見出し画像

【大阪杯2024】阪神芝2000mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

大阪杯の好走傾向=先行有利

大阪杯(阪神芝2000m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:4.9頭目÷大外平均:10.6頭目=馬群内直線位置:47%
4角平均位置:3.8番手÷出走平均数:14.2頭=馬群内道中位置:27%
好走馬上がり3F平均タイム=35.30秒

2017年よりGⅠに格上げされた春の古馬中距離頂上決戦。格上げによってレースレベルが向上し、他のGⅠレースで好走する馬たちが顔を並べるようになっている。
内外はほぼ真ん中ではあるものの、2021年の重馬場開催が数値を一気に跳ね上げている印象があり、実際のところは比較的内に寄っているように感じる。
脚質は平均4角3.8番手で明らかな先行有利。好走できた差し馬は速い上がりを使った馬でも2023年②着スターズオンアースの9番手が最高方で、二桁通過順の好走馬はいない。

とにかく「先行有利」

大阪杯過去10年脚質別成績(~2023)
阪神芝2000m脚質別成績(~2023)

このコースの最大の特徴は「逃げ・先行有利」であること。レースの過去10年成績、コース成績ともに複勝ベースで見ると「逃げ→先行→差し→追込」と綺麗にグラデーション。馬を見ずにギャンブルとして張るならば、「絶対に逃げ先行馬を買って、差し馬には手を出してはいけないレース」とまで言えるだろう。

→先行有利の理由:コーナー4つのコンパクトコース

阪神内回りコースレイアウト

4角過ぎ直線からスタートをし、1コーナーまでの距離は325m。あっという間にコーナーを迎えて4つのコーナーを経て直線は360mにも満たない上に急坂登坂となれば差し馬は明らかに不利なコースとなるだろう。
また、断面図を見てもわかる通り向正面から徐々に下りが始まり、3角(残り800m)から明らかな下り坂になっているため早めのスパートが強いられて「脚を溜めて末脚を生かす」といったレースができないために先行の利が強いと言える。

持ち時計勝負

大阪杯(阪神芝2000m) 過去5年好走馬持ち時計順位

近年の阪神芝は近年状態がとても良くて強い印象がある。よって上級条件では持ち時計が求められるレースが増えているのだ。大阪杯もこれに該当し、過去5年の好走馬はメンバーの中で速い持ち時計を持っている馬が大多数を占めている。

→馬場状態の良さ:他場より高クッション値&低含水率

21~23年 競馬場別クッション値/含水率 平均値

馬場の良さ・強さを比較する上でクッション値と含水率を用いてみた。馬場が硬くてよく弾む(=クッション値が高い)、馬場が乾いていて硬い(=低含水率)を基準に他場と比較をすると、主場では東京・中山(京都は工事期間があったため数値の分母が少ないため比較できず除外)よりも阪神の方がクッション値が明らかに高く、含水率は明らかに低い。よって阪神は東京中山よりも馬場が硬くて状態が良いために持ち時計の速さが結果にも影響しているのだろう。

ファンの中で以前まで印象があった「阪神の芝は重い/タフ」は既に死語であり、これからは軽い馬場という印象が正しいだろう。

当週の馬場傾向

<トラックバイアス>
2019年 土曜:4.7/日曜:4.6(B)
2020年 土曜:4.0/日曜:3.5(B)
2021年 土曜:4.3/日曜:5.5(B)
2022年 土曜:3.7/日曜:5.9(A)
2023年 土曜:5.8/日曜:4.7(A)

※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

季節が春に変わって芝状態が良くなるこの時期であるが、同時に天気が不安定でもあって雨の影響を受ける年もある。2021年は日曜当日に天気が崩れて大阪杯開催時には重になった。今週は週中に雨が降っているものの金曜からは天気が回復し気温上昇の予報。馬場が強くなっている阪神芝で金曜時で雨が上がってしまえば日曜メインの頃には良になるだろう。

注目馬

◎ローシャムパーク
芝1800mの持ち時計はメンバー最速。時計勝負ならば有利となるだろう。しかもレーススピードがありながら、それがワンターンだけでなく中山函館などコーナーリングを要するツーターンコースでも発揮している。函館記念でブローザホーン/マイネルウィルトス、オールカマーではタイトルホルダー/ゼッフィーロ/ガイアフォースを相手に勝利しているのは強さの証だろう。
「脚が速い」「コーナー4つをクリア」「実力がある」この要素が揃ったこの馬が総合的に評価して最上位だろう。

○エピファニー
芝1800m②位/芝2000m①位の持ち時計。時計勝負になりやすい大阪杯において最適な馬だと言える。1点懸念は前向きな姿勢が故にSペースが苦手なところ。馬群を引っ張るような馬がいない今回のメンバー構成では力んでしまう可能性だけが気になる。

▲ステラヴェローチェ
2年以上勝ち星がなく昨秋ダートに挑戦するも、その後は再度芝に戻って前走見事勝利。ダートという激流になりやすいレースを経験して本来のスピードを取り戻したのだろうか。持ち時計は芝1800m③位で、しかもこれを前走マークしている。◎○の馬たちには時計面で劣るものの先行脚質という魅力はこちらにある。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?