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8月2日|赤阪友昭 お話会「いにしえの記憶」をめぐる本の旅 その1「扇ー性と古代信仰」(吉野裕子著)

夏の盛り、久々に赤阪友昭さんをお招きし、当店イベントスペースコテージにてお話会を開催いたします。

今回は扇について。

古代より現代に至るまで、祭事や伝統芸能の世界で極めて重要な道具として用いられている扇とはどのような存在なのでしょう。

現代の日常では、能や狂言、日本舞踊から落語といった芸能で目にすることの多い扇。身近なところでは夏の暑さにさわやかな風をおこす道具として、または祝いや婚礼の席などいわゆるハレの場で身に着けるものとして使われています。遡れば現代とはまた異なる役割を見て取ることも。

在野の民俗学者・吉野裕子さんによる書籍『扇 新版 性と古代信仰』を紐解きながら、お話していただきます。

扇についてのお話会が夏の盛りに開催されるのも偶然ではないかもしれませんね。この会を通して、お集まりいただいたみなさまとの対話もできれば嬉しく思います。

余談ではありますが、昨冬、右京区西院の美容室・yakにて開催された赤阪さんのお話会「日本の祭り―蛇と縄文、そして星への祈り」の中で「扇は蛇を象徴するシンボル」と語られる下りがありました。今回は「扇」そのものに焦点をあて、赤阪さんとみなさんとともに紐解く機会となれば幸いです。

ナビゲーターの赤阪さんより本イベントに寄せていただいたメッセージをご紹介します。


ナビゲーター:赤阪友昭さんより

私たちの暮らしや精神性にひっそりを残された「いにしえの記憶」。

今回とりあげる本は後に多数の著作を残す在野の民俗学者・吉野裕子の出発点となる著作「扇」です。
初版のカバー袖には次のような紹介文が添えられていました。

“「扇はセックスのシンボルであった!」
(中略)
日本の古代をそっくり沈めているといわれる沖縄の特殊神事。そして沖縄の祭処御嶽の神木蒲葵にその糸口はあった。
出雲の美保神社の蒼柴垣神事に重用される「長形の扇」、熊野大社の扇祭の謎、践祚大嘗祭になくてはならぬ蒲葵の葉の発見等、追求の手はのべられていく。そしてついに沖縄に残る祭祀形態の中に扇の源をたどる。沖縄の神社御嶽における女性の象徴を象どった空地「イビ」、そこに配置された男性の象徴たる神木蒲葵の発見。女性の象徴、母なる大地に生命の種を宿す男性の象徴に崇高なる霊力を感知し信仰にまで高めていった古代人の精神が今日の扇に象徴されて残されたのではなかろうか。そこに扇の原型があるのではなかろうか。”(カバー袖紹介文)

実際に、著作の中で取り上げらている沖縄や出雲で独自のフィールドワークを重ねてきたナビゲーターが、本の中に記された論考を深く掘り下げる本の旅の第一弾。

さらには、その奥深くに眠る縄文や海洋民族文化などとも絡み合った複合的な視点を紐解く時間になりそうです。


ご予約はこちらから
お電話(075-711-5919)または店頭でも
お申し込みを受け付けております。
(営業時間:11-19時)

赤阪友昭 あかさか・ともあき
写真家、映画監督、プロデュサー。
大阪市生まれ。

神戸の震災を機に、辺境への旅をはじめる。雑誌への写真と文の寄稿、テレビ番組の制作や公共施設での写真展やプログラム制作、国際文化交流プロジェクトのプロデュースなど活動は多岐にわたる。

東日本の震災後は、福島の立入制限区域内の撮影を続け、記録映像を福島県南相馬市と共同制作する。

映画関係では、ドキュメンタリー映画「あたらしい野生の地–リワイルディング」(オランダ)の日本語版を制作し、日本全国で劇場公開する。
2009年より2021年までの12年間、写真ギャラリー「photo gallery Sai」(大阪市福島区)を主宰。2000年にはアラスカ先住民族クリンギット6名を日本に招聘し、国際文化交流プロジェクト「神話を語り継ぐ人々」を主催。

また、2008年には星野道夫のトーテムポールを立てるプロジェクトもアラスカで実現する。

ドキュメンタリー映画「銀鏡 SHIRIOMI」で初監督を果たし、東京ドキュメンタリー映画祭人類学・民俗映像部門でグランプリの宮本馨太郎賞を受賞。2022年から東京を皮切りに、全国順次公開中。

https://www.akasakatomoaki.net/
https://shiromi-movie.com/

・Instagram @akasakatomoaki

赤阪友昭 お話会「いにしえの記憶」をめぐる本の旅
その1「扇ー性と古代信仰」(吉野裕子著)
ナビゲーター:赤阪友昭

2024年8月2日 19:00-21:00
恵文社一乗寺店 イベントスペースコテージ

(担当:岡本)

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