:1年前の今: かけがえのない社風

1年前に、ある会社の研修に立ち会うことがあった。

企業における研修というと、「なんでこんなことをやるの」という声が沸き起こって後ろ向きにとらえるところがある。

また、逆に研修を多くやっている企業にありがちなのは、「またか」という冷めた雰囲気があるところがある。

しかし、この会社は、研修はほとんどやっていない。遠方から会場にくるので面倒かと思われる。しかも、研修らしい研修は初めてである。予想されるのは、斜に構えた意見がきかれるとか、研修についていけないで中途半端な参加をしている、という景色がみえるかと思った。

しかし、真摯な姿勢がある、無私の想いともいえる一生懸命さがある。最後に一人一人自分の目標を発表する機会があったが、ほぼ全員が、まじめで一生懸命であった。これはやらせたくてできるものではない。よくある教育が行き届いた会社で、職場に顔をだすと、社員がこぞって挨拶をしてくるところがある。自然体のところもあるが、ぎこちないところもある。この自然体でくったくがなく一生懸命というのは、貴重である。やりたくてできる雰囲気ではない。

この会社がなぜ、そのようなすなおであるか、と考えた。経営トップはときどき嫌味をゆくのできらわれているとの話も聞く。しかし、幹部連中がトップにたてついているし、許される許容力がある。がたがた、もめているようだが言いたいことがいえている、やりたいことがやれているのも事実である。経営者は、口にすることではなく、存在そのものの影響力が大きいのであろう。居心地のよさ、わくわく感、これがこの会社の風土なのである。




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