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【目黒記念2024】東京芝2500mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

目黒記念の好走傾向=馬場差無

目黒記念(東京芝2500m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:6.9頭目÷大外平均:14.4頭目=馬群内直線位置:48%
4角平均位置:6.0番手÷出走平均数:16.6頭=馬群内道中位置:36%
好走馬上がり3F平均タイム=33.98秒

例年日本ダービー直後に行われる恒例重賞レース。日本ダービーと同日で馬場状態はほぼ一緒で、距離は100mしか違わないのにも関わらず、その傾向は独特である。

特徴がないように見えて特徴のあるコース

東京芝コースレイアウト

スタートは直線で、1角までは450mとたっぷりあることから、枠順の有利不利はあまり見られない。日本ダービーやジャパンカップは馬場状態と1角までの距離から「内(内枠)有利」と言われるが、このコースに限るとその傾向は当てはまらないようだ。
しかしながら、このコースの独特性は別の視点から感じられる。

A:道中坂を3度登坂する

スタートは芝2400mから100m後ろ。ちょうどここには坂があり、芝2400mなら坂上スタート、芝2500mなら坂の途中からスタートとなる。向正面にも一度アップダウンがあり、ゴール前にもう一度スタートと同じ坂を登らなければいけないことから登坂3度のアップダウンが激しいコースである。

全場2200~2600m登坂回数一覧

2100m~3000mの“長距離寄りの中距離”という距離設定はどのコースにも存在する。大半2000mならば1周以下で、3000m超は2周以上してしまうことから比較が難しいが、この2100m~3000mの距離設定だとコース毎に登坂回数が異なって特徴が見られやすい。
道中登坂2回は数多くあるものの、3回になると福島芝2600mとこの東京芝2500mだけで、実はとても特殊なレイアウトであることがわかる。また福島と東京ではコース全周、コーナーの角度、直線の長さなどそれぞれの基本的な特徴も異なるため、これらがリンクすることも難しい。よって東京芝2500mは唯一無二なコースであるという側面も持ち合わせていると言えるのだ。

目黒記念(東京芝2500m)リピーター

過去10年を遡っても、好走馬30頭のうち、9頭が目黒記念or同舞台のアルゼンチン共和国杯での好走がある馬が再度好走する「リピーター」が発生している。
特殊な条件だからこそ、ここに来ると他の馬よりも力を発揮する(≒他馬が苦しむ中を難なく走れる)といったパターンが多く見られるのだ。

B:中盤→後半は「中距離戦」

目黒記念 AR共和国杯ラップバランス

東京芝2500mで行われる目黒記念とアルゼンチン共和国杯は“瓜二つ”かのように平均ラップのバランスが類似している。コースの特徴がそのままレースに反映されているといっても過言ではないだろう。
注目点は700m通過以降だ。ここはちょうど向正面の緩やかな下り坂で勢いがついて加速をし、そのまま大きな淀みを見せずにゴール前200mまでペースが速くなっている。700mまではペースが緩み続けて息が入って、後半はスピードの持続力を問うようなレースになっている。

目黒記念好走馬(リピーター以外)

リピーター以外にフォーカスすると、近5年は特に1800m~2000mの2500mよりもスピードとその持続力を要するレースで好走している馬が多い。中盤まで脚を溜めた上で向正面から直線にかけてスピードの持続力を活かした好走をする馬が多いため、単なる長距離系のレースにはなりにくく、むしろスピード系のレースになりやすいのだ。

当週の馬場傾向

<トラックバイアス>
2019年 土曜:5.2/日曜:5.4
2020年 土曜:5.1/日曜:7.8
2021年 土曜:4.4/日曜:3.1
2022年 土曜:6.5/日曜:6.3
2023年 土曜:5.1/日曜:5.1

※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

Cコース初週で最内から6m離れたところに仮柵が設置されるため、前週までのBコースよりと比べて数値が低下し「内有利」が顕著。同日行われる日本ダービーが内有利というイメージを持たせてしまうほど傾向が強いため、今年も例年通りの馬場傾向なら内有利が基本だろう。

注目馬

◎マイネルウィルトス
21年AR共和国杯②着→22年目黒記念②着→23年AR共和国杯②着とこの舞台に出ると必ず好走する、紛れもないコース巧者である。近走は重賞を連戦していて崩れたのは23年新潟記念のみ。これは極端な上がり勝負になったことが敗因だと明言されていて、L3F以上が引き締まったラップを刻む展開ならばコンスタントに結果を残し続けている。

ヒートオンビート
21年目黒記念②着→22年AR共和国杯③着→23年目黒記念①着→23年AR共和国杯③着と4度走って全て着内という完璧なリピーター。負けた時の着差も0.3秒差で大きく離されていないことも評価ポイントだろう。
他にもチャレンジC(阪神芝2000m)、中山金杯(中山芝2000m)、七夕賞(福島芝2000m)など2000m重賞も多く好走しているところはこのレースへの相性の良さが窺える。

▲シュヴァリエローズ
東京芝2500mの実績はないものの、リピーター以外での好走パターンに当てはまる「芝2000m実績馬」に該当する。目立った実績はないもののホープフルS⑤着、新潟大賞典⑥着(0.4差)、中日新聞杯⑤着(0.3差)と惜しい競馬を続けてきた。その他、特に評価したいのは京都記念は、プラダリア、ベラジオオペラ、バビットなど毎度重賞で評価されるような強豪相手にも食い下がって④着に入っていることは実力を認めたい。
これまで東京コースだと能力を発揮しきれていない印象があったが、前走2400mに距離を伸ばしたことで結果が出たため、2500mという舞台は可能性を感じる。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。




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