利不利が極端に出やすい
・デッキ総額約10チケットと安い(まさにパウパー!)
立ち位置としては、環境最強デッキのウルザトロンにこそ弱いものの、そのウルザトロンを狩ろうとしているデッキ(親和、バーンなど)に強いデッキとなっています。逆に、不利なボロス系のデッキはウルザトロンに駆逐されているというメタゲーム上の読み(という名の願望)で使うことになります。苦手なデッキが全体の30パーセント程度いても、残りの70パーセントに有利またはいい勝負なら使う価値はあるという判断ですね。リーグを回すのには向いていると思いますが、逆にトーナメントだとウルザトロンとボロスを踏んであっさり0-2、みたいなことにもなりかねないので、パウパーチャレンジなどで使うのはオススメしません。この辺はTier3デッキの宿命ですね。また、テーブルトップのパウパーはメタゲームというものがそもそも成立しないため、使うかどうかは完全に好みになります。
基本的には《ラゴンナ団の先駆者/Lagonna-Band Trailblazer》や《アクロスの兵長/Akroan Sergeant》といった英雄的クリーチャーにオーラをベタベタ貼って、相手の除去を《無傷の発現/Emerge Unscathed》や《ケイラメトラの恩恵/Karametra's Blessing》で弾くだけのシンプルなデッキです。この後の各カードの役割とセオリーでも「カードの効果読み上げてるだけやんけ」となる箇所がいくつかありますが、ご容赦ください。
各カードの役割とセオリー
今回は、自分が5-0したときのリストを解説したいと思います。
・《道の探求者/Seeker of the Way》
基本的には9枚目以降の英雄的クリーチャーですが、バーン相手などは英雄的クリーチャーよりも大事に扱いましょう。また、《変異原性の成長/Mutagenic Growth》で4点火力を耐えられるのは覚えておきましょう。毎回足し算をして時間を使うのはもったいないですからね。
・《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
メインボードに採用しうる追加の白の1マナのクリーチャーで最もマシな選択肢。有効なマッチとそうでないマッチが非常に分かれるカードですね。エルフ相手などはこれにオーラを貼って相手のクリーチャーを刈り取っていくのが勝ちパターンです。また、隣のクリーチャーの攻撃を通すのにも使えますが、その役割だけだとあまり強くないため、クリーチャーサイズの大きいクリーチャーデッキ相手もサイドアウト候補です。
・《歩哨の目/Sentinel's Eyes》
『テーロス還魂記』からの新戦力その1。警戒のおかげでストンピィや親和相手の殴り合いに非常に強くなりました。
・《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》
除去の強いデッキ相手には、デッキ最強オーラである《天上の鎧/Ethereal Armor》よりも優先的に貼りましょう。
・《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》
1/1トークンは決しておまけではありません。ウルザトロン戦などは重要な打点であることを忘れないでください。布告避けにもなります。ただ、それらの要素に引っかからないマッチアップも多いので、よくサイドアウトされます。
・《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
構える必要のないマッチアップやタイミングでは、積極的にバンバン使ってダメージを稼ぎましょう。逆に赤い相手には《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard》への3点火力などに対する緑の《意志の力/Force of Will》となることが多いです。
・《ケイラメトラの恩恵/Karametra's Blessing》
『テーロス還魂記』からの新戦力その2。除去を弾き、最後のひと押しにも使える有能カード。
これと《無傷の発現/Emerge Unscathed》の存在により、「オーラを使わせてから除去ってシャクったろ!」とするとたいてい失敗します。白単英雄的相手の除去はマナが寝ているときに撃つのが鉄則です。
・《チョー=マノの祝福/Cho-Manno's Blessing》
『テーロス還魂記』の2枚が入る前は4枚確定のカードでしたが、以降は枚数が減っています。とはいえプロテクションスペルが4枚ではやはり少ないなと感じるのでスペースをつくって2枚採用しました。
相手の《軍旗の旗手/Standard Bearer》に貼って白色を指定すると、自分の《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard》にオーラを貼って殴りにいけるようになることは覚えておきましょう。
・《軍旗の旗手/Standard Bearer》
除去を吸い、強化スペルを吸う、万能サイドカードです。引くだけでゲームが決まるマッチアップもあるため、できるだけ枚数をとりたいです。
・《聖なる猫/Sacred Cat》
赤単(絆魂)と黒系コントロール(布告避け)専用のサイドボード。元はメインデッキに入っていましたが、あまりのサイドアウト率の高さにサイドボードに降格となりました。
キープorマリガン
メインボードのキープ基準としては、
・クリーチャーとそれを出すための土地が揃っていること。
・それを強化して相手を遅くとも5ターン目までに倒せそうであること。
この2点です。これさえ満たせれば良いので、《ラゴンナ団の先駆者/Lagonna-Band Trailblazer》と強化オーラが揃っていれば土地1枚の手札でもキープすることがあります。また、《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》と、《天上の鎧/Ethereal Armor》含むオーラ2枚以上の手札もキープです(この場合は土地は2枚欲しいですね)。逆に、クリーチャーだけや強化オーラだけの手札はマリガンです。土地を切り詰めていることもあり、マリガン率は高いです。ですが、アドバンテージを無視して勝つことがほとんどなので、勝ち目が見えない初手は積極的にマリガンすべきです。
有利不利とサイドボーディング
それぞれ、有利だと思う順、不利だと思う順に並んでいます。
■有利
ストンピィ
青赤氷雪フェアリー
親和
バーン
エルフ
■互角
呪禁オーラ
■不利
青単デルバー
ボロスラリー
ボロス統治者
ウルザトロン
青黒アンコウデルバー
・ストンピィ
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
4《ケイラメトラの恩恵/Karametra's Blessing》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2《絆魂/Lifelink》
ライフレースをして最後《無傷の発現/Emerge Unscathed》でアタックを通すイメージです。サイド後の《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage》だけはケアのしようがないので割り切りましょう。
・青赤氷雪フェアリー
Out
4《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》
1《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
In
