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【京都新聞杯2024】京都芝2200mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

京都新聞杯の好走傾向=内先行有利

京都新聞杯(京都芝2200m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:5.7頭目÷大外平均:13.2頭目=馬群内直線位置:43%
4角平均位置:5.2番手÷出走平均数:13.6頭=馬群内道中位置:38%
好走馬上がり3F平均タイム=34.48秒

西のダービートライアルにあたる京都新聞杯は割合として本番への直結度合いが高くないものの、時折好走することもあって侮れない。
2021~2022年は中京開催だったため、昨年と2017年~2020年の京都開催のみの平均から傾向を見ていこう。好走馬の直線平均進路は内ラチから5.7頭目の43%で真ん中からやや内に集まっている。脚質は好走馬4角平均位置が5.2番手で38%とかなり前にいる。よって内先行有利となるわけだが、細かく見ると、極端な逃げ先行の馬2頭と差し馬で構成されていて、さらに末脚に長けた馬が圏内に集まっている印象がある。

“ゆったりとした”コースレイアウト

京都外周りのコース形態

京都競馬場の特徴はご存知の通り、3角にある大きなアップダウン。外回りを使用する芝2200mは長い向正面途中から急激な上り坂、3角では急激な下り坂と勾配が短い範囲の中に集まっている。スタートから1角までは400mあるがそこで隊列が決まると3角終わりまでペースアップするような箇所はなく、一度ペース落ち着くとラストスパートまで脚をためることになるだろう。
よってレーススピードはあまり必要とされないためにレース全体の脚の速さ、レーススピードは問われにくいコースである。

古馬重賞より引き締まったラップ

京都芝2200m重賞ラップ比較

京都芝2200mには年間3度の重賞があり、京都新聞杯以外はハイレベルな馬の集まる京都記念と秋の牝馬戦線最大目標となるエリザベス女王杯である。京都記念、エリザベス女王杯と共に格の高いレースため、世代限定戦で本線となる皐月賞経由とは異なる遅めの開催となるGⅡよりもラップが激化しそうなイメージであるが、実際のところは京都新聞杯が前半5Fと後半5Fがどちらもが最も速い。
京都芝2200mはスタートから1角までが397mと長いが、ラップで見ると400m通過は京都記念 11.4秒(24.1秒)/エリザベス女王杯 11.2秒(23.8秒)なのに対し、京都新聞杯 10.7秒(23.2秒)で格段に速いため、テンからスピードを出して追走していく必要がある。

それでも好走馬は差し馬ばかりだけでなく、中団より前に位置をつけた馬が多いということはスピードとスタミナを兼ね備えた馬が好走しているのだ。

距離延長が多い

京都新聞杯前走距離割合

京都新聞杯に挑んでくる馬の多くは2000m以下で、過半数が距離延長組。2200mよりも速い流れを経験したのちにこの舞台に距離を進めてくること、そして先述にもある通りSから1角までの距離が長いことが前半のペースを速めてしまう要因なのではないかと考える。

当週の馬場傾向

<トラックバイアス>
2017年 土曜:6.1/日曜:5.6
2018年 土曜:6.0/日曜:7.0
2019年 土曜:4.9/日曜:5.4
2020年 土曜:7.8/日曜:8.9
2023年 土曜:3.8/日曜:5.4

※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

開催3週目の京都は芝がまだ元気な状態が続き、内外に極端なバイアスが見られにくい。基本的には内有利~内外差無である。リニューアルオープン後の昨年もそれまでの傾向と大きく変わっておらず、京都らしいバイアスになっている。

注目馬

◎ベラジオボンド
前走毎日杯では水分量が多くて道悪だったのにも関わらず歴代上位の好タイムを見せるほど速いラップを刻み、のちに皐月賞でも驚異的な引き締まったラップを刻んだメイショウタバルの③着。勝ち馬との着差は大きいが、②着(今週NHKマイルC出走予定)のノーブルメジャーとは0.1差(クビ差)の③着で評価できる。元々終始レーススピードが求められる阪神外回り1800mの重賞で好走できているのだから、引き締まったラップになりやすい京都新聞杯への対応力は高いだろう。
3歳春時点で速い流れの重賞を経験できていることは大きな価値である。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。

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