ジャパンカップコース形態・データ分析
1.はじめに
今回はコース改修の影響などが出ていないため、同レースの過去10年データを使用して分析する。
2.コース形態
ジャパンカップは東京競馬場2400mを使用する。ダービー、オークスも同じコースを使うことからこのコース形態への好走適性を目指す馬が多い関係上、実力馬の層が厚くハイレベルな戦いになりやすい。
急坂の上からスタートし、1コーナーまではおよそ350mと十分な長さ。1コーナーから向正面半ばにかけて高低差1.9メートルの長い下り坂を下っていく。3コーナーの手前には高低差1.5メートルの上り坂があり、 3コーナー半ばまで下る。4コーナーの手前からコーナー明けまで若干の上り坂になっている。全体525.9mの長い直線には残り460メートル地点から300メートル地点にかけて2mの急坂があり、それを登れば残り300mは平坦となっている。
1コーナーまでの距離がしっかりあるが、距離が長く坂が2回とコース形態としてタフなこと、最後の直線が長いなどの理由から前半ペースは控えめにする意識が強い。ゲートの位置がスタンド正面なことから、馬を落ち着かせるためというのも起因しているかもしれない。タフかつ瞬発戦気味でもあるので馬の実力がモロに出やすく、人気馬(実力馬)が好走しやすいレースでもある。
3.馬番・脚質・人気データ分析
注目は5番人気以上のデータで、過去10年の勝ち馬は全てここから出ている。どころかほとんどの馬券はここから。6番人気以内で馬券に絡んでいるのは5頭のみである。前述のとおり、実力がモロに出るコース形態から人気馬(実力馬)で勝ち負けすることが多いようだ。
全体で見ると先行馬が有利なように見えるが、これにはジェンティルドンナ、スワーヴリチャード、2連覇したアーモンドアイが含まれている。ただ、中団群にも先程とは別の年のジェンティルドンナ、スワーヴリチャード、2年連続好走したコントレイル等が含まれることから大きな差は無さそうではある。元も子もないが当日の馬場次第。しかし、6人気以下の人気薄の好走馬は中団・後方からの馬が多いことからやや差し馬が有利なようには思う。
内枠に人気馬が集中しており判断が難しい部分もあるが、5番人気以上の人気馬群の中でも内枠の成績が良いこと、人気薄群で連対しているのが中枠辺りから出ていることから、若干内枠有利か。タフなコース形態なことからロスなく回りやすい内枠に分があるのだと思われる。
脚質別で見ると前方脚質は内枠有利傾向が出ていること、後方脚質は内外の大きな差異は無いことから、前述の話から後方脚質がやや有利という部分と、先程の若干内枠有利という部分が繋がる。
上り3F時タイム差で見るとかなり後方からでも届くように見える。しかしこれらの理由は、大逃げ策を取ったり、マクった馬が出たりなどの理由でハナと番手の上り3F時タイム差が0.6秒以上だったからで、極端な例では2020年は2.9秒差、2012年は1.7秒差である。そういった例を2番手からのタイム差に整えるとすべて先頭からのタイム差は1秒以内に収まったため、一つの基準と言える。
4角時位置取りでは前方から2/3頭以内でほとんど馬券になっているため、後方過ぎると間に合わないようだ。前方から2/3頭外から3頭馬券に絡んでいるが、それらも上り3F時差が1秒以内と考えるとやはりそれほど後方ではない。これらのタイム差、位置取りのことから、差しが有利なコースとはいえ極端な後方一気馬などは割引が必要だろう。
4.まとめ
・実力のある人気馬が勝ち負けしやすい堅めなレース
・脚質は大差無いがやや差し有利。中穴は差し馬から
・枠順は大差無いがやや内枠有利。先行馬は内枠から
・後方過ぎる脚質は届かない(10番手以内orハナから1秒目安)
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