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12月7日-13日|「京都の聞き書き絵本 二十周年記念展」古橋悦子

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私の初めての個展です。ボランティア時代を含めて二十年となるのを記念して開催することになりました。

活動の初期の頃は家庭用プリンターで印刷して糸で閉じ、製本テープを貼って和紙でカバーを付け、一冊ずつ手作りしていました。忙しくなるにつれて手間がかけられなくなり、徐々に印刷店で無線綴じ冊子を作るスタイルへと変わらざるを得ませんでした。しかし本の中身同様、外側もおひとりずつに合った手作りにしたいというこだわりはずーっと持っていました。

今回の個展は、友人で製本作家である野口聡子さんにお願いして、すべて手作りの上製本に仕上げていただきました。野口さんと話し合いながら試作を繰り返した結果、背の部分だけを手触りのよい布にするというスタイルに落ち着き、内容に合った雰囲気の着物地や色で仕上げるなど、オリジナルならではの工夫をしています。この新しいスタイルの「京都の聞き書き絵本」をぜひ手に取り、温かみを感じてもらえたらうれしいです。

2021年12月7日(火)~12月13日(月)
11:00~19:00(最終日は16:00まで)
ギャラリーアンフェール

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ご依頼を受けて、いろいろな方々の人生や思いを、その人らしい本に仕上げています。本といっても数冊か数十冊しか作らない、とてもプライベートなものがほとんどです。一定のスタイルにとらわれず、あくまでも「聞き、内容を共有し、一緒に考えつつ作り上げること」を大切にしています。

まずは語っていただき、それが私の耳と手によって文章になります。その文章を読んでいただき、どこが間違っているのか、何が足りないのか、など、さらにお尋ねしながら、内容を深めていきます。試行錯誤しながら、文章を一緒に作り上げるうちに、だんだん語って下さる方の頭や心が整理されていきます。その過程に意味があると考えています。

どなたの人生も、簡単にまとめることができるような、短いものでないのは確かです。でもあえて、エッセンスを取りだし、読みやすいシンプルな本になるようにすることも、心がけています。読み手となる人が気軽に本を手に取って読めること、さらには読んで本について誰かと語り合えることも大事だと思っているからです。

古橋悦子

京都市左京区在住。昭和41年(1966年)生まれ。
同志社大学文学部卒業後、福祉施設の現場で働きながら、視覚障害者歩行(白杖)指導員、介護福祉士、介護支援専門員などの資格を取得。
相談などの仕事によって多くの人の話を聴く機会があり、その中でたくさんの体験談や人生観などが残されないまま消えていくこと目の当たりにした。じっくりと話を聴き書き残すための専門的な活動がしたいと考え、 2001年頃より、ボランティアでの聞き書きをはじめる。いくつもの変遷があって次第にスタイルが定まり、十年後の2021年に起業。挿絵は、夫 古橋博昭が描く。個展は初めて。

ホームページ:http://www.kikigakiehon.com/
個展のページ:https://www.kikigakiehon.com/20th/

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