第168回 天皇賞・秋

こんにちは。競馬研1回生の花田です。今年の春、京大競馬研に入会し、この度初めてG1 記事を書かせて頂くことになりました。競馬歴半年の拙い文章ではありますが、どうぞよろ しくお願い致します。 さて、昨年の天皇賞秋は前半1000m57.4秒という異次元の大逃げをうったパンサラッサを 上がり3F32.7 秒という全てを切り裂くかの如き末脚でイクイノックスが差し切るという まさに競馬の魅力が詰まった1レースでした。今年は昨年の勝ち馬であり現役最強と名高 いイクイノックスをはじめ、そのイクイノックスを破り昨年のダービー馬となったドウデ ゥースなど錚々たる面々が揃っており、非常な楽しみな一戦となっています。

まずは舞台となる東京芝2000mのコース形態から見ていきます。本レースは1コーナー奥 のポケットからスタートし、2000m専用の 2 角を通って、向正面に合流します。初角まで の距離が僅か126mと突出した短さであり、先行争いにおいて非常に内枠が有利になってい ます。内枠の馬がコーナーワークで先手を取りきると、相当の能力がない馬は外から交わし ていくのは非常に困難であり、内有利・外不利の傾向が非常に強いコースです。ただ近年は 内枠有利がかなりオッズに組み込まれている感があるのでその点は注意です。

次に今回の展開について考えていきます。 11 頭中徹底的に先行する馬がジャックドールのみと枠順発表まではペースが落ち着きやす いコース形態と相まってスローペースになると読んでいましたが、今回ジャックドールが8 枠10番と外枠に入ったことで、この初角までの距離が短い内枠主導のコースで、位置を取 るためにスタートから脚を使って外から競るため、想像以上にペースが早くなると考えます。また今回そのペースでドウデゥースをはじめ内目の枠を引いた有力な差し馬が内で脚を溜める展開になれば前残りの競馬は少々厳しく、かなり差しが届きやすい展開になるのではないかと考えます。以上を踏まえて印と簡単な評価に移ります。

◎ドウデュース 本命は昨年のダービー馬であるドウデゥース。昨年の日本ダービーでは前半 1000mハイペ ースを後方からポツンと気分良く追走し、今回断然 1 番人気のイクイノックスと互角以上 の内容で勝利。前走の京都記念も開幕週の馬場で内を回った馬が上位に来た中、3角手前で 仕掛けて大外を回して差し切り、2着に3馬身、0.6秒差で圧勝。イクイノックスはダービ ー以降綺麗なキャリアを積んでいる一方で、ドウデゥースは海外のレースで馬柱の見栄え が悪くなっており、実力よりも過小評価され人気に差が出て朝3時時点で単勝オッズ2倍 以上の差。日本での競馬ではイクイノックスとほぼ互角の能力でこのオッズ差なら期待値 の観点から本命はドウデゥース。コース形態にあった内枠に入ったのも非常に良いです。

〇ダノンベルーガ 前走の札幌記念 4 着はスタート後に挟まれる不利があったもののもう少し走ってほしかっ た感がありますが、他の実力馬の凡走と、3歳世代の一線級に全く通用していないトップナ イフが 2 着に入ってきていることを考慮すると明らかに道悪適性が出たレースであり度外 視可能。昨年のジャパンカップもダービー同様ダノンベルーガにとっては明らかに長い距 離でした。しかし昨年の天皇賞秋では内に進路を切り替えるロスがありながらもイクイノ ックスと0.2秒差の3着。また共同通信杯では皐月賞馬ジオグリフを楽に差し切っており、 その後のダービーでイクイノックス、ドウデゥースを抑え 1 番人気になっていたことを考 えると相当の素質馬ではあり、条件さえ整えば間違いなくG1級のポテンシャルを持ってい る馬です。人気先行タイプの馬ではありますが、近2走で実力以上に馬柱を汚しているせい で今回は人気を落としており、東京替わりと得意な舞台へ条件好転であり、コース形態にあ った内枠に入った今回が狙い目。

▲イクイノックス 言うまでもなく強いので戦績評価は割愛。ここまでこう書いてきましたが、正直勝率はこの 馬が一番高いと思っています。ただ朝3時時点で単勝オッズ1.5倍と流石に期待値の取れ ないオッズになっており、あくまで印としては▲の評価に下げました。

△ジャスティンパレス 今年の天皇賞春勝ち馬であり、宝塚記念3着馬。天皇賞春では差しに向く展開と低調なメン バーに恵まれた感も強いですが、後続に2馬身、0.4秒差で勝っており強い勝ち方であった といえます。ただ皐月賞、ダービー、有馬記念、宝塚記念どれをとってもイクイノックスに は力の差を見せつけられており、それと同等の実力をもつドウドゥースとも力の差がある ように感じます。しかしその他の馬とは明白な力の差はなく、朝3時時点で単勝オッズ30 倍なら高い印で抑えておきたいです。また今回ジャスティンパレスはジャックドールの次 にテンの速さがあるガイアフォースの一つ外の枠に入っており、スタートからスムーズに 位置を取ることができるというのも高く評価しておきたい点です。

☆プログノーシス 前走の札幌記念の 0.7 秒差の圧勝は前述のとおり明らかな道悪適性が出て他の実力馬が凡 走したのが大きな要因であり、着差ほどは評価できません。またこの馬は元々出足があまり 良くなく金鯱賞のような最後方、外からの捲っていく競馬になると、コース形態的に向かな い外枠かつメンバーレベルが急激に上がる今回は厳しい競馬になるとみて抑えまでの評価。

注ジャックドール 前述のとおり今回前残りの競馬は厳しいとみているが、前から行って残るとしたらこの馬 しかいないというのが正直なところ。昨年の天皇賞秋ではパンサラッサが大逃げをうった ことで後続集団は平均よりも遅いスローペースでしたが、ジャックドールはその中でも前 から行ったにもかかわらず粘れず4着。今回イクイノックス、そしてそれと同等の力を持つ ドウデゥースなど有力な差し馬が揃っているため今回は抑えまでの評価。

以下会員の印です。

第168回 天皇賞・秋


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