河野総理、長期政権となるか

▪️背景:菅首相総理が辞任。背景として、コロナ対策の失敗と国民への説明力のなさだろう。その結果、ご承知の通り支持率が低迷した。次の総理になるのは誰だろうか。今回菅政権は1年間という短命に終わったが、これまでの政権は、小泉、安倍以外は皆短命政権だった。小泉・安倍の長期政権とそれ以外の短期政権とは何が違うのか

▪️以下2000年以降の政権の期間を振り返る。
- 森:2000/4月から2001/4月
- 小泉:2001/4月から2006/9月
- 安倍:2006/9月から2007/9月
- 福田:2007/9月から2008/9
- 麻生:2008/9から2009/9
- 鳩山:2009/9から2010/6
- 菅:2010/6から2011/9
- 野田:2011/9から2012/12
- 安倍:2012/12から2020/9
- 菅:2020/9から2021/9

▪️以上の中で大半は一年程度で終わっており、小泉と安倍だけが5年以上の長期政権となっている

▪️長期政権と短期政権何が違うのか
- 総理になったときの信念となる政策があるかどうかが小泉と安倍の共通点である。
- 小泉には郵政民営化というテーマ
- 安倍は一次政権では準備できていなかったが、第二次安倍内閣発足までの5年間で猛勉強し、憲法改正という信念のあるテーマを持っていた
- それ以外の政権は特に信念の政策がなく、前任者の失政によりただ引き継いだだけという状態だった。
- 今回の菅もそうだろう。安倍体調不良による突然の交代によって信念となる政策もなく、最初からただ安倍の政策を引き継ぐと宣言するだけの政権だった。

▪️今の時代に適するための要素は?コロナ、経済、安全保障、外交、環境。重要なのは、コロナ対策が経済を回す根幹。これが最優先。次に経済、その次が外交・安全保障、環境

▪️では次の総理は誰か。岸田、石破、河野などの候補がいるが、誰が信念たる政策を持っているか?
- 岸田:①コロナ:健康危機管理庁設置。②経済:財政再建をこれまで主張してきたが詳細は見えない。③安全保障:防衛大臣経験、④外交:外務大臣経験、⑤環境面の政策は不明。

- 石破:昨年総裁選に出た際の政策要旨では、①コロナ:専任組織を設置し休業要請を規定する特別措置法の改正。②経済:低所得者に子育て世代への支援、都市と地方の格差解消。地方創生。③安全保障:防衛大臣出身、④外交は不明、⑤環境も不明

- 河野:①コロナ:行政改革大臣としてコロナワクチンを推進してきた、②経済:規制緩和を主張してきたが、その他は不明。③安全保障:防衛大臣経験、④外交:外務大臣経験、⑤環境:大きな課題と認識している模様。

▪️これらの観点から評価すると、
- 石破は、防衛大臣出身ということもあり安全保障は問題なさそうだが、その他のスキルセットや信念たる政策は見えない。
- 岸田は、外務大臣、防衛大臣出身ということもあり、外交、安全保障は問題なさそうだが、そのほかは見えない。
- 河野は、外務大臣、防衛大臣、行政改革大臣で、外交、安全保障、そしてコロナについては推進できそう。また環境問題についても課題認識をしている。経済が他と同様見えないが、コロナ対策が経済を回すうえで前提となってくるはずなので、コロナ推進してきたことはやはり経済を回す上でも強みか。

▪️河野がもっとも経験豊富で一歩リードしているように感じるが、3人に共通する重要な課題は経済政策が見えない。また小泉や安倍のような信念たる政策が見えない。それが唯一にして根本的な課題だろう。だからと言って他に誰か候補がいるわけでもないため、河野しかいないのはやむを得ないのかもしれない。

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