パウパーの“サイクリングストーム”解体新書
どうも、はじめましての人ははじめまして。そうでない人はこんにちは。けいがと言います。主にMagic Onlineでパウパーを遊んでいます。
今回は、『イコリア:巨獣の棲処』発売後から話題になっているデッキ、“サイクリングストーム”について、簡単な紹介をしたいと思います。
ことの始まり
最初にこのデッキの存在を知ったのは、CalebGannonMTGさんの動画でした。
おもしろそうだったので試しに自分でも組んでみると、あっさり3ターンキルが決まってしまいました。
動画が上がってからパウパーリーグで見かけるようになるなど、話題となっていたようです。
デッキの基本的な動き
以下は動画で紹介されていたメインデッキです。
まずはクリーチャーをサイクリングして墓地を肥やします。28枚投入されたクリーチャー、すべてが1マナ以下でサイクリングできます。これらをサイクリングして、手札にマナ加速呪文と《墓の刈り取り/Reaping the Graves》を集めます。《彩色の星/Chromatic Star》と《彩色の宝球/Chromatic Sphere》も準備段階ではドローを進めるのに役立ちますね。
《忌むべき者の歌/Songs of the Damned》は以前からパウパーの墓地コンボで使われていましたが、このデッキでも爆発的なマナ加速を果たします。
《暗黒の儀式/Dark Ritual》と《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》もマナ加速をしつつ、ストームを稼ぐのに役立ちます。《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》はこのデッキで使えばほぼ確実にスレッショルドしますね。
マナが十分出たら、《墓の刈り取り/Reaping the Graves》で墓地からサイクリングクリーチャーを一気に回収します。回収したクリーチャーを更にサイクリングして、《忌むべき者の歌/Songs of the Damned》を唱えて……と繰り返します。
最終的には、《彩色の星/Chromatic Star》などから赤マナを出し《ドラニスの刺突者/Drannith Stinger》をプレイ、サイクリングを続けて相手のライフを削りきります。
土地は8枚しか入っていませんが、1マナでサイクリングできるカードが大量に入っていますし、そもそも短期決戦を狙うコンボデッキなので、このくらいの枚数でいいかなと思います。ただ、やはり土地が無くてのマリガンが多い気もするので、できるなら9枚にしたいですね。
理論上は1ターンキルも可能なはずですが、4〜5ターン目にコンボを始動することが多いですね。見た目よりも結構早いです。ただ、チェインコンボとしてはやや不安定で、コンボ中のリソースはカツカツです。1回目の《忌むべき者の歌/Songs of the Damned》→《墓の刈り取り/Reaping the Graves》から2枚目の《忌むべき者の歌/Songs of the Damned》と《墓の刈り取り/Reaping the Graves》の両方を引き当てないといけないので、ある程度のお祈りが必要になります。そのため、仕掛けるタイミングが重要になります。相手のデッキを把握し、ギリギリまで引きつけてからスタートしたいですね。
サイドボードについて
このデッキの問題はサイドボードです。パウパーは《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を始めとした墓地対策が豊富な環境です。環境トップメタのウルザトロンが墓地をリソースとして使うデッキなので当たり前ですね。このデッキも墓地対策にとてつもなく弱く、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》1枚に完封されてしまいます。また、カウンターにも弱く、特に《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》で《忌むべき者の歌/Songs of the Damned》が完封されるのが辛いです。これらをどうにかできなければ、サイドボード後の戦いは悲惨な運命が待っているでしょう。どうにかするためには、戦いの“軸”を変える必要があると思います。
自分が今考えているのは以下のような感じです。
マナ加速から《遺棄地の恐怖/Horror of the Broken Lands》などを1ターン目に出し、《ケイヤ式幽体化/Kaya's Ghostform》でそれを守るというものです。どうせコンボが決まらないマッチアップは勝てないので、このくらいのキレたプランのほうが良いかと思います。と言いつつ、まだ全然試せていないんですけれどね。
おわりに
簡単ではありますが、サイクリングストームの紹介でした。現時点ではサイドボードに何かしらかのブレイクスルーがなければメタゲームに喰い込むのは難しそうですが、逆に言うとブレイクスルーさえあればメタゲームに喰い込めそうな爆発力があります。これからどのような進化をしていくのか、楽しみなデッキですね。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。質問等ありましたらコメントかTwitterでのリプライでお願いします。
2020/05/29 追記:サイクリングストームのその後
サイクリングストームが登場して約1ヵ月が経ちました。
記事を書いた直後にサイクリングストームのver.2の動画が上がり、緑ベースのタイプが登場しました。
その後のパウパーチャレンジでは赤ベースのタイプが結果を残しました。
デッキの基本的な動きとしてはどちらも最初の黒単型と変わりませんが、《魔力変/Manamorphose》を使えるため、ストームカウントを稼ぎやすくなっています。また、どちらもサイドボードに《赤霊破/Red Elemental Blast》を採用できるため、青いデッキ相手に戦いやすくなっています。一方、マナの使い方が少し難しくなっている点には注意が必要です。
いずれもパウパーチャレンジでまずまずの結果を残しましたが、その後は目立った活躍をできていません。やはり安定性の問題は厳しかったようです。一番安定性があるのは黒単型ですが、サイドボードが一番弱いのも黒単型ですからね。しかしながら、まだリーグなどで調整を続けている人もいるようです。デッキの性質上、サイクリングをもつクリーチャーが増えれば安定性が増す可能性もありますので、今後(といってもだいぶ先になりそうですが)の新カード追加に目が離せませんね。
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