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【警察物語/600文字】人生大変

誰でも人生の分岐点となった出来事はあるかと思う。

『てめぇら全員ブッ殺してやる。』

人生を大きく左右しかねないにも関わらずその分岐点はあまりにも突然に僕達の前に現れる。

『武器を捨てろ。』

そりゃどのタイミングで分岐点がやって来るかが分かっていたら人生なんて苦労しないというのは分かるけども。

『撃てるもんなら撃ってみろ。その拳銃で俺を殺してみろよ。』

警察官にとって拳銃を使うという事は良くも悪くも今後の警察人生に大きなな影響を与える。

『いいから武器を捨てろ。捨てなきゃ撃つぞ。コレは警告だ。』

警察官を拝命してからもう何年も経つけども拳銃を使用した人に今まで会った事はないしここ数十年僕が所属している警察では拳銃使用の例もない。

『うるせぇんだよ。警告って偉そうに言いやがって。てめぇなんかに俺は殺せねぇよ。』

次の瞬間一発の発砲音が鳴り響いた。鳴らしたのは僕の拳銃。誰もいない上空へ発砲した。

『まだ武器を捨てないか?次は本当に狙うからな。』

特に目立つ事がなかった僕の警察人生もコレで変わっちゃうんだろうな。

『はっ。知ってるぞ。日本の警察はそんな簡単に撃たないって。お前撃っちゃて大丈夫なのか?』

急に殊勝な事を言うじゃないか。でも大丈夫。日本の警察が拳銃を撃っちゃいけないなんて決まりはないし撃たないって事はそれだけこの国が平和って事だ。

『最後の警告だ。武器を捨てろ。』

僕の人生は一発の発砲音と共に大きく変わった。

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