第40回 ホープフルステークス

こんにちは、4回生の岸田です。

今年の秋G1予想記事での登場回数は前年と比べればかなり少ないものとなりましたが、ここ最近はかなり連投していましたので、名前を憶えていただけていれば嬉しい限りです。3回ある2歳G1も最後となりますが、是非お付き合いください。今回は執筆期間がかなり長くなってしまい、文章がまとまりきっていませんので、少々読みづらいものとなってしまいました。

前回の朝日杯FSでは◎ジャンタルマンタルが道中はインでしっかり脚を溜め、直線では少し外目に出して快勝しました。予想での『内でも上手く競馬ができる操縦性と気性的に安定した面を見せています』との見解通りに堅実な競馬を見せてくれました。阪神JFは悲しい結果に終わってしまいましたので、ここで一つ当てることができて一安心です。先週のG1予想記事も後輩の花田君が◎ドウデュースでしっかり当てて、今回はG1予想記事3連勝がかかっていますが、当てれる気はしないです。しかし、少しでも参考になるように頑張っては書くつもりですので、よろしくお願いいたします。

ホープフルステークスですが、G1に昇格してからは来年クラシックに挑戦する馬にとっては2歳の一大目標になるレースとなりました。それまでは2歳の牡馬G1が朝日杯フューチュリティステークスしかなかったためにクラシック路線で毎回距離延長をしなければならないという鬼畜ローテでありましたが、このレースがG1に昇格したことによって皐月賞には同距離で挑めるという面もこのレースが目標とされる一要因であるように思います。強い馬が集まりやすい分、格が求められる一戦になってきました。それを反映してG1に昇格してからの5年間は前走1番人気で連対した馬が勝っています。ペース的には瞬発力よりは持久力が求められるレースになっています。

若駒たちにとってはただでさえ早い時期から2000mという中距離に挑むのは厳しい条件でありますが、そこに冬の中山という非常にタフな条件も重なってしまうので、このレースは中途半端な実力では勝つことは厳しいと思います。そういった要因から来年のクラシックを占いレースという位置づけでこのレースは行われてきましたし、実際にクラシックで活躍する様な馬を輩出しているレースでもあります。

しかし、昨年は強烈なトラックバイアスに加えてノーザンファーム組のデビューが遅れたことによって低レベルとなりました。2年前に関しても当時有力視されていたイクイノックスが馬の成長を鑑みて回避した結果世代のクラシック路線組のトップがぶつかるという状況にはならなかったので、結果として春のクラシックにあまり関連しないものとなってしまいました。今年は一部の有力馬は出ていないものの上位と目される馬はほとんど出走してきたと思いますが、今年もホープフルSが翌年のクラシックに直結するとは言い切れないですし、これはこれ以降の年に関しても当てはまるのではないかと現時点から思っています。その理由はまずはこのレースが行われる条件が関連していると思っています。2000mというこの時期に対しては比較的長い距離で行われるため、後の疲労や距離不安を考えてペースはあまり上がりません。また、内前有利のTBが発生しやすい競馬場でもあるので、後ろからしっかり差してくる確かな脚よりかは道中前目で進めたり、上手く内を進んでいったりといった競馬自体の上手さが問われるレースになりやすいということが一つはあると思います。加えて冬の中山という非常に気温の低い条件で行われるので、芝自体がかなり傷んでしまって上がりの脚自体が削がれてしまうような条件となっています。ダービーは基本的には芝のきれいな上がりの出る条件で行われますし、スローになり極限の上りが求められるレースであるので、ダービーをクラシックの中心と考えればこのホープフルステークスは正反対の条件で施行されるレースといっても過言ではないでしょう(皐月賞は中山で行われますし、雨が降るときもあるので、春クラシックをまとめてしまっては正反対の条件とは言えないのですが…)。そのため、特殊な適性が求められやすいレースになってしまっていそうです。

次に上位人気の馬の短評をしていきたいと思います。人気順の判断はnetkeibaの12/18時点のものを使用しています。

1番人気は京都2歳S覇者のシンエンペラー。
新馬戦はラスト2Fが11.1-11.0と驚異的なラップをたたき出しましたが、前半スローペースによるものでした。しかし、スタートはよかったにも関わらず抑えて番手で競馬した内容は良かったと思います。二戦目はパドックでは馬としての若さが出ていて気性が荒かったので厳しいのではないかと思いました。案の定スタートもあまり決まらず1角でも寄られてしまったので位置を下げる競馬を余儀なくされましたが、騎手の上手さか馬自身の競馬の上手さか馬群の中から差してくるという素晴らしい内容でした。新馬の内容からは追走力を求められるレースでどれだけの上りが発揮できるのかが課題でした。2走目ではそこまで速い上がりを出せなかったので、まだその部分には疑問が残りますが、ここで見せた競馬の上手さは中山でレースをするにあたってはプラスに働くと思いますし、血統的にも府中よりかは中山コースの方がパフォーマンスを発揮できると思います。近2走の内容を総括すれば他の馬がバテた時に持続する脚は持っているものの、トップスピードはそこまで高いものは感じません。能力に関しても突き抜けているようには感じませんし、勝ち負けのラインにいる馬だとは思いますが、オッズ的には切ってしまっても良い1頭なのではと思っています。

2番人気はサウジアラビアRCの勝ち馬のゴンバデカーブース。
新馬は逃げて勝ち、2戦目のサウジアラビアRCでは最後方から差す競馬と自在性を感じさせる競争内容ではありますが、どちらのレースでもラスト1Fは減速していますし、あまり奥のある勝ち方ではなかったように感じます。また、この馬は東京で早い時期にデビューしたこともあってか芝がよい時期にレースを使ってきましたが、今年は中山芝が比較的状況が良いとはいえかなり重たい条件を初めて使うここはかなり能力を落とすのではないかと思います。更に延長ローテも初めてで他の同距離で出てきている組や東スポ杯を使っている比較的延長距離が短い馬たちと比べると厳しい競馬を強いられるのではないかと思っています。2戦目のサウジアラビアRCに関しましてもレベルの高いシュトラウスとポンドガールが出走してきたので、ハイレベルな戦いになると当初思っていましたが、2頭とも折り合いを欠いてしまい能力を発揮しきれない競馬となってしまいました。その結果、重賞としては低レベルの一戦となってしまったように思えます。名門の堀厩舎の馬で新馬から逃げるような競馬をしてきたのも不可解だと思っています。ここまで極端な位置取りで競馬をしてきており、馬自体がかなり不器用なタイプなのかと邪推をしております。血統的に見れば父系と母系が逆であればこの早い時期から使ってくる馬としてはすごくよく見える血統背景をしており、その通りに前走時点でほとんど馬体は完成されていました。そういったことから今回の調教後の大幅プラス体重はどっちに転ぶかわからないですし、マイルが適性と思っているので、能力面に関しては最上位の評価をしており馬券内は堅いとは思いますが、前日段階で本命を打つのは厳しいかと思っています。

3番人気はスワーヴリチャード産駒のレガレイラ。
新馬の内容はよく、順調ならクラシックで勝てるレベルの馬だと思っていました。洋芝の函館でラスト1Fが推定で11秒台前半を馬なりで出しているのはペースがかなり遅かったとはいえ出せるものではないと思っています。そのため、2戦目の内容は少し残念なものでした。ドスローになったため、位置取りの差が着順に大きく影響を与えました。この馬自身も10秒台のラップを刻んでいるとは思いますが、他の瞬発力になさそうな馬たちも異次元の上がりを出しているので、少し物足りないものとなってしまいました。また、チェルヴィニアとの使い分けでここを使ってきたのだとは思いますが、賞金を加算できなかったのはこれ以降のローテーションを考えると非常に厳しい状況になってしまいました。ロカの子供でドゥラドーレスの半妹となりますが、父も違いますし馬体も大きく異なっています。ドゥラドーレスも早い時期から高いパフォーマンスを発揮したことは共通していますが、兄とは体重が40キロほど違い兄は馬体が大きいが故の一種の不器用さがあった一方で、レガレイラの方は筋肉がありすぎない分柔軟性を持っていますし、更にまだ成長できるだけの余地を持っています。2戦連続ドスローのラスト数ハロンだけの競馬しかこなしてきていないので、今回追走力を求められるようなレースになれば母父ハービンジャーが悪さをする可能性が捨てきれない厳しいローテになってしまう可能性はありますが、能力的には非常に高いものを持っています。馬体的にも更に成長する余地はあると思います。牝馬でここに出てくることを不安視することもできますが、この馬にとっては今はあまり追走させない方がこの先にとっても良い気がするので、追走力が比較的求められない中距離路線に出てきたのは良いと思いますし、陣営自体もここを目標にしてきたとも思います。今回あまりこの馬に向くような展開になるとも思えませんが、適性的にも馬体的にもマッチするレースでありますし、先を見通してここから先行投資しておくのもいいのかなと思います。

前書きの最後としてコース形態と展開の話をしていきたいと思います。ホープフルステークスは中山芝2000mで行われます。初角までの距離は405mで先行の内外有利はほとんどないです。前走ダート組がいるので、完全にはテンを速さを順位付けすることは難しいですが、テンが速い馬は1Fでいえばアンモシエラ、ウインマキシマム、ゴンバデカーブースあたりで、3Fでいえばやはりウインマキシム、ゴンバデカーブース、シリウスコルトあたりかと思います。そして今回のレースを難しくするのは距離延長の馬も多いということだと思います。二歳路線はマイル周辺の距離で行われることが多く、2000mで行われるものはかなり少ないので、距離延長で臨んでくる馬の割合が多くなりやすいということはわかりますが、今回は距離延長の馬が18頭中10頭と半分を超えてきます。また、先行馬の並びもほとんどが固まって配置されおり、先行意識の高い馬8頭のうちシリウスコルト1頭のみが先行馬と離れた位置になっています。こういったことから並びや割合、コース形態からは先行争いは激しくなると予想されますが、先述の理由や2歳戦自体、特に中距離路線に関してはスローペースになりやすいという傾向からは前に行くような馬でも安易に軽視はしにくい状況になってしまいました。並び的にはハイペースになりそうではありますが、スタートから坂を登ること、2歳戦の中距離だということを鑑みてスローペースに近くなると想定しています。なので、4角では位置をとれていないと厳しい競馬になってしまうと思います。残るのならば内の先行馬であるとは思いますが、差して勝ち切ってきた馬の割合が案外多いので、誰が先行するのかも読みにくいです。

並びという面に注目すればサンライズアースが取り消しをしたので、大外のミスタージーティーは両隣に馬がいないというストレスフリーな状況を作りやすくなりましたし、先行意識が高い馬に該当しながらも周りの馬に対してテンの脚が遅いレガレイラも内に進路を取りやすい状況になったのではないかと思います。シリウスコルトは隣に先行意識の高い馬がいないので、先行馬の中では並びは良いです。ゴンバデカーブースは最内自体は有利ではあるとは思いますが、馬群の中の経験がないので、厳しい枠に入ってしまった印象です。先週の有馬記念でも内を終始通れた馬の好走が目立ちました。外の先行馬はスターズオンアースのようにすっと前を取って内に入れれば好走の可能性は残っていますが、そこで余力を使ってしまうと最後に垂れてしまうので、能力的な面を含めても厳しいのではないかと思います。

それでは印の紹介に入っていきたいと思います。

◎13.レガレイラ
理由は人気馬の短評で述べた通りです。鞍上のせいか想定よりも現時点では人気してしまっています。調教に関してもこの週中開催に照準を合わせたとは思えないですが、能力的にも適性的にも他の馬に劣ることはないと思っています。他の人気馬とは違い能力の底が見せるような競馬をしてはいません。人気馬も穴目の馬もこれはといった馬がいないので、馬体やこれまで見せてきたレース内容からホープフルな馬に本命を打ちたいと思います。

結構人気馬決着しそうな気もしますし、人気の無いところでもここを目標に追切もされていそうなディスペランツァも怖いですね。切ってしまった馬も結構いますが、現時点でも12頭ぐらいは候補として残ってしまっているので、今日のレースを見ながら相手選択はしていこうと思います。今は相手候補として、上位評価をしているゴンバデカーブース、ショウナンラプンタ、ミスタージーティー、ヴェラキラプトル、タリフラインを挙げておこうと思います。

以下会員の印です


第40回 ホープフルステークス


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