第68回 有馬記念

こんにちは。競馬研一回生の花田です。

この度、有馬記念のG1記事を担当させて頂きます。拙い文章ではありますが、どうぞよろしくお願い致します。さて、私自身、今年の春に大学入学と同時に京都大学競馬研究会に入会し、競馬を学び始めてから約8ヶ月ほど経ちますが、共通テストを目前に迎えた昨年の今頃の苦しい受験期を思い出すと、この有馬記念で年の終わりを感じれることに心から喜びを感じております。入学からの今年を振り返ると毎週末、本当に楽しい競馬ライフを過ごすことができた2023年だったように思えます。これもひとえに自分の師であり、入会から今日まで競馬の1から10までを手厚くご指導くださった岸田前会長のお陰です。最近の記事では度々お褒めの言葉を頂いてるようですので、それに恥じぬようまだまだ鍛錬を重ねていこうと思います。また個人でも直近2つの2歳G1記事の印で決め切ることができており、重賞7連勝がかかってるのでこの有馬記念でも決め切って最高の形でホープフルSの記事へと繋げたいと思います。

前置きが長くなりましたが、今年の有馬記念も錚々たる面々が集まっており、3歳からは今年のクラシック戦線を沸かせたタスティエーラ、ソールオリエンス、ハーパー、そして古馬からはドウデゥース、タイトルホルダー、スターズオンアース、ジャスティンパレス、シャフリヤール、スルーセブンシーズといった日本競馬を代表する名馬達と、どの馬が勝ってもおかしくない大混戦模様の、今年の古馬中距離戦線を締め括るにふさわしい最高に楽しみな一戦となっています。

まずは前回同様、有馬記念の舞台となる中山芝2500mのコース形態から見ていきます。このコースはとにかく特殊であり、外回り3〜4コーナーの中間地点からスタートし、初角となる4コーナーまでは僅か192mと突出した短さと、先手争いにおいて内枠が有利となっています。中山芝2500mはここまで初角までの距離が短い上に、小回り3ターンで坂の登り下りも激しく、短い最終直線でも約3mの登り坂と、恐ろしいスタミナ戦になりがちな、とにかくタフなコース形態であり、道中で外を回ると非常にロスが大きいため、相対的に道中内でロスなく立ち回ることが非常に重要となっています。実際に21日に行われた公開枠順抽選会でも内枠を引いた陣営が喜び、外枠を引いた陣営が落胆する姿が見られました。私自身、この暮れの風物詩を初めて見ることができて嬉しかったです(笑)話が脱線しましたが、今年の有馬記念は馬場の面からも例年に比べてより道中内で立ち回ることが重要になるのではないかと考えています。近年は暮れの開催で馬場の内側が荒れていたり、時計を要する馬場となったことで、外から捲ってきた馬で好走している印象を受けますが、今年は中山の芝が例年にない程時計が出やすい高速馬場になっており、例年よりも内がまだまだ使える馬場状態であるように感じます。もちろん直近のこの寒さで冬枯れ馬場となり、外差しに傾いていく可能性は大いにあるため、土日の馬場状態を注視する必要がありますが、現状、道中ある程度内でロスなく立ち回れる馬を軸に馬券を組み立てて行きたいと思います。

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追記
前日土曜日に有馬記念と同条件芝2500mで行われた3勝クラスであるグレイトフルステークスで2:32.0という過去10年で最速タイムが出ました。有馬記念の勝ちタイムが例年2:32〜2:33あたりになることを鑑みても、かなりの高速馬場であることが分かります。この場合差し•追い込み馬が速い上がりを出しても物理的に差し切ることが難しい流れになることが考えられるので、仮にペースが流れる展開になって外差し有利な展開になったとしても、外から差してくる馬で馬券内を独占することはないと見て確実に一頭は内でロスなく立ち回ることのできる馬が入るように馬券を組んで行きたいと思います。
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これを踏まえて今回のメンバーと枠順から展開予想をしていきます。16頭中、前走の通過順位に3番手以内がある馬は4頭と先行馬の割合は低く、また初角までの距離が短くペースが落ち着きやすい内枠主導のコースで、徹底的に先行するタイトルホルダー、アイアンバローズがそれぞれ2枠4番、4枠7番と、内の離れた馬番に入ったことで、ペースとしてはスローからミドルあたり落ち着くのではないかと思われましたが、次点でテンの早さがあるハーパーからプラダリアまでの6,7枠の馬が序盤から内枠の先行馬と競り合う形になり、前半は意外とペースが上がるのではないかと考えています。この場合後半、向こう正面に差しかかってから3コーナー中盤にかけてペースは緩み、早めに動いていける差し馬は前目で立ち回る馬とのポジション差をかなり埋めやすいのではないかと考えます。こうなった場合、イメージとしては序盤1500mぐらいまではロスなく内で脚を溜めて、3コーナーに差しかかった辺りから早めに進出していく競馬が理想であると思うので、道中できるだけ内でロスなく立ち回ることができ、かつ後半先団のペースが緩んだところを外に持ち出して捲って来れるような機動力と瞬発力がある馬を軸に馬券を組み立てていこうと思います。

