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7月20日-8月2日 | オズのかごバッグ vol.3

自然の素材を用いた工芸の中で最も古く、世界中の多くの地域で作られてきたかご。

その土地々々の身の回りにあった植物を編むことで生み出され、「ものを運ぶ」というシンプルかつ重要な役割を長きに渡り担ってきました。

現在も世界中で作られているかごは、根や蔓、葉や茎、樹皮等々…素材や部位、形、技法や用途により多彩な表情を見せます。中でも日本は、竹やあけびの蔓、山葡萄、くるみ、籐など、南北に広がる気候が生み出す植生がバリエーション豊かなかごづくりを可能にしてきました。

当店では三度目の紹介となるオズのかごバッグさん。岩手を拠点に沢胡桃の樹皮を使ったかごを手掛けます。

沢胡桃とは、山間の沢のほとりに自生する胡桃の木。東北・岩手の厳しい冬を乗り越えたその樹皮を採取できるのは、多くの水分が樹皮へと蓄えられる一年の中でも限られたわずかな期間のみ。かご編みに適した若木を切り出し樹皮をはがし、水分を含んだ重たい樹皮を傷つけぬよう山から持ち帰り、そこからさらに数多くの工程を経てようやく編めるように…。知れば知るほど、かごづくりには手間と時間がかかっていることが分かります。

滋味深いくるみ樹皮の風合いは、インテリアを問わず馴染む佇まい。表と裏の異なる表情、太さや編み方を巧みに組み合わせたデザイン性の高さも現代における大きな魅力です。ところどころに残る、樹木の風合いも自然素材ならではと言えます。

手に取りづらいイメージのある方もいらっしゃるかもしれません。乾燥させすぎない、湿度の高いところに置かない、といったいくつかのポイントを押さえれば、難しいことはありません。使うごとに色深く、つややかに変化していく。一緒に育っていくような気持ちで手に取っていただけると嬉しいです。

今回も、日常の中で気軽に取り入れられる小さなかごから、お出かけ時のバッグまで幅広く作っていただきました。オズのかごバッグならではの優しい表情、カジュアルな佇まいを暮らしの中に取り入れていただけたらと思います。やはりかごは実際に使ってこそ。毎日の生活で使いながら、どうぞ一緒に日々を積み重ねていってください。

これまでの展示のご紹介はこちら。


オズのかごバッグ(SELECT SHOP OZ)

岩手県盛岡市を拠点に、胡桃樹皮や山葡萄ので編まれた籠バッグや小物を樹皮採取から製作、販売まで一貫して行うほか、古布のリメイクやドライフラワーアレンジメント、染めものなど様々なハンドメイド作品を展開。

・HP https://ozandmade.shop
・Instagram @select_shop_oz_annex

オズのかごバッグ vol.3
2024年7月20日-8月2日(※最終日は14時まで)
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

(担当:岡本)

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