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個人は性善説、組織は性悪説

この前ひろゆきがYouTubeで言ってたことなんですけど。
「個人は性善説、組織は性悪説で説明がつく」
私もすごくそう思うなぁと。私も個人個人は悪い人っていないと思っていて。「みんな良かれと思ってやるんだよね」ってタモさんが言ってたの思い出します。
でも組織や集団になると、その組織をまず守らなきゃいけない、利益を守らなきゃならないから、それが個人の正義に反していても従わざるを得なくなるのだよね。

私はバブル経済がはじけた直後に社会にほっぽりだされた世代で、大学には行かなかったのでとりあえずお金を稼がないと自由になれないよねと思い、フリーターでバイトを転々としてました。
バイトから正社員になった会社がIT企業系でした。まさにITバブル期でブラック企業に社畜は当たり前にいて。中小企業は全員が若かったし、組織=体育会系の部活の延長っていうイメージが強かったです。総務人事系の事務仕事だった私はわりと平和で、怒号が飛ぶ営業部はまるで対岸の火事を見るような感じでした。残業代未払請求で大揉めした子もいたけど知らない事がたくさんあって勉強になりました。
税金とか年金とか基本的な法律とか社会保険の仕組みとかちゃんと学校教育で説明するべきですよね。社会に出て給与もらうようになって急に健康保険がとか年金がとか言われたって「は?」だよね、ほんと。国民の三大義務とはとかぼんやりしたことは習うけど、確定申告がとか住民税がとか実際にそんなにたくさんの税金をどうやって支払うのか全然ピンとこなかったものな。自分の家は自営業だったから給与っていう概念がそもそもないから余計そう思ったわ。会社に入って会社員になって「そうなんだ!」ってことがたくさんあったもの。

ITバブルがはじけると浮かれてた中小企業たちは一転。利益を維持できなくなって、組織を守るために安易に不正したり、本社を上場させようとして子会社をぼんぼん作ってブラック要素を分散したり、もがくんだけど不正の上塗りで結局誰の手にも負えなくなって、組織の為に動いてた人が徐々に危機感持ちはじめて、今度は個人を守るためにいなくなって、空中分解みたいな感じで組織は終了。
ITバブル会社を間近で見てきて、私としてはすごく勉強になりました。組織の成長が早すぎるとその反動で衰退も早く来るような気がします。簡単に作ったものは簡単に無くなる。会社の基盤がしっかりあれば最小限で継続することもできたろうけど、継続に必要な経営基盤って10年やそこらじゃできないんだろうな、きっと。中小企業が10年して生き残れるのはほんの数パーセントだって話です。
あと、その私が勤めてた会社の場合、会社の財産に人材を入れなかったことが敗因だと思います。大量採用、大量退職を繰り返していればそりゃあ基盤はつくれないです。入ってきた新人を誰もちゃんと教育できなかった。みんなが若いから。上が下を支配するしか能がなかったんだもの。

でね、冒頭の話になるんですけど。
会社にはいろんな人がいたけれど、個人的には悪い人はいなかったなあってやっぱり今も思います。それぞれが自分のため、あるいは大切な人のために、正しいと思う行動をしていました。
自分を守るために。家族を守るために。あるいは良かれと思って。
「君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」って歌ありましたね。
まさに個人は性善説、組織は性悪説だったなあって思うんです。
ま、私の経験した小さな範囲の話ですが。


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