以上を踏まえて印の紹介に移ります。

◎5 ドウデュース

本命は鞍上武豊の5番ドウデュース。言わずもがなこのメンバーで唯一世界最強イクイノックスを破った2022年日本ダービー馬です。まず、並びはタイトルホルダーの1つ外の枠と、タイトルホルダーが前に行ったところを内に潜り、間違いなく中団から後方のインで脚を溜めることができる絶好枠。前々走天皇賞秋ではアクシデントで鞍上乗り替わりがあり、差し有利な展開を前目4番手から追走しての7着ですので着順ほど評価は下げなくて良いと思います。前走のジャパンカップでは復調の調子を見せ、好位のインなら抜け出し、前から行った5頭が掲示板を占める中、5頭の中最後方から追い込んでスターズオンアースと0.1秒差の4着。位置取りの差が強く出て、これは力負けとは捉えていません。やはり注目したいのは3走前の京都記念。1000m通過タイム59.5という前半若干ペースが流れたところを1000m通過地点の向こう正面差しかかりまで後方インでしっかりと脚を溜め、そこからの3F12.6-12.4-12.3という若干ペースが緩んだところを向こう正面中盤から外に持ち出して早めに動き出し3コーナーから4コーナーにかけて通過順位11-8-6と一気に捲って行き、大外一気。掲示板はインを通って来た、後に重賞を善戦してる馬たちが占める中、2着に0.6秒差の1着。まさに今回理想としている序盤1500mぐらいまではロスなく内で脚を溜めて、前半、意外とペースが流れることで後半に差しかかってペースが緩むところを3コーナーあたりから早めに進出していく競馬に最も合う走りを京都記念ではしています。またJCでの復調の兆しと調教での動き、鞍上武豊への乗り替わり、そしてこの内での並びは、京都記念のような競馬を再現できるだけの条件十分が整っていると考えています。確かにタフな中山芝2500mでの距離不安等々の懸念点はありますが、他の古馬能力上位馬であるスルーセブンシーズ、スターズオンアースは内有利の高速馬場かつ終始外を回される厳しい大外枠に入り、またジャスティスパレスは1つ内の枠にはヒートオンビートという同型が並び、道中外回されそうで、1つ外の枠にはテンの速さがあるハーパーが居てスタートで若干不利を受ける可能性があるなど、これらの馬たちにも間違いなく大きい懸念点はあります。そしてなにより、私自身前走、前々走とこの馬に本命を打って来ており、3度目の正直としてこの有馬記念という舞台を鞍上武豊ドウデュースを信じて戦いたいという強い思いがあるため本命を打たせて頂きました。初めての有馬記念はドウデュースと夢を駆けようと思います。

○10ジャステンパレス

対抗は10番ジャステンパレス。1番人気を背負っているがオッズによっては本命級の評価を与えて馬券を組みたてたい一頭。まず前述した通り、この馬の並びから考えられる懸念点は、1つ内の枠に同型のヒートオンビートが入り、道中外回される不利を受ける可能性があるという点、そして1つ外の枠に入ったテンの速さがあるハーパーが、この初角までの距離が僅か192mと短いコース形態で、前目の位置を取るためにスタートから斜行して来ることでスタートで不利を受ける可能性があるという点です。
ただ能力としてはこのメンバーの中ならやはり最上位の一頭で機動力とスタミナのある非常に立ち回りが上手い馬です。前走天皇賞秋ではイクイノックスと0.4秒差、後続には1馬身以上をつけての2着。ただイクイノックスが先行しながら先行馬を総潰しするとんでもない競馬で差し有利の展開が向いた中での好走ではあるため着順ほど評価はできません。また前走の宝塚記念の3着も外差し有利な展開が向いた中での好走ではあります。しかし、この馬は近4走全てにおいて崩れなく走っており、前走、前々走でのイクイノックスにそれぞれ0.4秒差、0.2秒差に迫る能力はこのメンバーになるとやはり最上位で、多少外を回されても豊富なスタミナを活かして宝塚記念のように早めに動く競馬ができれば間違いなく勝ち負けできる一頭。非常に崩れなく好走できるタイプの馬のためドウデュースとどちらを軸にするか非常に迷いましたが、ジャスティスパレスに起こり得る不利と、ドウデュースが恵まれ得る点を相対的に考慮して対抗を打たせて頂きました。

▲以下の印は次のようになっています。

▲6ディープボンド 
△15スルーセブンシーズ
△13タスティエーラ
☆4タイトルホルダー
注16スターズオンアース
注1ソールオリエンス

以下会員の印です。


第68回 有馬記念

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