"ゾーン状態"を生み出すAIを東大と共同研究。イヤホン型脳波計を世に出す【VIE STYLE】
・BrainMedia第11弾!
(脳科学のビジネス応用可能性をお届けするブレインテックメディア)
今回は、イヤホン型脳波計を開発・販売する"VIE STYLE"をご紹介します。脳波計を、医療ではなく音楽や生産性向上のために使う面白い企業です!
1. 革新的ヘッドフォンを世に出した元ドラマー社長
VIE STYLE株式会社は、元々脳科学の会社ではなく、ヘッドフォンの制作会社でした。 今村泰彦 社長は、元々ジャズドラマーであり、音楽業界でオンライン音楽配信の立ち上げ、ゲーム・エンターテイメント業界で新規事業開発の統括等を行っていた経験の持ち主です。
会社を立ち上げて最初に「耳が痛くならない」活気的なヘッドフォンを開発し、世界最大のクラウドファンディングプラットフォームである"Kickstarter"を含めて累計1.5億円の資金調達に成功しています。
そんなVIE STYLE株式会社は、現在、脳科学を活用して人々の生産性を高めるイヤホンを開発・販売しています。何故、脳波に注目するようになったのか、是非今後インタビューをしてこのBrainMediaでも紹介していきたいと思います。
2. 東京大学とニューロフィードバックAIを共同研究
現在VIE STYLE株式会社が力を入れているのが、イヤホン型脳波計「VIE ZONE」の開発です。このイヤホン型脳波計では、”ゾーン状態"を生み出すことを目的にしています。
「VIE ZONE」では、耳のセンサーから、脳波をはじめ様々な生体情報を高精度に取得できます。生体情報を独自開発のAIで解析することで、ストレスや感性、眠気・疲労など、主に“脳に関わる情報”を高精度で計測します。
このAIは、脳がどのような状態の時にどんな音楽を流せば、「ゾーンに入って集中力がますのか?」「リラックスして良い睡眠ができるのか」を学習し、ニューロフィードバックの仕組みによって脳をサポートしていきます。
そんなVIE STYLE株式会社は、2020年10月に東京大学とAIの共同研究を開始しており、生体情報から集中度・疲労度を解析し、生産性を支援するニューロフィードバックの精度と実用性をさらに高めようとしています。
また、それまで正しく高精度に脳波を測定するには、個々人の耳や頭蓋骨の形が違い難しいという課題がありましたが、VIE STYLEは個々人の耳にフィットするイヤホンを既に開発・販売しており、その技術が高精度の脳波測定に寄与しているようです。
3. ブレインテックによるウェルネスプラットフォーム開発
VIE STYLE株式会社は、Sun Asteriskとも業務提携契約を行っており、ブレインテックにより生体情報(脳波・心拍・呼吸等)を活用するウェルネスプラットフォームの開発を行っています。
Sun Asteriskは、デジタルクリエイティブスタジオとして、AIなど最先端デジタルテクノロジーのノウハウを持っており、生体情報(脳波・心拍・呼吸等)を活用する研究開発を行いながら、ウェルネス・プラットフォームの開発、ニューロテックサイエンティスト(プラットフォームのデータアナリスト)の育成を共同で進めるとしています。
【BrainTechによるウェルネスプラットフォーム】
音楽や映像コンテンツを視聴中のユーザーからヘッドホン・イヤホンにより生体情報を取得して、AI で解析。 解析結果からユーザーの深層心理をAI が推定。レコメンデーション機能等に反映することで、ユーザーに個別最適なコンテンツを提供し、ユーザーを心地よい状態に誘導サポートする機能を備えたプラットフォームです。
(引用:http://www.vie.style/sunpressrelease)
4. ニューロフィードバックによる市場可能性
VIE STYLE社は、脳科学の知見に基づいたAIによるニューロフィードバックを用いて、多様なマーケットを獲得していく計画を立てています。
先述した、ゾーンに入ることを助ける生産性向上ニーズに限らず、Youtube動画などのデジタルコンテンツを見ているユーザーが、どんな動画の時に良い反応をするのかといった嗜好性分析の市場までを見据えているようです。
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参考・引用:
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