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2《はらわた撃ち/Gut Shot》
除去を火力に頼っており、タフネスの上がったクリーチャーへの対処手段が限られるため、青いデッキながら有利です。フェアリー側はソーサリーのキャントリップやタップインランドでテンポを損しやすいので、そこを突いて0マナと1マナ、1マナと2マナの交換を繰り返すことを心がけましょう。サイド後はバウンスに注意が必要です。
・親和
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
2《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》
2《チョー=マノの祝福/Cho-Manno's Blessing》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2《絆魂/Lifelink》
《エイトグ/Atog》の強襲にだけ注意しましょう。《軍旗の旗手/Standard Bearer》は《投げ飛ばし/Fling》と《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》の両方に有効です。サイドボードに《平穏/Tranquility》や《心に静寂/Serene Heart》、《痕跡消し/Leave No Trace》などがある場合がありますが、あまりケアしても仕方がないところではあります。
・バーン
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
3《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
2《絆魂/Lifelink》
2《聖なる猫/Sacred Cat》
《聖なる猫/Sacred Cat》が最も活躍するマッチアップです。
・エルフ
Out
4《ケイラメトラの恩恵/Karametra's Blessing》
4《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2《はらわた撃ち/Gut Shot》
《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》が最も輝くマッチです。サイド後は《軍旗の旗手/Standard Bearer》で《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》を封じて《幸運を祈る者/Wellwisher》をピンポイントで除去すればだいたい勝ちです。
・呪禁オーラ
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
4《ケイラメトラの恩恵/Karametra's Blessing》
2《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2《断片化/Fragmentize》
2《絆魂/Lifelink》
《未達への旅/Journey to Nowhere》は《軍旗の旗手/Standard Bearer》対策です。上手い人だと《軍旗の旗手/Standard Bearer》も育ててくるので、《はらわた撃ち/Gut Shot》では対処できません。
・青単デルバー
Out
4《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》
1《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
In
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2《はらわた撃ち/Gut Shot》
カウンターにバックアップされたバウンスをどう頑張ってもケアできないため不利です。《チョー=マノの祝福/Cho-Manno's Blessing》が通ることを祈りましょう。《変異原性の成長/Mutagenic Growth》は貴重なインスタントタイミングの動きなので残したほうがいいと思います。
・ボロス統治者、ボロスラリー
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
1《二度裂き/Double Cleave》
白いクリーチャーを並べられると突破できず、《未達への旅/Journey to Nowhere》や《虹色の断片/Prismatic Strands》があるため不利です。運良く《二度裂き/Double Cleave》が入るなど、ブン回りを祈りましょう。
・ウルザトロン
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
2《チョー=マノの祝福/Cho-Manno's Blessing》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
2《断片化/Fragmentize》
1《二度裂き/Double Cleave》
《石角の高官/Stonehorn Dignitary》や《一瞬の平和/Moment's Peace》を突破できないため不利です。ボロス相手と同じく、ブン回りを祈りましょう。《亡霊招き/Beckon Apparition》などの墓地対策はあまり意味なく感じました。
・青黒アンコウデルバー
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
2《歩哨の目/Sentinel's Eyes》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
《殺し/Snuff Out》をどうやってもケアできないため不利です。《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》が通ることを祈りましょう。
・白単英雄的
Out
4《熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite》
4《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
2《ハイエナの陰影/Hyena Umbra》
In
3《未達への旅/Journey to Nowhere》
3《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2《断片化/Fragmentize》
2《絆魂/Lifelink》
基本は《天上の鎧/Ethereal Armor》ゲーです。
おわりに
パウパーにのめり込んで以来、こんなにひとつのデッキを集中して回すことはありませんでした。白単英雄的はシンプルながらやり込み要素のあるデッキで、回すのがとても楽しかったですし、特にサイドボーディングなど、まだまだ練り込み要素がありそうです。この記事が、そういった探求の一助になれば幸いです。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。質問等ありましたらコメントかTwitterでのリプライでお願いします。
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おまけ:各マッチアップにおける勝率
最後に、285マッチの結果を各マッチアップごとに集計した勝率を置いておきます。先手後手別、メインサイド後別のデータとなっています。
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