【高松宮記念2024】中京芝1200mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)
高松宮記念の好走傾向=(差有利)
直線平均進路:7.0頭目÷大外平均:16.0頭目=馬群内直線位置:44%
4角平均位置:7.3番手÷出走平均数:18.0頭=馬群内道中位置:41%
好走馬上がり3F平均タイム=34.31秒
春のスプリント頂上決戦となる当レースは芝GⅠで唯一主場4競馬場(東京中山京都阪神)以外で行われる特殊条件。故に特徴が色濃く出る舞台である。
馬群の最大進路に対する直線平均進路は44%で真ん中からやや内側に傾向があり、脚質も4角平均位置は数字上やや前ではあるものの、共に強いバイアスではない。
好走傾向に(差有利)と表記したのは先行馬の中でも「末脚に長けた馬に好走している」という傾向があるためである。
逃げ馬に厳しいコース
向正面中間やや手前からスタートをしてコーナーを経て直線というシンプルなコースではあるが、中京には他のコースと明らかに異なる特徴がある。
①直線が異様に長い
中京芝1200mの直線は412.5mでJRAの芝1200mで最も長い。直線が長くて有名な東京は芝1200mの設定がなく、同じくその印象が強い新潟は内回りコースを使用するため358.7mにとどまり、その差は50m以上に及ぶ。大半のコースが350m以下なのに対して中共だけは400mを超える直線を有しているという事は明らかに異質な特徴があると言えるだろう。
②直線加速を強いられる事を考慮したペース配分
直線が長いということは、そこで末脚を活かす競馬・展開になりやすいということである。これが影響して前半3Fのペースはあまり速くならない。
中京よりも阪神・京都の方が前半3Fが遅いが、阪神はスタート直後に窮屈な3角をすぐに迎えてしまうこと、京都は3角に向けて上り坂となるためスピードが付きづらいという特徴があってであり、反対に中京はSから100mを通過したあたりから向正面→3~4角と下りが続いているのにもかかわらずペースアップがあまり起きないということは「あえて押さえている」という理論も成り立つだろう。
③逃げ馬の成績は歴然
①直線が長い→②終盤の加速力を競う展開を考慮するが故に前傾度合い弱い という条件が揃うことで勢い任せの前にいる馬以外にもチャンスが生まれやすくなる。
短距離戦は「テンからいかにスピードに乗れるか、それを維持できるか=持ち時計のある先行馬が有利」がデフォルト。そのため大半の競馬場で逃げ先行馬の成績が良好。しかし、中京は他と大きく数字を落としている。
スピードとその勢いで押し切ることができないコースであることを覚えておきたい。
当週の馬場傾向
<トラックバイアス>
2019年 土曜:5.2/日曜:5.3
2020年 土曜:6.0/日曜:8.8
2021年 土曜:6.7/日曜:7.1
2022年 土曜:4.7/日曜:4.2
2023年 土曜:5.3/日曜:8.1
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値
先述の通り、近年は土日に合わせて天候不良で馬場が急変、悪化してしまう事が多く数値が高いことが目立つ。それでも毎年この週からA→Bコースに替わって仮柵が設置されるため雨量などから考慮すると数値は落ち着き気味。内枠に好走が集まっているのもコース替わりの影響が大きいと考える。
今年は開幕週から通してBコース使用が続き、今週で4週目に当たる。例年よりも内有利の傾向が見られない上に今年も土日には降雨予報が出ているため、例年とは異なる馬場状態も想定される。
注目馬
◎ママコチャ
スプリンターズSは先行して速い上がりを見せての①着。上がりのキャリアは 通算 34.36秒/好走時 34.23秒と速い上がりも持っている。特に1200mに路線変更した2戦は34.5秒以下の速い上がりを見せ続けているため、実は中山よりも中京の方が合っているのではないかと感じるほど。
実力実績があって適性もハマりそうな今回は勝ち負けに期待。
○ナムラクレア
昨年②着→スプリンターズS③着でスプリント戦線ではトップクラス。特に推し材料は、コーナーが緩いやかで末脚が活かしやすくて、ただでさえ水分量が多くて緩めの洋芝に雨が降って馬場が渋った3走前のキーンランドCを勝てた事。直線が長くて雨が降るとその影響をすぐに受けて重たい馬場になってしまう中京で好走するための適性を証明している。
★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。
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