7月10日-7月23日 | haru nomura sacks and bags works exhibiton「スロウトリップ」
自然と人の暮らしが静かに息づく京都・東山。その小さなアトリエから生まれる「haru nomura」の草木染めかばんの展示会を、今年も開催いたします。
染色家・野村春花さんが作る草木染めのかばんは、主にリネンや綿など自然の素材を、さまざまな植物を煮出した染料で媒染という手法を用いて染め、ひとつひとつミシンで縫い上げたもの。
時に何度も染めを繰り返し、縫ったあとも生地を柔らかくするため蒸したり木槌で叩いたりと、多くの手間と時間を重ねて作られるかばんには、どんなときでも大切なものを大らかに受け止めてくれるような包容力と頼もしさがあります。
かばん作りのインスピレーションは、生活の中で長く使われ、磨き上げられてきたさまざまな形の「ふくろ」。工事現場のフレコンやお米の袋、巾着など、日々の発見をヒントに現代の日常に取り入れやすいようデザインされています。
今年の目玉は新作の「Pocket」。ちょっとそこまでのお出かけに、ささやかな旅の相棒として寄り添ってくれます。すべての色が揃うのは当店での展示がはじめて。
そして新作にあわせ、ブランドタグも一新されました。あえて自然素材ではない生地を使うことで生まれる絶妙な風合い。店頭に並ぶまでの時間にも思いを馳せつつ選んでいただける仕掛けになっています。
昨年に引き続き、「旅するかばん」や「たすきのかばん」、「おこめのかばん *」やフレコンバッグ *、定番トート、巾着やリネンのストールも並びます。(*:受注品 お渡しまで二ヶ月ほど)季節にあわせて藍や柿渋、白など夏らしい色が揃います。使ううちに柔らかく、くったりと馴染む丈夫で頼もしいかばんは少しずつ色褪せてゆくさまも愛おしいもの。たくさんの中から、ご自分だけのとっておきを見つけにいらしてください。
今年はギャラリーアンフェールから生活館ミニギャラリーに場を移しての開催です。会場の雰囲気もがらりと変わり、前回とはまたちがった新たな魅力を感じていただけることと思います。会期後はオンラインでの通販も予定しています。
なお、会期中の土日は野村さんが在廊されます。かばん作りのエピソードや使い心地など、直接お聞きできる貴重な機会。ぜひお気軽にお尋ねしてみてください。染め直しや修理などのご相談もお受けしています。
Photo:Hirotsugu Horii
【haru nomura - 野村春花さんより】
ほんとうは、旅に出たい。
自由に外出ができなかったこの1年半、そう願わない日はありませんでした。
今回の展覧会テーマの「スロウトリップ」とは造語で、のんびりとした小旅行を意味します。
現在、海を越えた移動は制限されていますが、ひとつ向こうの駅まで足を伸ばして、初めてみる景色の中に身を置くことはできます。
今回のコレクションでは、そんな小さな旅にあう、身軽でカジュアルなかばんを提案します。
中でも新作の「Pocket」は、手ぶらで歩きたい時、ポケットを一つ増やす感覚で身につけられるかばんです。
スカートやパンツのシームポケットを参考に、物をすっきり持ち運べるかたちを目指しました。
また「Pocket」には、新しいブランドタグがデザインの一部としてついています。
タグには、使用した植物染料、媒染剤、染色した日と温度・湿度の染色データが記されています。
ふとTripの意味を調べてみると、小旅行に続いて、散歩・ひと走り、ある辞書には通勤とありました。
私たちは気がつかないうちに、日常の中でも小さな旅に出ていたようです。
毎日の旅のお供に、haru nomuraのかばんがあると嬉しいです。
haru nomura - 野村春花
京都造形芸術大学美術工芸学科染織テキスタイルコース卒業
京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻博士号取得
2018年より京都造形芸術大学にて非常勤講師
京都を中心にかばんの製作と展示会を開催しながら、ホテル客室のインテリアやデザイナーとのコラボレーションなど精力的に活動している。
・HP:https://haruka-nomura.info
・Instagram : @haru_nomura
・Twitter:@harukanomura
haru nomura sacks and bags works exhibiton「スロウトリップ」
2021年7月10日-7月23日(※最終日は14時まで)
作家在廊予定:7月10・11・17・18日 14-17時
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー