皐月賞2024 予想

今年の牡馬の世代レベルは低いです。多分10回やれば勝ち馬は7頭くらいコロコロ変わるでしょう。それくらい低いと思っています。だからこそ、人気やステップに捉われない予想が必要。常識を捨てましょう。

◎ミスタージーティー
◯ジャスティンミラノ
▲サンライズジパング
△シンエンペラー
△アレグロブリランテ
△エコロヴァルツ

▪︎ミスタージーティー(SC系)
父ドゥラメンテ(S)
母父Sadler's Wells(?)

優秀牝系リッスン一族で、兄弟馬に重賞活躍馬を持ち、自身もスケール感満載の走り。兄弟活躍馬はディープを父に持っているので、結構投げ出しやすかったが、本馬はドゥラメンテで精神構造がしっかりしている。
まずは簡単に戦歴と内容を振り返る。

▪︎新馬戦
実質800mの直線勝負になったが、直線で爆発的な脚を見せて快勝。しかしサドラー系特有のズブさを見せて課題が残った。

▪︎ホープフルS
18番枠でスタート後に大きくヨレるロス、直線で進路を消される不利がありながら、5着に粘ったのは悲観する内容ではない。

▪︎共同通信杯
休み明け、1000m通過62.7の超スローペースの影響で、S質をコントロールできず、終始かかり通し。
スローのよーいドンはディープ系の主戦場であり、サドラー系特有のズブさが出た。欧州血統はガシガシ追って良さが出る。

▪︎若葉S
スローで折り合いを意識した騎乗。4角時点で内で蓋をされた影響で、追い出したのは実質300mくらいで、手応え的に余力ある勝利。

この馬は欧州系の重厚さを持ち、追えば必ず良い脚を使うのが特徴。ディープのような瞬間的な加速力はないが、トップギアに入ればどこまでも伸びる脚。
そして最大の武器が、どんなレースも投げ出さない強い闘争心と精神力を持っていること。

直線で進路を塞がれたホープフルSは馬群を縫うように伸びているし、かかり通しで瞬発力勝負になった共同通信杯は、自身は33.0の脚で食らいついている。決して大きく投げ出したりしない。
脚質は違えど、ドゥラメンテ×欧州でタイトルホルダーのような、強い闘争心と精神力を兼ね備えた馬と認識している。ドゥラメンテは本当に良い子を輩出する。

若葉S組は賞金が足りない馬やどうしても権利が取りたい馬が集まるステップなので、本番とはレースの質やレベルが異なる。
ただ本馬はG1で一戦級と対峙した実績と中山適性を感じる強いSを持っているので、なんちゃってオープン馬とは違う。
皐月賞は3〜4角で各馬動き始めるので、瞬間的加速の鈍さはそこで補えるし、むしろ長く良い脚を使える点、S質が求められる点において中山適性はきっと高い。スタートも心配ないので、闘争心を引き出せる内枠も歓迎。
ダービーより皐月賞向きの馬だと思うので、是非ここは勝ち切ってほしい。

▪︎ジャスティンミラノ(LS)
父キズナ(SorL)
母父Exceed And Excel(S)

父キズナから量を授かり、母父からS質が補完された完成度の高い、バランスの良い馬。正直この2戦に関してはディープ系譲りの量で圧倒しただけなので、特段価値はないが、毎年米国のスピードの血を持ったS系馬が好走しているので、皐月賞の舞台は合うのではと推察される。

実際、レースの質はグッと上がるし、刻むペースも異なるはず。だがポテンシャルと完成度、そして今年の牡馬戦線のレベルを考えると、G1馬らをあっさり突き放す素質なら全然足りていい。
完成度が高ければ来てしまうのがクラシック。揉まれにくい外枠、優秀ローテ、勢い、鮮度を考えれると高く評価する必要がある。

▪︎サンライズジパング(SL)
父キズナ(SorL)
母父Zoffany(S)

S系らしく位置取り変化や馬場変化、新馬戦ようなダラっとしたレースではなく、ダートや持久力戦で体力パワーを活かす競馬を好む。牡馬のキズナは特に米国的なパワーと体力に寄った子が多い。

未勝利戦は、芝→ダート、内枠、Hペースの持続ラップで圧勝。北海道2歳優駿は、3角あたりで仕掛けて早め先頭に立ち、世界を制した無敗のダート王者相手に2着と奮闘。ダート適性が高いとは思わないが、ダート的な持続ラップ、体力活かした捲りは得意という認識。

ホープフルSは、4.5番手追走から3角あたりで仕掛けてロンスパ勝負に持ち込み、最後レガレイラに寄られなければ2着はあった内容。
展開待ちのレガレイラに比べて、先行して大外を回されたロスを考えれば内容はこちらが上。
若駒Sはエンジンが掛かれば抑えるのに苦労するほどで、Sをうまくコントロールすれば爆発力あるなと感じさせる内容。

皐月賞は、闘争心と体力を活かせるレース質になるので、S質を上手くコントロール出来れば(折り合い、やる気)直線で爆発的な末脚を見せてくれると思う。短期的な疲労を抱えていないし、鮮度あるし、中山実績もある。内枠で闘争心に火がつけばなお良い。死角が見当たらない。

▪︎シンエンペラー(LS)
父Siyouni(S?)
母父Galileo(L)

血統タイプはよくわからないが、走りからは欧州的な力強さを感じる。集中力は希薄だが、スタミナに寄った展開ならしぶとく粘る印象。新馬戦以外は、自身のスタミナとパワーに頼っている。

休み明けの弥生賞は、奥手な欧州血統らしくズブさがあったと思う。賞金も足りていることから、川田が大事に乗ったように見受けられた。
勝ちに行く競馬をしたのはコスモキュランダの方で、当然賞金に余裕があるこちらは安牌の権利取り騎乗。ひと叩きされれば、スイッチ入って状態は上向くと思う。海外競馬(血統)は奥手で、使って使って状態を上げてくる。

G1多頭数で揉まれた経験、舞台適性、脚質の自在性など、ここで大きく崩れるとは考えにくい。1番人気想定の器ではないと思うが、特段切れる要素もなく、消極的ではあるが4番手評価に。

▪︎アレグロブリランテ(SL)
父ディープブリランテ(S)
母父フレンチデピュティ(S)

ディープブリランテはモズベッロやセダブリランテス、エルトンバローズなど癖強めのS系を多く輩出する。そこに米国的なスピードとパワーが強化された配合。本馬は持続力勝負向きのパワーS系。

近走を振り返ると、スプリングSは1000m通過が63.0、1400m通過は1:27.7と近10年で1番のスローペース。
逃げ馬がペースを上げずに引きつける逃げをしたせいで、ラスト2F10.9-10.8と中山ではまず見ない加速ラップを記録した。
自身はラスト3F34.3を記録したが、ディープブリランテにキレる脚はなく、同じようにスローからの瞬発力勝負になった萩Sでは大敗したことから、前走は本来の競馬ではない。

若竹賞は特殊馬場の影響で異常な外伸びのなか、先行馬で唯一粘っての2着なので、着差以上の評価を与えたい。
当日に行われたAJCCの1、2着馬は共にピンク帽で外差しのチャックネイトとボッケリーニで、上がり最速で4着のモリアーナは大外のポジション。この日は差し馬と外枠の好走率が以上だったので、この敗戦は気にしなくて良い。

本馬の本質は、瞬発力勝負ではなく、前向きさとパワーを活かした消耗戦
皐月賞は延長だが、ペースアップで擬似短縮ショックだし、スタートセンスも抜群で、追走に戸惑うことはない。G1で投げ出すといった精神的な問題ではなく、前傾ラップやロンスパの消耗戦など適性が向いて本来の走りが出来れば、馬券内は十分考えられる。

▪︎エコロヴァルツ(SL)
父ブラックタイド(S)
母父キングカメハメハ(M)

ディープ×キンカメはたくさん見てきたが、ブラックタイドが入ることで、全く違った顔になるのは面白い。
一言でいうなら闘争心が強くなる。ディープは気の良さがある分、得意なレンジでしか走らなず、キツければ投げ出すが、本馬は変化を好む。

父の影響でS主導のパワータイプで短縮、内枠、極端な位置取り変化を好む傾向にある。
朝日杯でマイルの追走経験があるのは、流れが速くタフな中山2000mでプラスに働くことは間違いない。強く揉まれた経験はないが、多頭数のG1をこなしているように問題ないだろう。

共同通信杯の敗戦は、究極のスローペースの瞬発力勝負になり、前向きさが強い彼には一切合わない競馬。ダラっとした流れより、キビキビしたS質を活かせる走りが合う。
折り合いに難はあるが、鞍上が天才武豊なので、距離が持たないことはないと思う。軽い凡走で人気落ち、先行から差し追い込みに回る位置取りショックを取れれば面白い存在で。


▪︎消レガレイラ

スワーヴ×ハービンジャーの配合で、スタミナパワータイプ。アイビーSはキレ負けしたが、ホープフルSは豪快に差し切っている。

確かに勝ち方は派手だが、2歳馬に取って中山2000mを前後半フラットなラップで走ることは肉体的にタフで、特に先行馬には苦しいはずだ。
ドゥラエレーデが逃げ切った年は前半36秒台のスローペースだったように、前への圧がなかったレース内容。そして毎年のように10番手以降の差し追い込み馬が絡むことからも、2歳で中山2000mを前半から厳しいラップを刻みながら走るのは過酷なのだ。
よってレガレイラは展開的に向いた勝ち方だったと結論づける。

そして皐月賞で心配なのは、ホープフルSのように揉まれずスムーズな競馬とは行かないこと。全馬ロスを避けたし、仕掛け遅れは嫌だからある程度ポジション争いがキツくなるのが本レース。先行馬の質も上がるし、後ろでポツンをしていても、ホープフルのように前には届かない。

またレガレイラの馬体重は460kg前後と牝馬らしく小柄。460kg以下になると極端に連帯率や複勝率が下がるので、480kg以上の大柄な馬格が求められる点においても評価を下げた。

▪︎消ジャンタルマンタル

パレスマリス×Wilburnのコテコテ米国血統で、溜めて伸びるのではなく、マイルあたりの距離で自身のスピードの持続で持っていくタイプ。
前半3F34.1でハイペースの前傾ラップを刻んだ朝日杯は、内枠から早め先頭に立って押し切り。
デイリー杯はレース全体が同じようなラップ構成で、先行押し切り。マイル向きの良いスピードと持続的な末脚を持っている。

しかし、皐月賞に必要不可欠なスタミナ面に不安がある。かかり癖で折り合いに難があるし、前走から更に延長となれば、ペースは上がるにしろ多少の溜めも作れなそう。
テンよし中よし終いよしの馬なので、単純に中距離の流れは向かないし、延長で買う子じゃない。

▪︎消メイショウタバル

ゴルシにフレンチデピュティの、スタミナと持続力に長けたS(LC)のバランスタイプで、実は、ステップ考察の時点では結構評価していた。

しかし前走の勝ち方があまりにも豪快すぎる。特殊馬場(ラチ沿い最伸び、道悪)のせいで後方組の脚が削がれたように思えるし、やはり逃げて激走後の反動が気になる。延長で更に良さが出るとは思えないし、内枠で変に人気しそうな気がしたので消し。
2戦連続スローペースに落として、先行馬にとっては楽な競馬だったし、広い外回りコースから、一気に窮屈な中山で、摩擦アップ。しか1枠なら逃げれなかった時に揉まれて投げ出すかもしれないし、単純に反動が懸念される局面。

▪︎消ビザンチンドリーム

エピファネイア×ジャンポケで、いかにも荒削りな量系の走り。2戦とも追走力を問われない少頭数、スローペースだったので差し届いているが、S質ほぼ皆無の本馬に皐月賞はこなせない。

▪︎消アーバンシック

スワーヴ×ハービンジャーはよく見たらレガレイラと同じだが、こちらの方が素軽い印象。

京成杯と皐月賞はS質が問われるか否かが大きな違いで、そこが京成杯組が勝てない要因である。冬の中山2000mは若駒にとって相当タフで、先行馬が崩れやすいところに、惰性で差し込んできただけの馬の好走が目立つ。その手のタイプは皐月賞で用があるように見えない。ダービー向きと判断。

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